現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

ボランティアは美徳?

2017-04-27 08:52:54 | 虚無僧日記

東北大震災以降、各種の音楽家が現地慰問して無料コンサートを

することが流行った。ボランティアが美徳とされ、二流三流の

音楽家は食べていけなくなった。私もその一人。このところ、

ボランティア演奏ばかり。昨年は57回が無料報酬だった。

「タダで演奏してくれて当然」という顔をされる。「すばらしい、

こんな尺八聞いたことない」と評価はしてくれるが、その評価が

お金には換算してもらえない。

そして「私は一路さんにタダで来てもらった」と自慢顔に吹聴

される。「私が口をきいてあげれば、タダで来てくれるから」とまで。

ますます、お金がいただけない。

30年前、一舞台10万円いただいていたのが、今では平均 1,000円。

百分の一。3,000円もいただると「ありがたい」と、有り難さを

感じるようになった。

先日も「一路先生以外に(名古屋では)吹ける人はいませんから」と、

お世辞を並べられて、それでも一万円。プロとして認められない

ことに愕然となる。

それもあって、今後の演奏はすべて断りたい。せめて3万円 以上

出していただけるなら 引き受けてもよいかと。

 


「終活」スタート !

2017-04-25 10:13:13 | 虚無僧日記

神社の立て看板に「昭和23年生まれは古希(70歳)」とあった。

まだ満69歳だが、数え歳では70歳になるからだ。それを見て愕然。

子供の頃、尺八吹きといえば、ヨボヨボの爺さんばかりで、

印象が悪かった。60歳になったら尺八はやめようと思って

いた。老醜をさらすのはみっともないからだ。

それが今 69歳。「老練の極み」「熟成された芸」と言って

くださる方もいるが、ホンモノを理解してくださる方は少ない。

そんな思いの中、Youtubeで『砂の器』を観た。加藤剛の

劇場映画版と、中居くんの連続テレビドラマ版。いずれも何度も

見ているが、乞食姿に身をやつして放浪する父子の姿に

人並以上に反応する私。虚無僧で全国放浪して人知れずに

朽ち果てたいという思いはつのる。

過去をすべて消し去ろうとした「和賀英了」こと「本浦秀夫」。

「宿命は変えられる」という言葉に感化されて、私も 過去の

遺物をすべて捨てることに 決心がついた。

過去を捨て去って、それは私の人生の終わりになるのか、

新たなスタートになるのか。神のみぞ知る。

 


ヤフーオークションで琴ゲット

2017-04-15 21:10:45 | 虚無僧日記

来たる4月23日、名古屋能楽堂で「姫ローズ」の公演。

詩吟の伴奏で私が琴を弾くことになったので、急遽

ヤフオクで琴を検索。「雪女」の演目にふさわしい

白い装飾の琴が出品されていたので ウン万円で落札。

はたして使い物になるかしらん。

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m197677542#enlargeimg


オークションに「真山」の尺八

2017-04-13 21:13:36 | 虚無僧日記

人気ナンバー1の「真山」三印 の尺八。

 https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t510963710

5万円で止まっていたが、また厄介な釣り上げ師が イッキに15万

入れてきた。「N*k*e*** / 評価ユーザアイコン:3178」3000件以上も入札

しているのだから、尺八関係者ではないこと歴然。全く困ったもんだ。 

最終 15万円で終了。「N*k*e***」さん尺八買ってどうするだろう。

またいずれオークションに掛けるのか? 


「古鏡」がオークションで 今20万円超に

2017-04-13 19:38:41 | 虚無僧日記

オークションに出されていた「古鏡」の尺八

龍の彫り物と銀の粒でデコレートされていました。

たぶん彫刻は、後に別人によって掘られたものでしょう。

歌口も都山流の形に取り換えられています。それでも

バブルのころは 300万以上もしたでしょうか。

今は15万でも高い。

オークションはどうも値を釣り上げる仲間がいるようで、

買い手がつくとなると、どんどん値を入れてきます。

何千件も落札している連中ですから、尺八が欲しくて

入札しているのではないようです。とうとう20万円以上に

なりました。このままで終われば、結局欲しい人の手には

入らず、必要の無い人が落札者となります。落札しても

実際の取引は行われないのではと思えますがね。

そしたらなんと、最後に業者が1000円上乗せして、

21万円までいったところで、次に入れる人が無く、

締切直前で、出品者により「取り消し」となりました。

つまり仲間内での取引は無しということ。まったく

あきれます。あきれた。あ、切れた!

http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c595185781?notice=obid

 


尺八界は起死回生?

