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キヤノン「DPP4.0」を使ってみた

2014年06月27日 | カメラ

キヤノンが6月26日から、バージョンアップされたRAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4.0」(以下DPP 4.0)、とリモート撮影ソフト「EOS Utility 3.0」(以下EU 3.0)の無償公開を開始しました。 (キヤノンのニュースリリース

対応機種は「EOS-1D X」、「EOS-1D C」、「EOS 5D Mark III」、「EOS 6D」。OSは、Windows 7/8/8.1、Mac OS 10.8/10.9。64bitのみ対応。 (「ITmedia デジカメプラス」によると、今後、対応機種は追加の予定)

「DPP 4.0」「EU 3.0」とも従来のバージョン(DPP 3.xx 、EU 2.xx)とは別個にインストールできます。

以下はダウンロードのページ。

Digital Photo Professional 4.0.0 for Windows
Digital Photo Professional 4.0.0 for Mac OS X
EOS Utility 3.0.0 for Windows
EOS Utility 3.0.0 for Mac OS X

 

さっそく「DPP 4.0」(Windows版)をダウンロードして使ってみました。

ダウンロードにはシリアル番号が必要。EOS 6D 購入時に付いていた保証書のシリアル番号を打ち込むと、すぐにダウンロードできました。

 

「DPP 4.0」のメイン画面。

 

インターフェースがすっかり変わりましたね。よりプロ風になり、表示項目が多く、画面解像度を上げるか、大画面モニターでないと収まりにくい印象です。

写真は、先日のヨドバシカメラ撮影会の画像をサムネイル表示したところ(これだけ小さい写真なら肖像権もクリアかと…)。

従来のバージョンではサムネイルが大、中、小の3種類。それと「情報付きサムネイル」しか選べませんでしたが、「DPP 4.0」ではサムネイルのサイズが6種類に増え、それぞれの大きさについて「情報付き」も選べます。表示の自由度が増しました。

 

画像を編集するには、サムネイル画像を選択して「セレクト編集」ボタンを押すか、サムネイル画像をダブルクリック。

画面の表示はスムーズで、心なしか画質も滑らかで美しくなったように思います。キヤノンによると、「64bitネイティブ環境に対応し、高速化&高画質化」したとのこと。

 

うれしかったのは、画像のワンクリックだけでクリックした部分の等倍画像が見られること。ポートレートの瞳部分をクリックして等倍でピントを確認、またワンクリックでもとの表示に戻す… この操作がとてもスムーズ。

セレクト編集画面の下部。

等倍のほかに12.5%~400%まで6種類の拡大倍率を設定できます。6種類のうちから拡大倍率をあらかじめ選んでおけばワンクリックでその倍率になります。

ほかに、複数画像の比較、グリッド、AFフレームの表示、画像情報をオーバーラップして表示、などのボタンが集中。

 

セレクト編集画面右側のツールパレット周辺。

(「ヒストグラム」と「ナビゲーター」は自由に配置できるので、ここでは画像の下の方に置いています。このあたり、広さに余裕のある大画面モニターがほしい…)

ツールパレットは、明るさ調整、ホワイトバランスなど従来からある機能を踏襲、まとめて配置され、使いやすくなりました。

 

機能強化としては、キヤノンによると『高輝度側の階調を拡大するための「ハイライト」「シャドウ」スライダー機能の画像調整領域拡大』がなされているとのこと。

たとえば白飛びを抑えるために「ハイライト」を下げる、その幅を大きくできるようになったと解釈していますが、この恩恵は、まだ体感できていません。

(ただ、高輝度側に画像としての情報がないと、無理に諧調を出そうとしても、グレーっぽくなるだけ。基本的には元の画像のダイナミックレンジが充分に広く、高輝度側が適正露出でないと効果が出ないのでは、と思います。)

 

と、ここまでは地味なバージョンアップのようですが、特筆すべきは新機能の「特定色域の調整機能(8軸色調整)」。

ツールパレットの上の「色の3原色」風に円が重なったマークをクリックすると、「レッド」「オレンジ」「イエロー」「グリーン」「アクア」「ブルー」「パープル」「マゼンタ」の8色域をスライダーで調整する色調整パレット(下の写真)が出てきます。

とても便利な新機能です。

たとえば、人物の色調はそのままに、背景の樹木の緑を強調するには、グリーンの色域の「S」「L」スライダーを右に動かすだけ。

これだけで見栄えのする写真になります。

また、赤紫系の服を着ている人物なら、「パープル」や「マゼンタ」の色域を調整すれば、顔の色調はそのままに服の色だけ鮮やかにできます。

(「H(色相)」「S(彩度)」「L(輝度)」の表示が、初心者にはやや不親切。「H」は注意が必要で、これを動かすと色自体が変わってしまいます。たとえばブルーがコバルトグリーンや紫に…)

 

もちろん、いずれもPhotoshopなどの画像ソフトで可能なことですが、ずっと簡単。悪くいえばイージー。

 

RAW現像処理は「保存」ボタンをクリックするだけ。

 

よく「写真を撮るのは楽しいが、画像処理で疲れ果ててしまう」という人がいます。しかし「DPP 4.0」を試していると、個人的にはとても楽しい。反応も早く、軽いです。

おそらく、たくさんのフォトグラファーの意見を取り入れたのでしょう、大幅に進化したソフトといえます(潜在的なバグはまだまだあるにしても)。

 

一方、前のバージョンに合った「多重合成機能」「HDR」などは省かれています。この理由はよくわかりませんが、カメラ自体にそうした機能を持った機種が増えてきているためかもしれません。どうしても必要な人は前のバージョンを残して置いた方が良いですね。

 

「EU 3.0」もダウンロードする予定。このソフトは、前のバージョンのときから、写真をパソコンに取り込む以外には使っていないので、「リモート撮影の機能強化」といわれても猫に小判で…

 

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