つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

CP+(シーピープラス)2012 Part3

2012年02月14日 | イベント

エプソンンのブースで、「フレスコジクレー」(Fresco Giclee)というインクジェットペーパーの展示がありました。開発したのはトクヤマという会社。

紙の上に漆喰が塗られていて、印刷すると、自然で深い奥行きのある画像になります。漆喰がゆっくり硬化することによって耐久性が増し、長期保存できるそうです。

あのルネサンス芸術のフレスコ画の再現で、世界初の技術とか。対応しているのはエプソンのインクジェットプリンター。

竹内敏信さんが日本各地の滝を撮影した作品が、このペーパーで印刷、展示されていました。

落ち着いた印象で、作品の中に吸い込まれていきそうな、空気感がありました。

 

こちらは展示ホールの「御苗場」というスペース。若い写真ファンの作品がたくさん展示されていました。

「御苗場」とは"自分の未来に苗を植える場所"という意味。

プロを含めた多くの人に自分の写真を見てもらい、チャンスを得たい、という願いがこもっています。

今回で10回目。これまでの出展者の中には、広告や雑誌の撮影、海外メディアでの紹介、画廊での作品販売などにつながったケースも多いそうです。

みんな上手だし、撮り方や展示の仕方に個性があります。

画像処理をどんな風にしたのかナ…などと考えながら、楽しく見てまわりました。

 

最後に見たのは「よみがえる150年前―幕末・明治のカメラと日本の風景」という日本カメラ博物館のブース。

日本最初の写真館は、約150年前、横浜では下岡蓮杖、長崎では上野彦馬という人が開業したとされています。

当時のカメラや写真が並んでいました。

慶応元年(1865)ごろのイギリス製「ミーガー湿板カメラ」。

NHK大河ドラマ「篤姫」の写真撮影シーンで実際に使われたそうです。

湿板(しっぱん)写真というのは、ガラス板に「コロジオン」という感光材料を塗り、乾かないうちに撮影・現像する技法。

レンズキャップや遮光板を開け閉めするのがシャッターのかわりになります。

露光には数秒から数十秒かかったので、その間、写される人は辛抱強く、じっと固まっていた訳です。

 
これは万延元年(1860)ごろの「デュブロニ」というフランス製の小型湿板カメラ。


5センチ角の、当時のかわいいコンパクトカメラ。野外に持って行って撮影を楽しんだのでしょうか。


説明によると、カメラの中で現像処理をしたそうです。

『カメラ内にガラス板をセットし、カメラ上部の漏斗からコロジオン液を入れ、次に硝酸銀液を入れて感光膜を作る。ここで撮影し、現像液を注入して現像し、次に定着液を入れると湿板写真のネガが出来上がる』

めんどくさ~。

化学実験みたいですね。

150年後、デジタルカメラで気軽にカラー写真が撮れるようになるとは、だれも想像しなかったでしょう。

あらためて、現在のデジタルカメラの性能の高さを実感。

わずか150年でここまで…凄すぎます。

 

CP+、華やかで、話題性もあり、奥深くもありで、楽しかったですね。気がつくと4時間もたっていました。

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撮影カメラ

 Canon  EOS KissX4   EF-S 17-85mm  4.5-5.6  IS UTM

 RICOH  CX1

 



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