『生活の党と山本太郎となかまたち』PR
《3月3日(火)小沢一郎代表記者会見要旨党HP掲載ご案内》
「政権交代がなければ、それはもう民主主義ではない」小沢一郎代表
【質疑要旨】
・衆議院選挙制度改革について
・中選挙区制度復活について
・企業団体献金について
・政治とカネの問題について
・辺野古での抗議者の逮捕事件について
・動物の殺処分について
東日本大震災発生から4年目の2015年3月11日が近づいたせいか、震災に関わる報道がここに来て増え始めたような気がする。
皮肉な言い方になるが、東電が2月22日午前、敷地内の排水路の放射性物質濃度が上昇、漏れ出した汚染水が原発の港湾内に流出した可能性があり、原因調査していると公表したことと、翌々日の2月24日、福島第1原発2号機原子炉建屋屋上に溜まっていた高濃度の汚染水の一部が雨樋等を伝わって排水路から外洋に流出したと公表したことが情報量増加に花を添えたようだ。
東電は昨年4月から今年2月中旬にかけてこの排水路の排水口で降雨が多いときに放射性物質の濃度が上がるのを確認していたが、データを公表せず、外洋流出の疑いが出て初めて公表したということだ。
外洋流出となると、最も影響を受ける漁業関係者が東電に対してデータを公表してこなかったことと外洋流出の不手際に対して信頼関係が崩れたと抗議した。
2月25日官房長官記者会見。
菅義偉「第1原発の港湾外の海水の(放射性物質の)濃度は、法令で定めた濃度に比べて十分に低い数字だ。港湾外への汚染水の影響は完全にブロックされており、状況はコントロールされている」(毎日jp)
安倍晋三が日本を訪れていたイギリスのウィリアム王子と共に2月28日、福島を訪問。安倍晋三の被災地視察はこれで22回目そうだ。常々口にしている「被災地の心に寄り添う」のスローガンを地で行く22回までの1回1回の積み重ねであったはずだ。
安倍晋三とウイリアム王子は宿泊先の温泉旅館で浴衣姿で寛ぎ、福島県産食材の和食に舌鼓を打ったという。原発事故風評被害の解消アピールの狙いもあったはずだ。
3月3日の衆院予算委員会。
安倍晋三「(第1原発2号機原子炉建屋屋上から流出した)港湾外の放射性物質濃度は、法令で定める限度に比べて十分低いままだ。汚染水の影響は、第1原発の港湾内にブロックされている」(岩手日報)
こうも流出の不手際が度重なると、法令限度内だと言われても素直に信じることはできないが、事実だと認めるとしても、もう一つの事実、確実に水産物に対する風評被害解消の阻害要因になるだろうという事実である。
素直に信じることができない分、口にして大丈夫だろうかという疑いを招いて、それが風評被害へと形を変えていく。安倍晋三が被災地を訪れるたびに被災地の食材を試食して風評被害払拭のパフォーマンスに努めたとしても、その努力を削ぐ結果となる。
そのための震災4年目を迎えても収まらない風評被害ということなのだろう。
当然、法令限度内だからと言って済ますことはできない。だが、自身が日本時間2013年9月7日夜、2020年夏季オリンピック開催都市決定が行われるアルゼンチン・ブエノスアイレス開催IIOC総会オリンピック東京招致最終プレゼンテーションで福島原発の放射能汚染水は「アンダー・コントロール(完全にブロックされている)」と保証した手前、そのことの責任を優先させて風評被害についてはどこかに飛んでいってしまったようだ。
3月4日の共同通信アンケートは、東日本大震災被災3県岩手、宮城、福島の介護サービスが必要な「要介護認定」高齢者割合が震災前より増加、全国の伸びを上回る自治体が被災42市町村の8割超に上ると伝えている。
宮城県はプレハブ仮設住宅被災生活者の健康調査を行ったところ、体調不良を訴えた生活者が20%を超え、高齢になる程その割合が高くなっていると1月21日に発表している。
今朝3月6日のNHKの朝のニュースは岩手、宮城、福島被災3県の小中学校500校余りに行ったアンケートで、児童・生徒の心の状態の変化を感じ取っている学校が3割を占めていると伝えていた。
