脳を興奮させれば、うつ病から開放されるといわれています。脳を興奮させる伝達物質の原料を含む食べ物をしっかり摂れば、うつ病への有効な対策の一つとなります。その原料とは、チロシンとトリプトファンです。
チロシンは、ノルアドレナリン、ドーパミンといった脳を興奮させる原料になる大事なアミノ酸です。ノルアドレナリンは、目覚め、集中力、性欲を高める伝達物質です。また、ドーパミンは、いい気分にさせる快感物質です。
チロシンを摂るには、ピーナッツ、鶏肉、牛肉、羊肉、バナナ、七面鳥、牛乳、卵黄、アーモンドなどを食べるといい。
トリプトファンは、最も大事なアミノ酸で、セロトニンとメラトニンの原料となります。
セロトニンは、落ち込んだ心を励まし、食欲を抑えるので、やせる効果もあります。メラトニンは体温を下げ、眠りに導きます。そのため、トリプトファンが不足すれば、セロトニンが不足し、うつ状態になるだけでなく、メラトニン不足により、睡眠障害にも苦しむことになります。
赤ん坊のミルクにトリプトファンを加えることで、赤ん坊の寝つきがよくなったという報告もあります。また、トリプトファンを学習能力に問題のある子供に投与すると、子供が落ち着いて勉強するようになったという報告もあります。
気分をハイにするアミノ酸に、メオチンがあります。メオチンは、体内のビタミンB12の協力により、遺伝子の構成成分でもあるアデニンにくっついて、S-アデノシンルメチオニンという物質に姿を変えます。このS-アデノシルメチオニンは、気分を高める効果があるだけでなく、罪悪感、自殺衝動、無気力、仕事の能率の低下といった、うつ病の症状を改善する効果が認められています。
メチオニンは、牛乳、レバー、トウモロコシに含まれています。アメリカでは、S-アデノシルメチオニンは「サミー」という商品名で販売され、大人気となっています。
集中力の減退や、やる気の消失を感じるひとは、トリプトファン、チロシン、メチオニンをしっかり摂ることをお勧めします。