放射能除去と骨炭 一筋の光

私たちの想いを全国に

国は正しい?? 水俣病と福島原発

2012年05月31日 | 武田教授
国は正しい?? 水俣病と福島原発


水俣病では多くの人が苦しみました。それは「水銀が毒だ」ということが始めてわかったからです。それまでは神社の朱色は硫化水銀、女性のおしろいは酸化水銀、奈良の大仏は水銀アマルガムを使っていました。

 

水銀を工場で使ったのは日本窒素という会社でしたが、もちろん国の許可をえて創業を開始し、社会にも貢献していました。でも、事件が起こると国は責任を逃れ、日本窒素は裁判所から「無過失責任(過失はないけれど責任はある)」という判決を受けました。

 

まさに、何かが起こると「国は正しい、民に罪をかぶせる」ということを裁判所が追認しているのです。操業手順を守り、認可を得て、排水基準を守っていた日本窒素は残念だった出しょう。もちろん日本窒素にも若干の問題点はありましたが、「国が正しい」ということを前提としているので、責任を一手にかぶったのです。

 

福島原発も同じでした。東京電力の態度はいただけませんが、「民間の会社に任せておいては危険だから」という理由で「原子力安全委員会」、「原子力保安院」、「原子力安全機構」など公の機関を数多く使い、あたかも「安全は国が責任をもって審査している」ということだったのですが、未だに国は訴えられず、誰も罪に服していません。

 

役人は何をしても罪はない、国の認可は何も認可している訳ではない、でも国の認可を得ないと何も出来ないという社会は間違っています。司法がシッカリしないので、法的に改善されることもないでしょう。私たちがこのことを意識し、日本国の主人として直していくしかないと思います。


中部大学武田教授

2012年05月31日 | 内部被爆
原発短信を続けたいと思います。生活の指針、原発再開や瓦礫問題など具体的な問題を考える資料にしてください。できるだけ思想(原発推進、阻止)を排して学問的に正確に書いていくつもりです 
 
 
 
題名「チェルノブイリ原発事故後の長期低線量放射線暴露による膀胱病変とその発生メカニズム」
結論「データに基づくと、汚染地帯の人の前立腺肥大患者(男性に多い)の約6割が膀胱ガンになる」
類似論文”Urinary bladder lesions induced by persistent chronic low-dose ionizing radiation”
 
論文を見ますと、膀胱ガンのうち特に注意を要する上皮内ガンがほとんどで危険です。また被曝量は日本と少し定義が違うのですが、おおよそ1年5ミリ程度、汚染地域で言えば1平方メートル4万ベクレル以上のところで、福島県の3分の1ぐらいの地域に相当します。
 
まだ研究は初期的段階で、今後の研究に期待しなければなりませんが、まず、成人男子であっても低線量・長期間の被曝は危険なので、なんとかして福島の3分の1の地域に長くいないことが必要なようです。これについては福島医大などからさらに正しく詳細な情報提供が望まれます。
 
また、先月の放射線影響研究所の論文(広島・長崎)と同じように、「1年100ミリ以下は医学的所見がない」というような表現が不適切であることがわかります。事故直後は何らかの理由で、ウソを言った医師もすでに1年以上も経っていて一人ひとりの日本人が自らの生活を決めることができるのですから、本当のことを発言してください。
 
学会発表では討論の時に「ウクライナでは空間線量も食材の放射線量をはからないで「大丈夫」ということでしたが、日本では測定しましょう」という話になりました。放射線というのは目にも見えないし、感覚でもわからないので、機械で測定することが大前提です。
 
 
原発短信 第100回日本泌尿器学会の発表


橋下市長の理解が決め手、大飯再稼働へ急展開

2012年05月31日 | 毎日新聞

橋下市長の理解が決め手、大飯再稼働へ急展開

 

 関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)が再稼働する見通しとなったのは、関西広域連合が容認の姿勢に転じたことが最大の理由だ。

 電力不足による市民生活や経済への打撃が無視できないとの判断に傾いたとみられる。全国の他の原発の再稼働はなお見通せておらず、電力危機はまだ去ったとは言えない。

 関西広域連合が事実上の再稼働容認に転じた声明文について、首長たちは水面下で文案調整を続けた。

 30日午後3時頃、鳥取県で開かれた広域連合の首長会合を終えた井戸敏三連合長(兵庫県知事)から、大阪市役所の橋下徹市長に電話がかかった。公務のため首長会合を欠席した橋下市長に声明案についての意見を求めるためだった。

