健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

アルツハイマーを進行させる糖鎖

2015-02-01 08:30:23 | 研究
バイセクト糖鎖と呼ばれる糖鎖がアルツハイマー病を進行させることが発見されたそうです(財経新聞)。アルツハイマー病は認知症患者の半数以上を占める疾患で、その原因はアミロイドβと呼ばれるペプチドが脳に蓄積することにあると考えられています。また、近年、アルツハイマー病患者の脳でバイセクト糖鎖の量が増えているという研究結果が報告されているそうです。今回の研究では、バイセクト糖鎖を作る酵素「GnT-III」を欠損させたマウスを用いて実験を行ったところ、脳内のアミロイドβの蓄積が激減し、記憶能力の低下も抑えられることが分かったというもの。さらに、バイセクト糖鎖を欠損させるとアミロイドβを作る酵素「BACE1」がアミロイドβの前駆体タンパク質(APP)と細胞内で異なる分布を示すようになり、その結果アミロイドβの産生を抑制できることが明らかになったそうです。今後は、本研究成果が糖鎖をターゲットにした新しいアルツハイマー病の治療薬開発に繋がると期待されているそうです。
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