安倍晋三の「美しい」言行不一致

2007-03-19 07:57:29 | Weblog

 『足して2で割る結論ダメ』

 今朝の朝日朝刊(07.3.19)の見出し。副題は「防大卒業式 首相場訓示」

 「諸君が将来直面するだろう危機に臨んでは、右と左とを足して2で割る結論が、真に適合したものとはならない」と「18日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式でこう訓示した」ということである。自分で直接指揮して、北朝鮮に攻め入りたいと思っていたかもしれない。

 日本の世界に誇る多額の防衛費をかけた自衛隊、その将来を担う人材育成の防衛大学卒業式でも、平然と単細胞を曝して自らを疑うことを知らない「美しい」資質の持ち主であることの証明を果たしたというわけである。

「右と左とを足して2で割る結論が、真に適合したものと」なる場合もあるだろう。絶対「ならない」は言い切れない。人間の考えることに絶対は存在しないのだから。絶対と思えたことが、ちょっとした状況の変化で絶対からたちまち不確実へ転落することもあり得る。戦前の頭から信じ込んだ神国日本の絶対性が如何に当てにならなかったか、頭から信じることの恐さ、疑うことの大切さを記憶し続けておくべきである。

 こう言うべきではなかったか。「導き出した結論が、常に適合したものとなるとは限らない。結論まで順を追って可能な限り考えられるありとあらゆる場面を想定し、その中から最善と信じた対策を講じる。疑うことと信じることがこのようなプロセスを可能とする要素となる」と。

 安倍晋三の多々ある欠点のうち最大の「美しくない」欠点は疑うことを知らないことだろう。疑うことによって、人間は考える。疑うことを知らず、考える力がないから、戦前日本を自らを拠って立たしむる思想・哲学、政治信念の基軸とすることができる。

 「自らの信じるところに従って的確な決断をすることが必要」とも訓示したと記事には出ているが、要は周囲の意見に振りまわされてすべてを納得させようと「右と左とを足して2で割る結論」に走ったことが支持率低下につながったとの反省から、例え周囲の反対があっても自分自身の考えに従うことが必要と自分にも向けた訓示ではなかったか。

 記事にも「このところ顕著になってきた『安倍カラーの原点回帰』をここでもうかがわせた」と出ている。

 だが、周囲の意見に振りまわされて中途半端な策に走る経緯にしても、その正反対の周囲の反対を無視して自分自身の考えのみに従う経緯にしても、両方とも疑うという必要成分を欠いた経緯となっている。

 とすると、安倍晋三の姿勢は周囲の意見に振りまわされて支持率が下がったことに懲りて、今度は闇雲に自分の考えを押し出そうとしたというだけのことで、これも単細胞的反応と言わざるを得ない。

 まあ、どちらでもいいことだが、問題は「右と左とを足して2で割る結論」とは日本の伝統的な暗記教育がもたらしている思考形式であって、自らの教育改革で自分で考え、自分で判断して、自分で決断するという自律(自立)思考の育成を主眼とした総合学習の時間を減らし、従来の「右と左とを足して2で割る」暗記思考強化の授業形式への回帰を図りながら、そのことに正反対に矛盾する「右と左とを足して2で割る結論」を否定する、これ程までに如何ともし難い「美しい」言行不一致である。

 まあ、疑うことを知らな単細胞安倍晋三だから可能とすることができる言行不一致なのだろう。自らの教育改革思想を否定していることにも気づかずに得々として訓示を垂れる安倍晋三のカエルの面にショウベンといったシラッとした顔だけが浮かぶ。

 参考までに記事の全文引用。

 『足して2で割る結論ダメ』

 「諸君が将来直面するだろう危機に臨んでは、右と左とを足して2で割る結論が、真に適合したものとはならない」

 「防大卒業式 首相場訓示」
 
  阿部首相は18日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式でこう訓示した。将来の自衛隊幹部に危機管理の心得を説いたものだが、与党内に反発の強い郵政造反議員の復党にせよ、国民投票法案成立への強い指示にせよ、このところ顕著になってきた『安倍カラーの原点回帰』をここでもうかがわせた。
 卒業式には小泉前首相も出席。安倍首相が「自らの信じるところに従って的確な決断をすることが必要」と続けた言葉に、じっと聴き入っていた。

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