記事にアクセスして調べてみた。
3割の内訳。
「大いに変化が見られる」3%
「どちらかというと変化が見られる」30%
変化の態様(複数回答)。
「気持ちの浮き沈みが激しい」43%
「落ち着きがない」37%
「保健室に来る子どもが増えた」18%
「暴力的な言動が目立つ」16%
考えられる要因。
「親の別居や失業など家庭環境の変化」46%
「長引く仮設住宅での暮らし」38%
「部活動や外遊びが十分にできない」22%、
「将来への不安」18%、
記事は専門的な心のケアを受けている子どもは3県で2500人余りに上ると伝えているが、スクールカウンセラーの派遣と児童・生徒に対する診断が隅々まで追いつかない状況が見えてくる。
昨夜3月5日の7時30分からNHKクローズアップ現代「子どもの心が折れていく ~震災4年 被災地で何が~」 を放送していた。
地震の激しい揺れや、建物の倒壊の凄まじさ、津波の凄さや肉親や近親者の死などから受けた心の衝撃によるのだろう、震災直後は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、頭痛や吐き気、些細なことで怯えるなどの症状を訴える子どもが相次いだが、そうした症状は時間の経過と共に回復に向かったものの、震災4年目に向かって心の異変が生じていると伝えていた。
心の異変による表面的な主な症状は疲れを訴える、不眠、口数が少なくなる、頭痛、体重の急激な増加、鉛筆を噛む癖をやめられず、鉛筆の頭が繊維状にほぐれるまで噛み続ける子など異常な癖の発症等々らしい。
原因は家族構成の減少や親の失業、就職しても低収入による生活困窮からの親自身の日々の生活不安と将来を見通すことのできない恐れが子どもに影響、逆に親を気遣わざるを得ない心理を生じせしめ、自身に強いることになっている様々な心の抑制が表に現れた変化であるらしい。
揺するに伸びのびと生き・呼吸していないし、伸びのびと生き・呼吸することを自分から抑えている。
「迷惑を掛けたくない。(お母さんを)疲れさせたくない」
「もう頭が枯れそう。無理」(鉛筆の頭を噛む子)
復興が進んでいる一方、被災地の底辺に置かれて先行き不透明な状況を強いられ、復興から取り残されている被災者が数多くいる。
こういった状況から否応もなしに見えてくる光景は格差の存在とその拡大、底辺に置かれた被災者に於ける貧困の連鎖と貧困がもたらす心の余裕のなさの親から子への連鎖である。
親から子どもへの心理的な連鎖――心の異変は自殺リスクにも関係していると、「NHK NEWS WEB」2015年3月5日 11時49分)が伝えている。
厚生労働省の研究班で国立成育医療研究センターの児童精神科の医師らのグループによる岩手、宮城、福島3県沿岸部の被災当時3歳から6歳だった子ども161人と保護者に対する3年前からの面接やアンケートによる調査だそうだ。
「自分を傷つける」「自殺について話す」という自殺リスク評価の項目
自分の子どもの行動が「当てはまる」+「やや当てはまる」とした親7.1%(前年比+2.9ポイント)
被災していない地域の同調査は4%程度。
研究所「子どもの年齢が上がると自殺のリスクは一定程度上がるが、被災地の子どもたちは震災のトラウマを抱えた状態が長期化し、さらにリスクを高めている可能性がある」
藤原武男国立成育医療研究センター部長「子どもたちの大変さが蓄積されて、問題行動として出てきている。親のメンタルヘルスの状況が子どもに直接的に影響してくるので、保護者に対しても包括的に支援していくことが必要だ」――
〈新たに症状を訴えた子どもは、親が震災による心的外傷後ストレス障害=PTSDの症状を抱えているケースが多かった〉と記事は付け加えている。
追い詰められているのは子どもたちだけではなく、復興の担い手たる自治体の職員も追い詰められていると、2015年3月4日付の「NHK NEWS WEB」が伝えている。
