現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

禅と念仏

2008-09-26 22:37:58 | 虚無僧日記
『禅と念仏』の鈴木氏から、先日ゲラが届いていた。

私にとっては、もうどうでもいい過去の話ばかりだ。
過去を捨ててこその虚無僧である。虚無僧として今を
どう生きるかを書いて欲しいと注文したのだが、全く
無視された。

それでも100歩譲って、事実と相違する点のみ訂正を
要求したが、「もう直せない」という。
今時、ケータイもパソコンも持たずに出版業というのも
おかしい。パソコンでの編集なら、訂正は簡単に出来る
はずだ。旧態依然の活版印刷なんだろうか。取材から
出版まで半年を要している。

出版ルートに乗らない本だから、書店では売っていない。
あちこちの寺を取材して、載せた見返りに、100冊とか
まとめて買ってもらう商売なのだ。1,000冊(84万円)買って
くれた寺もあるとか。虚無僧は、寺も持たず、檀家も無し。
期待されても そんな金はない。

だが、断れない性格の私である。内容次第では10冊くらい
買ってあげてもいいかなと思ったが、マネージャーが「要りません」
のひとこと。

そもそも、彼女のことを「中年女性が家に来て、食事を作ったり、
掃除をしてくれる」と書かれたものだから、彼女がへそを曲げた
のだ。マネージヤーの彼女が料理を作ったり、部屋の掃除をするような
こことはない。家で料理はしない。掃除も全部自分でやっている。
鈴木氏は、誰が金を出すのかを まず弁え、彼女に“よいしょ”
するべきだった。

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観客動員

2008-09-26 10:18:41 | 虚無僧日記
邦楽の舞台はいつも閑古鳥。それではいかにも空しい。
コンサートをやるからには、多くの人の拍手と感動を
浴びたい。いつもそういう気持で私はやってきた。
毎回、予定していた数は きっちり入る。

前回(H18)の能楽堂での市民芸術祭参加公演は、定員660の
ところ630入って満席となった。能舞台の正面は200席余、
あとは横から後ろから見るようになる。柱が邪魔して見え
なかったという苦情もあった。今回は、ゆったりと好きな
ところで見てもらうためにも、半分入いればいいと思った
から、300前後で丁度良かった。

能楽堂の威力はすごい。一路会の参加会員はわずか10名だが、
「能楽堂の舞台に立てるのなら」と、笛、琴、三絃、詩吟、
居合の仲間も参加してくれ、30人になった。各人に2,000円の
チケットを1,000円で売る。「能楽堂なら見に行きたい」と
いう親戚、知友人に平均10枚は配ってくれた。一人で60枚
配った人もいる。これで300枚のチケットが売れたことになる。

チラシを1万枚撒いたり、新聞に広告掲載しても、それを見て、
見ず知らずの人が来ることは ほとんどない。今回は『邦楽
ジャーナル』への広告掲載もやめた。これを見て来る人は皆無。

さて今後、努力せずとも人が集まるようになるには、やはり
人気タレントのように知名度だ。観客動員で四苦八苦するより、
まず自分を売り込んで、知友人の輪を広げる努力の方が先。
人縁を広げる営業努力しかない。

タレント性、話題性を常に、鳥の目で探し求めている。

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カラス鳩

2008-09-26 09:44:56 | 社会問題
鳩は平和のシンボルだった。仲間同士で決して争わない。

以前テレビで「“鳩に豆鉄砲”をくらわせたら、どうなるか」
というクイズ番組があって、実験結果を見た。鳩に豆鉄砲を
撃っても逃げないのである。キョトンとした目をしてじっと
している。「何があったの??」と、まさに「豆鉄砲をくらった顔」
である。こんなことを昔の人はよく観察していて、こんな譬えが
出来たのかと関心しきり。

そこで、私も一度、餌で室内までおびき寄せて、捕まえてみた
ことがある。さぞかし暴れ抵抗するかと思ったら、意外に
おとなしくしている。段ボール箱に入れて蓋をしたら、じっと
して動かない。心配になって蓋を開けると「なに?」とキョトン
とした目で上を見上げる。

