1.プロポリスとは
プロポリスとは、ミツバチが樹木から集めてきた樹脂状の物質と、ミツバチの唾液中の酵素が化学反応してできたワックスのことをいいます。ハチが自分たちの巣の壁のすき間を埋めたり、巣の縁を強化するのに用いています。このワックスには強力な殺菌・消毒作用があり、巣の内部でエサとなる昆虫の死骸が腐るのを防止しています。
プロポリスは、古代のエジプトでミイラをつくるときに、死体の防腐剤として利用されていました。以後、世界のあちこちで、炎症、結核、トリコモナス症、ガンなどの民間薬として用いられてきています。
昔から民間薬として用いられ、それなりの効果があるといわれてきましたが、学術的な実証研究はまだ始まったばかりです。
プロポリスは、栄養が豊富であるという理由で、アミノ酸、ビタミン、ミネラルの補給として摂られるようになりました。しかし、プロポリスを大量に摂取しないと目的を達成することができませんので、金額が高価になります。これらの栄養素は、豆腐、魚介類、豆腐、肉類などの安い食品から摂ることもできます。
2.プロポリスの効用
プロポリスの効用は、「風邪に効く」「性器ヘルペスの治療に有効である」との報告はありますが、「認知症(痴呆症)を改善する」「便秘や肌荒れに効く」「食欲減退、不眠に効く」といった効果については、まだ確認されていません。
試験管のなかや動物実験では、抗酸化や抗炎症、発ガンの抑制という3つの働きがあることが認められています。しかし、ヒトによる効果は全くみられていません。
これから、プロポリスの薬理作用が徐々に明らかにされていくと思います。しかし、それはあくまでも「薬」としての効果であることを忘れないでください。
ただ、漠然と「カラダにいい」という理由で、高価なサプリメントを摂取するのは意味がないといえます。
3.プロポリスの副作用
プロポリスの副作用として接触性皮膚炎が発生することが報告されています。接触性皮膚炎というのは、「かぶれ」のことで、外から皮膚に付着したものが原因で起こる「接触アレルギー」のことです。このアレルギーは、プロポリスの成分に過敏の人に発生するものです。
接触性皮膚炎は、養蜂をする業者の職業病として知られています。プロポリスを含んだ「バイオ化粧品」を使用する人に、この接触性皮膚炎が増えてきています。また、虫さされ、手や顔の湿疹に対してプロポリスを内服したり、原液を手や顔に塗布したところ、湿疹が悪化し、腫れて目が開けられなくなった例もあります。プロポリスを含んだトローチ剤で口やのどに炎症が起きた例も報告されています。
このような副作用が発生したら、すぐに服用をやめることです。
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