労働組合が岩手・宮城・福島被災3県の沿岸部等の自治体職員、約1万2,000人を対象の調査結果。
岩手8.4%
宮城11.1%
福島15%
心の病で職場を離れた職員の数は震災直後は250人以上だったが、その後一旦は減少、現在再び増え始めているということだが、その増加は心の異変が生じている子どもの増加と相互対応している。
原因は復興事業などを含めた年間予算が震災前の4倍近くになって業務量が激増、そのため県や国から応援も来ていても人手不足は慢性状態で、連日12時過ぎまでの労働が続いているからだという。
3月2日付の「NHK NEWS WEB」によると、会計検査院は東日本大震災の復興予算のうち、昨年度・平成25年度までの3年間に支出された交付金や基金、合わせて4兆7000億円のうち復興交付金1兆3235億円の約60%が未執行、昨年度までの3年間に宮城、岩手、福島の被災3県に支出された復興交付金1兆3235億円の内、昨年度末までの事業の執行率は38.3%。全体の60%に当たる約8100億円が未執行だと公表。
色々と事情はあっても、どちらの60%にしても、その未執行率の高さは予定し、計画した復興のうち60%の遅れがあるということにほぼ相当するはずだ。
この60%が次々と消化されていく状況になった場合、人手不足に置かれた被災3県の職員のタダでさえ過酷な状態に置かれた労働状況は一体どうなるのだろう。
五十嵐敬喜法政大学名誉教授「被災地では、住民がいつになったら安心して住めるのかといった不安が大きいなか、住宅の確保が遅れていることが問題だが、事業の規模が適正なのかなども含めて検証する必要がある。
被災者にとっては、インフラの整備だけでなく、医療や介護など身近なものに使われる基金については被災地のニーズに合わせたやり方で使う柔軟さも必要だと思う。
震災から4年となり、自治体の事業の総点検が必要だ。必要なものが足りなければ早急に行うべきだし、必要のないものはやめるべき。そういうことをいちばん知っているのは被災者なので、原点に戻って被災者の意見をきちんと聞くべきだ」――
復興がインフラ整備と併せて心身面のケアが的確・効果的に遂行されているかどうかの検証が必要だと言っている。
この発言を裏返すと、的確・効果的に遂行されていないという指摘になる。
2012年12月26日安倍晋三首相就任記者会見。
安倍晋三「日本大震災の被災地は、2度目の寒い冬を迎えています。いまだに32万人の方々が仮設住宅などで避難生活、困難な生活を強いられています。
復興の加速化が何よりも重要であると認識をしています。被災地、とりわけ福島の現場の声に精通をした方に復興大臣になっていただきました。被災地の心に寄り添う現場主義で、復興庁職員の意識改革、復興の加速化に取り組んでいただきます」
震災3年目前日の2013年3月10日の首相官邸記者会見。
安倍晋三「インフラや住宅の復興が幾ら進んでも、被災者が心に受けた傷が癒されるわけではありません。震災から3年、長期にわたる避難生活が大きな精神的な負担ともなっています。人と人のつながりを守り、被災者が孤立することのないよう、地域の見守り体制をつくります。仮設住宅への保健師などの定期巡回を進め、被災者の心に寄り添った支援に重点を置 いてまいります。
特に子供たちへのケアは欠かせません。従来から、カウンセラーの学校への派遣を行ってきましたが、仮設住宅への巡回訪問も実施すること とし、子育て世帯も含めてバックアップしてまいります。さらに仮設住宅の空き部屋を遊び場や、学習スペースとすることで、子供たちが安心して過ごせる場所をつくってまいります。これからは、ハード面の復興のみならず、心の復興に一層力を入れていきます」――
《安倍晋三の2月14日の岩手県・宮城県視察は陽の当たる場所へのピクニックさながらに訪問先を選んだ - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》という記事を書いたことがある。