つれづれ写真ノート

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ソニー「FE90mmマクロ」トークショー

2015年07月09日 | カメラ

ソニーが6月26日に発売した、α7 シリーズ用の35mmフルサイズ対応Eマウントレンズ「FE 90mm F2.8 Macro G OSS」。

このレンズが、国内外のレビューでなかなか好評です。

 

   FE 90mm F2.8 Macro G OSS(ソニーの製品ページより)

 

高性能モデルであることを示す「G」を冠した、FEレンズ初の中望遠マクロ。

主な特長は以下の通り(ソニー製品ページより抜粋)。

・レンズ構成 11 群 15 枚
・美しいぼけ味と高解像度を両立
・周辺までクリアに描写
・「ナノARコーティング」で、フレア・ゴーストを抑制
・絞り羽根 9 枚(円形絞り)
・光学式手ブレ補正
・最短撮影距離 28cm
・最大撮影倍率 1.0 倍
・フィルター径 62mm
・最大径x長さ(mm) 79 x 130.5
・重さ 602g
・防塵防滴

 

馬場信幸氏トークショー

7月4日にソニーストア大阪で、プロ写真家・馬場信幸氏のスペシャルトークショーがあったので、聞きに行ってきました。(ソニーストア名古屋でも7月5日に開催)

 

「α E マウント交換レンズの魅力」と題した、馬場信幸氏のスペシャルトークショー(ソニーストア大阪で)。

FE 90mm F2.8 Macro G OSS」を中心に、「ツァイス Distagon T* FE35mm F1. 4 ZA」、「FE 28mm F2」用のウルトラワイドコンバーターレンズ 。計3 つのフルサイズ用レンズについて解説がありました。

 

FE 90mm F2.8 Macro G OSS

 トークショーで解説する馬場信幸氏。

 

馬場氏によると、ソニーは「ボケ描写はGレンズでやる」と言っているそうです。ボケにこだわってきた、前身のミノルタの伝統をGレンズに生かそうということでしょう。

今回の新製品「FE 90mm F2.8 Macro G OSS」も「ビューティフル・ボケ」が売り物。しかし、今年2 月の「CP+ 2015」で、このレンズを試してみた馬場氏にとっては、ボケ描写にやや不満もあったとのこと。

「このレンズの良いところも、悪いところもお話します」と馬場氏。

 

良いところは、素晴らしいシャープさ。

名古屋の植物園で撮影したアンスリュームの写真は、一部をアップにしても「ぞくぞくするほど(馬場氏)」鮮明。

絞り開放なのに、まるで顕微鏡写真のように細部まで写っています。

函館のレトロな建物内でのモデル撮影会の模様も見せてもらいましたが、モデル全身を撮った写真が、髪飾りからモデルの顔、衣装に至るまで、カリカリにシャープ(絞りはF2.8 ~ F4)。

すごい、驚きました。良いレンズですね。

 

ところでボケ味の方ですが、背景ボケは自然で柔らかく、いわゆる「二線ボケ」はありません。

馬場氏が唯一残念と指摘するのは、画面に点光源が入った時。本来丸い玉ボケが、口径食のため、周辺部では楕円形になります。

(「でも…」と個人的には思いました。キヤノンやニコンの高級レンズでも大抵、口径食というものは出るし、それが欠点というのは厳しすぎるかも…)

 

馬場氏は、ソニーのSTF レンズを基準に考えているんですね。ミノルタの伝統を受け継ぎ、理想的なボケを追求した「135mm F2.8 [T4.5] STF」(マニュアルフォーカス)。

(そりゃあ、STF レンズと比べればね…)

 

馬場氏は「STF レンズは、二線ボケもない、口径食もない。これこそ“ビューティフル・ボケ”。それに対して、この90mmマクロレンズは、これ以上ないくらいシャープで二線ボケもないが、唯一、口径食はある。」と解説。

しかし、その一方で、「とても面白いレンズ」と結論付けていました。

 

「α7II」に付けた「FE 90mm F2.8 Macro G OSS」が展示されていました。

 

レンズの前の方にあるリングを前後にスライドするだけで、 AF/MF を素早く切り替え、ピントを決められます。手ブレ補正機能があるので、手持ちのマクロ撮影に便利。

試してみて、魅力的なレンズだと思いました。

 

「ツァイス Distagon T* FE35mm F1. 4 ZA

ツァイスだけに高価で、35mmとしては大きいですが、馬場氏いわく「撮れば撮るほど、素晴らしいレンズ」。

前述の函館でのモデル撮影会での実写例を見ました。うなるほどシャープです。

函館の夜景。絞り開放でも中央部と下隅の部分が同じように鮮明な描写。ゆがみもなく、カッチリと写っています。

馬場さんは「絞り開放でも周辺部まで鮮明。コマフレアがなく、点が点として写る。ボケは柔らかく、二線ボケがない。ただし口径食はあります。」と、特長を解説していました。

 

FE 28mm F2」 + ウルトラワイドコンバーター

FE 28mm F2」はコンパクトさに重点を置いたフルサイズ用広角単焦点レンズで、これにウルトラワイドコンバーターを付けると、21mm F2.8 になります。

 

 「α7」に付けた「FE 28mm F2」(左)。右端が ウルトラワイドコンバーター。その左がフィッシュアイコンバーター

2種のコンバーターはいずれも「FE 28mm F2」のために開発されたもの。接続はとてもスムーズ。

 

ウルトラワイドコンバーター を付けた場合、画角が広くなるのは当然ですが、それ以外の付随的なメリットとして馬場氏が強調していたのは、ボケの質が良くなること。

「レンズの味が出る」そうです。

そのほか、ゴーストが出ないという特長も。部分的に二線ボケ(小さな点光源の場合)は出るものの、高く評価。「FE 28mm F2 だけでなく、他の単焦点レンズにも付けられるようにしてほしいと、ソニーに要望している。」と、話していました。

 

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  ・『FE 90mm F2.8 Macro G OSSレポート』(PHOTOYODOBASHI)

  ・『"G"の称号を持つマクロ「SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS」』(マップカメラ・Kasyapa)

  ・『ソニーFE90mm F2.8 Macro G OSS は並外れてシャープなレンズ』(デジカメinfo / SLRGear



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