つれづれ写真ノート

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ニコン「D5」を触ってみた

2016年01月16日 | カメラ

ニコンのプロ向けフルサイズ一眼レフ「D5 」(3月発売予定)。

2014年発売のフラッグシップモデル「D4S」の後継で、オリンピックイヤーに満を持しての登場。

 

リオデジャネイロ五輪で、キヤノン「EOS-1D X」の後継機(まだ発表されてませんけど)とシェア争いが見ものです。

 

ニコンプラザ大阪で実機が展示されていたので、触ってきました。

 ニコン「D5 」。

 

横から見たところ。

 

背面。

ボタンの位置や機能が「D4S」からかなり変更されているようです。

 

超広角ズームレンズ「AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR」が付いていました。

 

持ってみると大きく、ずっしりとした重量感。レンズ(680g)込みで2kgを超えます。

いやはや現代のプロ用機は… 性能もモンスターですが、重さもヘビー級。

 

高速連写12コマ/秒

 

なにはともあれ、高速連写を体験。フラッグシップ機のすごさが誰にでも分かるのは、連写を試したときですね。

連写性能は、「D4S」の約11コマ/秒から、約12コマ/秒(いずれもAF・AE追従)にアップしています(キヤノン「EOS-1D X」と同じ)。

 

連写音を動画にしてみました(YouTubeにアップ)。

これが12コマ/秒の世界。

実際はもう少し硬めの音ですが、鳥が羽ばたくような、こたえられないフィーリングです。

「いいなァ~」とうっとり。

 

連続撮影可能コマ数も、RAW(14ビット・ロスレス圧縮)で、最大200コマ連続で撮れるとのこと。すごいです。ただし、これは『Lexar Professional 2933x XQD 2.0のメモリーカード(読み込み転送速度最大440MB/秒)を使用した場合』(ニコンの製品情報ページ)となっています。(同メモリーカードについては デジカメWatch参照)。

高速連写能力を最大限生かすには、転送速度の速いメモリーカードを使うことが必要になってきます。

 

153点AFシステム

連写スピードとともに、新しい「D5 」の特筆すべき進化は、AFシステム。

AFポイントは、「D4S」の51点から大幅に増えて153点に。ただ、任意に選択できるのは55点。

下の図(いずれもニコンのページより引用)で、四角形のポイントが実際に選べるポイント。小さな点で示されているのは選択不可。

  

ニコンによると、AFエリア全体として「D4S」との比較で130%以上の広い範囲をカバーしているそうです。

ポイントの配置を比較してみると、とくに左右に広がったように見えます。

広範囲という以上に、“高密度”になった印象。

 

また「D5 」の場合、99点がクロスセンサー(赤い四角形と点)。クロスセンサーは正確なので、中央から離れた部分でピントを合わせたい構図でも、“ガチピン”が期待できそう。

また、小さな被写体や、全体にコントラストが低い被写体でも高いAF検出力を発揮するとしています。

 

暗い場所に強くなったのも大きいです。

中央のフォーカスポイントでは、-4EVというほとんど真っ暗な環境でも対応。その他のフォーカスポイントすべてが-3EVに対応しているとのこと。

 

こうした性能を達成するために、ニコンは演算速度の高いAF専用のエンジンを搭載したそうです。並々ならぬ意気込みが伝わってきます。

 

残念ながら、ニコンプラザ大阪では、速く動く被写体もなく、また撮影データの持ち帰りができない状態だったので、ピントの食い付き方などは確認できませんでした。

CP+ 2016」(2/25~2/28)で、動きものを撮れる体験コーナーが用意されればうれしいですが… (でも発売前なので、データ持ち帰りはムリかも…)

 

高感度性能

画素数アップにもかかわらず、高感度性能が上がったそうです。ニコン史上最高という常用感度ISO 102,400 に設定してみました。

 

「D5 」ではISOボタンがシャッター周りに移動。このISOボタンを押しながら背面のコマンドダイヤルですぐISO感度を変更できます。

スポーツの撮影など、「1/2000秒のシャッター速度は死守。レンズはF4止まり。あとはISO感度の操作だけで“勝負”」という状況で、すばやくISO 感度を変えるのに便利かも(プロの仕事を想像してみただけですが…)。

 

ISO 102,400 に設定、ライブビューで撮影(絞りF5、1/8000秒)。

 

再生画像。中央付近をクローズアップ(ピントは合ってないかもしれないので度外視を)。

 

(液晶画面で判断する限り)ウ~ン、ザラツキがあって、画質にこだわる場合は厳しそう。しかし、ISO 102,400で一応 “撮れる” というのは驚異です。

その上、ISO 3,280,000相当(!)までの増感もできるという話。ぶったまげますね。

『これまで撮れなかった暗闇の被写体もカラーで撮影できます。』とニコン。夜に活動するアナグマとかの野生動物を想定しているのでしょうか。

野生動物専門のカメラマンのみなさん、そろってニコン「D5」に乗り換え!? (冗談)

 

タッパネル

こうしたプロ用機で背面液晶にタッチパネルを採用したのは、ちょっとした驚き(ニコンのページ参照)。

 

しかし、試そうとしてもできないので戸惑ってしまいました…

係の人に聞いて分かったのは、タッチパネル機能は限定的だということ。

オリンパス、パナソニックなどミラーレスのカメラが備えている、多彩なタッチパネル機能はありません。

対応しているのは、再生画像切り替え、再生画像クローズアップ、ライブビュー時のAFポイント移動、著作権情報やコメント入力など。

 

ライブビューモードでは、タッチでAFポイントが変えられます。2本の指でスマホのように再生画像を拡大するのもOK。

ただ、メニューの色々な設定を、タッチだけで変えられるようにはなっていません。

 

著作権情報の入力画面。タイプするようにタッチ操作で入力できます。

アマチュアの人はあまり使わない機能でしょうけど、プロには大事。「オレが撮った写真だよ!」と主張するために…

 

タッチ機能はハードではなくソフトの問題だと思うので、今後ファームウェアのバージョンアップで使える機能が拡大するかもしれません。もちろん、そうならないかも。ニコンさんの気持ち次第。

 

ここで、「D4s」から「D5」への主な変更点をまとめてみると以下のようになります。

           D4s                     D5

有効画素数  1623万画素  →  2082万画素
ISO 感度    100~25600    →  100~102,400
          (D4sはISO 409,600まで、D5はISO 3,280,000相当まで増感可能)
高速連写    約11コマ/秒  →  約12コマ/秒(AF・AE追従)
AFポイント   51点(クロス15点)  →  153点(クロス99点) 
AF検出範囲  -2~+19EV  →  -4~+20EV
液晶モニタ            →  タッチパネル採用
動画       フルHD    →   フルHD・4K UHD
重量       約1350g   →  約1405g(XQDタイプ)・1415g(CFタイプ)

「D5」のスペックは、連写コマ数こそ現行のキヤノン「EOS-1D X」と並びますが、多くの点でキヤノンを上回っています。

さて、キヤノンはどう出るでしょうか。

 

ニコンプラザ大阪に展示されていた「D5」のサンプル画像。

体操競技の、一瞬をとらえているのに、ものすごくシャープ。どうやったらこんな写真がとれるんだろう…

 

野生動物とスポーツの写真が多かったです。

 

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撮影カメラ    ソニーRX100(動画も)

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 ・ニコンのニュースリリース

 ・『ニコン、フラッグシップ一眼レフ「D5」正式発表 』(デジカメWach)

 ・『ニコン「D5」を正式発表 3月に発売』(ITmedia デジカメプラス)



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