「この本いいよ。」と義姉に言われ読みました。
その中に「運転免許証は返納してはいけない。」の項があり今までのお客様に申し上げた事が理論的に正しいと思い掲載しました。
実は友人のお父様で89歳になられた時、家族の反対もあり「免許更新を返納」されたそうです。 本人はまだ車を運転したかったそうです。
車で菜園に行き野菜を作くる事が生きがいだったそうで友人より重たい物も平気で持ち上げていたそうです。
ところが車の運転をやめて家に引きこもるようになると急速に弱ってきて92歳で老衰でお亡くなりになられたそうです。
この本の「運転免許証は返納してはいけない。」の項では高齢者にとっては、生活環境がガラッと変えわると大きなリスクになります。
筑波大学の研究では運転免許を返納し家にこもると運動機能も脳機能も簡単に衰えてしまうそうです。
この研究は運転をされている愛知県の65歳以上の男女2800名を追跡調査結果で要介護認定を受けていない人に運転継続と要介護認定との関係を分析した結果です。 調査開始から3年後に「運転をやめた方」と「運転を継続している方」に別けその7年後には「運転されている方」にくらべ「運転をやめた方」の要介護リスクが2,09倍になったそうです。 さらに「運転をやめて移動に電車、バス、自転車を利用していた人」の要介護リスクも「運転を続けた人」の要介護リスクも運転を続けた人の1.69倍の要介護リスクとなっています。 他の移動手段の人でさえ運転をやめたことの生活ダメージが大きく要介護リスクが2倍になるくらいですので70歳すぎではその傾向はさらに強くなります。
「実は高齢ドライバーは危なくない」
認知機能の落ちている高齢者が重大事故を多発していると思われますがこれはメディアが取り上げた誤解です。
そもそも高齢者が事故を起こす確率は高くありません。
警察庁交通局がは発表した「平成30年の交通事故状況」によると事故のもっとも事故を起こしている年齢は16~19歳ついで20~24歳です。 一方高齢者は70歳代では16~19歳の3分の1。 85歳以上で20~24歳と同数です。 特別事故率が高いとはいいきれません。
「ブレーキとアクセルを踏み間違えるのは運転者が高齢者でボケているからだろう。」これも誤解です。 高齢者専門の精神科医(筆者)の立場からすると認知症が原因で間違えるのはほぼありません。 数分後の事は忘れてもスプーンと箸の区別がつかない人はありません。 その区別がつかない人は運転そのものができません。 間違えたのはうっかり慌てたからで高齢者だけでなく若い人も起こすミスです。
動体視力や反射神経の一瞬の遅れはすべての年代層にも起こっていて全事故の1%ほどです。 高齢者が事故を起こす割合はけっして高くありません。
「欧米では高齢者に対する規制は人権問題」でけっしてありません。
「運転免許は決して返納してはいけません。 運転からの引退は老化を加速させる結果をもたらしてしまうからです。」
「70歳が老化の分かれ道」和田秀樹:著より