東日本大震災:福島第1原発事故 保護者から不安の声 広野町で学校再開説明会 /福島
広野町は2、3日、2学期開始の8月27日から町内で再開する小中学校や幼稚園、保育所などの保護者向け説明会を開き、計150人余から放射線対策や原発への不安の声などが相次いで出された。
山田基星町長が「学校再開は町復興への大きな一歩。広野町での就学と帰町を考えてほしい」とあいさつ。
町教委は、校庭などの除染を進め屋内外での放射線量がいずれも毎時0・23マイクロシーベルトを下回っていると説明。給食は共同調理場のほとんどに内気型エアコンを配置し、食材の放射性物質を調査するなど安心、安全に万全を期すと強調した。いわき市から1時間以内で到着するスクールバスを運行、今年度は屋外のプール授業は行わない。
保護者は「原発で再び事故が起こった時の対策はあるか」「妊娠中の妻が戻ると危険か」「どのくらいの子供が戻るのか」など質問し、町と政府の担当者が答えに窮する場面も。小学2年の長女と身重の妻(43)を持つ会社員(37)は「リーダーシップと強い決意がなければ帰還する決断がつかない」と話した。【中尾卓英】