2017-04-13 08:21:33 | 虚無僧日記

「尺八人口激減。高齢化でどんどん会員が減っている」と

フェイスブックで書いたら、「そんなことはない、私のところ

では若い人がたくさんいる」と、Sさんからお叱りをいただいた。

すばらしい!。たしかに、最近、若い尺八家や女性の尺八家が

増えた。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~komuken/04_kensou3.jpg

テレビでも ちょくちょく出演しているそうな。私はテレビを見ない

(持ってない)ので、知らないが、よく 「テレビで、若い尺八家が」

でてましたよ」とか、「女性が吹いてましたよ」という声を聞くように

なった。

「中村仁樹」君がネスカフェのCMに起用されたとか。

その昔、私の琴古流の師「柳井調風」氏が、ネスカフェの「違いのわかる男」で

出てました。 「沢井忠夫」氏も出てました。あれから40年ですね。

再び、尺八ブーム巻き起こるか。いや巻き起こすべし。


昭和39年という年

2017-04-11 09:01:48 | 虚無僧日記

昭和39年(1964)は「東京オリンピック」。そして
「日本音楽集団」が結成され、NHK/FMで「現代の
日本音楽」がスタートした年。わくわくした時代だった。

そしてもうひとつ「尺八三本会」が旗揚げされた年。

横山勝也、山本邦山、青木静夫(鈴慕)の三人がトリオを組んだ。


横山勝也 昭和 9年(1934年)12月2日生- 平成22年4月21日死去。75歳。本名は信也。

山本邦山 昭和12年(1937年)10月6日生 - 平成26年2月10日死去 76歳、本名は泰正

青木鈴慕 昭和10年(1935年)10月4日)生 -              本名は静夫。


ということは、昭和39年に『尺八三本会』を結成した時、
横山勝也氏は30歳で最年長。
青木静夫氏が29歳、
山本邦山氏は 最年少の27歳。

私は16歳で 高校2年。当時、都山流準師範だった「古賀将之」氏
の教室に入門、第一号の弟子だった。


もひとつ、美空ひばりの『柔』で、村岡実が尺八前奏でデビュー。
村岡実は、横山勝也、宮田耕八朗とともに「東京尺八三重奏団」を
結成していたが、演歌の伴奏で忙しくなり、解消された。この年、
村岡実は40歳だった。

こうして第一次尺八ブームが沸き起こった。さて第二次ブームは?



尺八狂言『楽阿弥』考 つづき

2017-04-11 08:55:07 | 虚無僧って?

狂言『楽阿弥』には「大尺八、小尺八、四笛、半笛」が
登場する。


旅の僧が吹く尺八を、「僧正」に引っ掛けて「双調切り」。
「双調」は音程の和名でG(ソ)を基音とする尺八で
その長さは1尺3寸前後。(管の太さでずれる)。

楽阿弥は「われが吹くとかしましい(うるさい)ので」と、
「大尺八」を取り出して吹くという内容になっている。

幕末の1820年に出された『狂言不審紙』という解説本には
「大尺八は2尺5寸、小尺八1尺2寸、これ半笛。
半笛は1尺8寸の竹に8,9寸にて用いる」とある。

長さが半分になれば1オクターブ高くなることが理解されて
いたのだ。

旅の僧が吹く尺八を「双調=G(ソ)管=1尺3寸」とすると、
その1オクターブ下のG管は「2尺6寸」となる。

室町時代の尺八は1尺1寸ほどの「一節切り(ひとよぎり」
だったから、その1オクターブ下なら「2尺2寸」。
これならまだ、可能性はある。

江戸時代になって1尺8寸が標準となり、一節切りを「小尺八」、
1尺8寸を「大尺八」と区別したのではないかと思うのだが、
幕末の『狂言不審紙』は 何を元に「大尺八を2尺5寸」と
したのだろうか。全く謎である。

そのようなものが江戸時代にあったとは思えない。
江戸時代のものと明らかな「2尺5寸管」や「9寸管」の
尺八が現存していないのである。今後、ネットで出てこないか
注目しているところである。



4/2 名古屋城で虚無僧

2017-04-04 21:36:10 | 虚無僧日記

春は名のみの春なれや 今年は4月になっても肌寒い。

桜の開花も例年より一週間ほど遅れ、ようやくチラホラ。

名古屋城に虚無僧のおでまし。「名古屋おもてなし隊」じゃ。

「おもてなし(表無し)」で 裏口からフリーパスで入れる。

久しぶりにカメラの放列を浴びる。といっても写してくれるのは

外国人観光客ばかり。日本人の多くは 虚無僧なんか無視。

それでも三組の若いカップルが布施してくださった。

そこへ、ステキな若い女性が近づいてきて「先生!」と。

はてドギマギドギマギ。今日名古屋城に出ていると聞いて

わざわざ訪ねてきてくれたとのこと。握手を求められて

しっかり握って差し上げる。実は私、気功ができる。

手をかざすと、ファーと熱くなり、またビリビリ感じる。

心地よく、いろいろ躰の痛みや、心の病が解消するようだ。

以前にもしてさしあげた方。「今日は特に感じる」とのこと。

衆目の前で、若い女性の手を握って 私も幸せな気分に。

続いて、着物姿の女性三人が、こちらをじっと見ている。

なんと一人の女性は尺八を胸に抱いている。びっくり。

手招きして、いろいろ聞いてみると、尺八を習っている

とのこと。着物を着て、尺八を手に写真を撮りにきた由。

今はホントに女性の時代となった。

こんな出会いがあるから 毎日が楽しい。