楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

単位不足で卒業できない!

2007-02-06 01:09:38 | 教育
いつもこの季節になると、卒業前のドタバタがはじまる。
『単位が足りなくて卒業できない!』
慌てる人が4種類に分けられる。

心配性の指導教員。
親。
本人。
そして、教務に責任を持つ先生。

さて単位を出す方として、成績を出すことの出来る根拠は1つ。
講義内容をどれほど理解したか、だけである。
それを計る物差しは

1。出席はしていたか?
2。レポートは出していたか?
3。試験の成績は?

私はこの3つは数値データであり重要な判断材料であるが、本質は講義内容をどれほど理解したかであると思っている。
だから無理に出席などとるのは面倒くさい。取らないと教務がうるさいので仕方なく行っている。

単位が足りなさそうで、本人が必死になる場合は救える余地がある。
その必死な思いで、講義内容を理解しなおせば単位は出せる。最低成績合格可でよいレベルまで本を読んだり、レポートを仕上げれば良い。
しかし、問題は指導教員が出ばったり、果ては親が出ばったりする場合である。本人が顔を出さず、このような者が出て来てお願いされても、私の心は動かない。
『挫折した方が本人のためですよ。見せかけで『順風満帆』であっても人生ろくなことはないですからね』
といって、さらっと断る。
実は私は学部は留年している。現役で大学に入学していた余裕のなさが、この留年のおかげで「余裕」が生まれた。
親には嘆かれ、大変申し訳ないことをしたと、思ったものだが、おかげで十分な時間の中で様々なことを考えることができたし、その小さな『挫折』は私の人生を大変豊かなものにしてくれた、と今では思っている。その私の経験は必ずしも一般化はできないが、1年や2年、長い人生から見れば、どおってことない。急がないと損をするのは公務員を希望するひとくらいである(私の人生での総給料は数百万円は損をしたかな?。でも車2、3台はタバコでもやしているな?酒でもさらに2、3台)
あとは実力の世界。小さな『挫折』などいくらでも取り戻すことができる。
『迷惑をかける親のことはしっかりと考え、堂々と留年しなさい』といいたい。
見てくれだけの『順風満帆』など、人生を豊かにするためには、何の役にも立たない、よね。
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修論最後の盛り上がり

2007-01-26 01:07:55 | 教育
月末が刻一刻と近づいてくる。
全国でどれほどの学生たちが寝ずに最後の山場を迎えているのだろうか?
もう随分長い間、このことを繰り返しているが、この時が最も前へすすむときである。
当事者にとっては人生の中でも数少ない充実しているはずの時。
私のところにも一人いる。
文章を見ながら、この意味は?これは?この主語は、なぜここはthe?などと問答を繰り返す。
ここはこうしたら、ああしたら。お!すばらしい!
でもそのための時間は少ない。凝りすぎるとなかなか前へ進まない。
deadlineが迫ってくる。師も弟子も寝られない。
でも、この場面も人生の一期一会だと思って我慢してくれ。
きっといい?思い出となると期待して。
全ての支えは、学生のやる気。
ついていけない!忙しく他のことをかたずけているうちに前へ進んでいる!
うれしい悲鳴である。
さ!ねてまた朝起きてやるか!
明日は羽田から雪国だ。
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教科書

2007-01-18 23:39:29 | 教育
いま教育が問われている。ちょっとした興味で大昔読んだトーマスクーン「科学の革命」の黄ばんだ本を読み直しているがその中に、面白い記述がある。

19世紀初頭に、今流の教科書ができたという。すなわち法則などというものがどのようなものであり、それはどのようなことから分かるか、そしてそれがどのように応用できるかを簡単に書いてあるもの、である。しかしそれ以前は、科学を志すものの教科書は、たとえばニュートンの「プリンキピア」や「光学」、古典ではアリストテレスの著作などそのものを直接学んだという。それは2つの点で大きく人を引きつけた。1つは熱狂的に新しい体系を示していること、そしてもう一つはその体系の中で解決すべきテーマが示してあること、である。この2つがパラダイムの主軸を形成していたのである、とうのがクーンの重要な指摘である。

振り返って今の教科書はどうか、これまでの科学で分かったことが羅列してあり、解かれるべきテーマが記されていない。
これでは覚えることと、それをちょっと応用することだけに汲々として、その後先にある創造的な科学など生まれようがないですね。だから速攻で答えられるかどうかのみの受験にいそしみ、自分の頭で創造的な研究をすすめる人種が育たないですね。

高校の教科書にも、今の科学で解かれていない問題、わくわくするようなテーマを大規模に示してはどうか?
ただし、そのための基本的ツールとして科学の方法(パラダイム)は示さなければならない。
10代~20代初頭の天才的人間は軽々とその未知の世界へ入っていくであろう。
「新しい教科書を作る会」的な理系版としてブルーバックッスの理科教科書シリーズなどが出たが、それらを見ても残念ながらそうなっていないね。官製ではない教科書が出ることはいいことなのだがね。パターンが知識の切り売りになっていないかね。

私も未知のテーマの散りばめられた教科書を書いてみたい、と思う。
少しづつ原稿をためてはいるんだがね。なにしろ興味が多岐にわたり過ぎ、おまけに整理能力がなく、遅々としてすすまないのだが。
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授業「「藤原紀香の結婚と阪神大震災」をネタに

2007-01-16 12:59:14 | 教育
本日午前は90分の講義。
寒い朝、ぽかぽか教室が暖かくなると学生が居眠り始める。
そこで、
「ちょっと靴を脱いで、貸して」。
ーーー。
次の人のところへいって
「ちょっと、ハンカチかして」
手品のように折り畳む。
ーーー。
次の人のところへいって
「ちょっと消しゴムかして」
ーーー。
押したり引いたり。
「シャーペンの芯をこすってみて」

もう学生は寝ている暇なし。

今日の話題は「藤原紀香の結婚と阪神大震災」
朝日新聞の人コラム借用です。
でも結婚か、残念。

これら全てをどうつなぐか?
朝の出勤時に考えるのです。いつも。
講義は一期一会。二度と同じ話はしないようにするのも大変です。
でも、そうすると自分でも新鮮で後半は自分で盛り上がります。
さてなんの授業かな??
「まじめな?地球科学最先端」の専門授業です。

ふー、でも90分踊り続けて疲れました。





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うまいワイン

2006-12-01 17:14:11 | 教育
 昨日、最近学位を取った学生のポスドクとしてのドイツでのとりあえずの居所が決まった。それをネタに部屋にあったワインで乾杯!うまい!いまポスドクで私のところにいるフランス人が買って来たもの。まろやかな赤!
 2晩大学へ泊まった後の疲れもあってか、一気に酔いが回る。でも、学生の行き先が決まるって本当にうれしいね。これで一人前として巣立っていけると。これって子供が希望していた就職先へ決まる時の安堵感と同じだと、気がついた。少々寂しくはなるが、それよりも喜びの方が大きい。これってきっと生命の本能だね。かわいい子には旅をさせろ。生き抜く強い子を育てるためには、谷底に子を落とすライオンなんてのもあったな。

ん!?そうか、学生諸君!
愛をもって谷底へ落とすぞ!?アメリカでの学会発表を成功させるために。
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