覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

アンチェルとチェコ・フィルのマーラー 交響曲第9番

2009年02月01日 | 音楽
・アンチェルというと、その悲劇的な人生をまず思い浮かべます。もし、自分が同じ様な体験をしたら果たして立ち直る事ができるだろうか・・・。晩年、祖国を離れなければならなくなった時の心情も察するに余りあります。

・アンチェルの作り出す音楽というのは非常に明晰だと思います。このマーラーでも、過去の辛い体験が音楽に影を落としているかと言うと、そういう感じは受けません。単に私の聴き方が浅いだけかもしれませんが・・・。速めのテンポで進められる演奏は、過度の思い入れのようなものを避けて、マーラーの書いたスコアを自然に再現する事に徹しているように感じました。こんな風に書くと機械的な冷たい演奏のように聴こえますが、決してそんな事はなく、チェコ・フィルの響きは明るく、美しく、音楽は自然と高揚していきます。終楽章も、どこかに希望の光を感じるような、そんな感じを受けました。名盤の名にふさわしい素晴らしい演奏だと思います。

・今回聴いた国内盤、マスタリングの効果もあるのか音質も優れていますし、お値段的にもお値打ち価格だと思うのですが、疑問なのは、なぜ終楽章が二枚目に入っているのか、ということ。十分一枚で収まる演奏時間なのですが・・・。

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