だから、手品師が箱や上着のポケットに隠していられるのだ。

ところで、手品で使うような真っ白い鳩は、自然界では見られ
なくなった。というより、グレーに紺の線が入った二引両も
激減である。全身黒い、カラスのような鳩ばかりだ。わが家の
ベランダで生まれた雛も、片親は二引両だったのに、全身黒
だった。優勢、劣勢遺伝で、将来、鳩はカラスと見分けが
つかなくなるのかも。

人間界もそうなるのか。

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鳩の通信手段

2008-09-26 09:17:58 | 社会問題
「赤旗」日曜版に連載されていた『くじら組』は、幕末の
土佐藩の内情が微に入り細にいり 事細かく書かれていて、
興味深く読んだ。

黒船が土佐沖を通過し、それを目撃した鯨漁の物見たちが、
船の形を正確に図面にして、土佐藩庁に届ける。そして
土佐藩は、その絵図を、伝書鳩に託して江戸の土佐藩邸に
届ける。黒船の通過から3日も経たずに、情報は江戸幕府に
届けられたのだ。
そのような事実があったのかは知らないが、土佐藩では、
江戸との通信に、強く大きくたくましい伝書鳩を、何年にも
わたって改良し、飼育していたという。

最近では、さっぱり目にしなくなった伝書鳩だが、鳩の類稀
なる能力に、私は関心がある。
ベランダに、パンくずを置いておくと、どうやって見つけるのか、
一羽の鳩がやってきた。その鳩はまたどうやって相方に知ら
せるのかもう一羽飛んでくる。そこへ他のカップルもやって来ると、
「ここは私が見つけたの、あっちへ行って」という仕草をして
追い払う。決して、くちばしでつついたりの暴力はふるわない。

そうしたコミュニケーションの伝達に、私は関心を持って観察
している。(おかげで ご近所からは 嫌われ者になってしまった)

また、卵から孵ってまだ1週間、まだ目も開いていないのに、
私が近づくと、危険を察知して、ピーピー啼く。果敢にも嘴で
防戦しようとする。私が危害を加えたことはないから、体験
学習ではなく、本能的に危険を察知するのだ。

こうした能力は、持って生まれたDNAなのだろうか。人間も
体験学習したことでなくても、行動したり、善悪の判断を下せる
能力が、先祖代々血の中に伝わってきているという。

昨日、佐渡で人口飼育されていたトキが、自然界に放鳥された。
トキは個体数が激減していて、何代にも渡って培われたさまざまな
能力の因子が少ないので、自然界に適用できるかどうかが心配だと
いう。

今人間も、人間同士だけでなく、自然界とコミュニケーション
する能力も失いつつあるのではないだろうか。

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鳩の死

2008-09-26 07:41:46 | 社会問題
カラスや鳩が、どれだけたくさん飛んでいても、
「その死骸は見たことがない」という人が多い
のでは?。まったく不思議な現象なのだ。

私の部屋のベランダに毎朝、鳩が飛んできて、
そのうち彼女?も連れてきて、巣作りをして、
卵を産み、五回目かにようやく雛が孵り、
巣立っていった。その一連を観察していた。

その鳩が、ある日、カラスにやられたか、羽と
背中を痛めて、瀕死の姿でベランダにいた。
私が近づくと、ベランダから飛び降りた。
飛べないから落下したはずである。あわてて
下を見たが死骸が無いのである。飛んで行った
形跡もない。

鳩やカラスは死ねば、一瞬にして消えるのか?
まさかであるが、全く不思議な現象だった。

虚無僧が始祖と仰ぐ普化も、「自ら棺桶に入って
自死したというので、人々が蓋を開けてみると
からっぽ。一条の煙が立ち上り、妙なる鈴の音が
響き渡った」という。
『臨済録』の中に記された普化禅師の表記だ。
その意味するところを、私は、鳩の死に重ねて
模索している。

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