 関係者によると、橋下市長は、「限定的」との表現を加えることにはこだわったが、最大公約数で声明をまとめることには反対しなかった。再稼働批判の急先鋒(せんぽう)だった橋下市長が理解を示したことで、一気に再稼働容認への流れができた。

 前日午後、井戸知事は再稼働容認に含みを持たせた声明案を各首長に打診していたが、「細野原発相の説明を聞いたその日に声明を出せば『出来レース』になる」などの慎重論が相次ぎ、見送りになった。

 ところが、関係閣僚会合が30日夜に開かれるとの一報が飛び込み、事態は急転。首長たちは「政府判断の前に広域連合の意見を示さないといけない」(山田啓二・京都府知事)との考えでまとまった。非公開の打ち合わせで文面を調整し、この日夕の公表にこぎつけた。橋下市長は声明発表後の報道陣の取材に「知事、市長には(原発を)動かさざるを得ないという考えの人もいる。だが、暫定的な基準に基づく暫定的な安全判断に過ぎないという考えは一致している」と語った。

 

福島原発事故の究明も放射能問題も解明せず。

政府の責任も明らかにされないままの原発の再稼働

安全性も稼動ありきの検証

国民の生命財産よりも電力か?

なぜマスコミは批判しない福島原発事故に関して

追及しない?

無罪となった小沢氏は、何処までも追及し続け悪役に

したてあげるというのに

本当に大飯は安全なのか?

地震だけではないのだ!

北朝鮮のテロ対策はとっているのか?

自衛隊で警備するのは当たり前だが出来るのか?

大飯に不測の事態が起きれば、日本は本当に

終わってしまう!!

その覚悟を国民に問うてから、考えて頂きたい。

 

 

 

 

 

 

 


記者の目:「第4の被災地」茨城で見たもの

2012年05月31日 | 毎日新聞

記者の目:「第4の被災地」茨城で見たもの

 茨城県は「第4の被災地」といわれる。東日本大震災で大きな被害が出た岩手、宮城、福島の東北3県に次ぐ被災地という意味だ。茨城県で震災取材を続け、北茨城市で出会ったのは被災者による地域コミュニティーだった。被災地への国や自治体の手厚い支援は当然のことだが、やはり東北3県との温度差を感じた。同市ではそんな乏しい支援を吹き飛ばすように、被災者が肩を寄せ合い、足元を見つめ、踏ん張り、互いに助け合っていた。行政の甘えは許されない。しかし、その姿は住民主体の震災復興の先進モデルになると思った。

 ◇住民主体の復興、芽吹き

 茨城県内の死者・行方不明者は25人で、東北3県と比べて数百倍の開きがあるが、一部損壊も含めた建物の被害棟数は22万8233棟で宮城、福島に次いで全国3位、道路損壊は307カ所で千葉県、宮城県に次ぐ(警察庁調べ、5月23日現在)。文化財の被害数は182件と全国で最も多かった(文部科学省調べ、5月17日現在)。県単位では東北3県と茨城県の被害の差は歴然としている。しかし、市町村単位では「もっと支援の手が差し伸べられてもよいのに」と感じることが多く北茨城市もそうだった。

その高台の雇用促進住宅の集会所では週4回「サロン」が開かれている。雇用促進住宅の3棟(120戸)には市内と福島県から約100世帯が入居し、サロンは有志57人による住民組織「北茨城あすなろ会」が運営している。「頼りになったのは親戚より近くに住む他人さま」と参加者は言う。毎回、女性を中心に10人程度が集まり、お茶を飲みながら会話する。たまたま抽選で同じ団地を引き当てたという縁だが被災体験を共有し冗談や笑い声も飛び交う。市内は津波で住宅188戸が全壊、1282戸が半壊した(5月25日現在)。浸水は725戸(床上562戸、床下163戸)に及んだ。サロンを運営するのも利用するのもそうした被災者たちだ。

 4月からはサロンで食事も出し始めた。これも住民のアイデアだ。1人暮らしのお年寄りの男性向けに総菜や軽食を低料金で出す。サロン責任者の伊藤晴江さん(51)は「ご近所に支えられてここまでやってこられた。生かされた命なのだから、次は支える側に回りたい」と話す。

 

 団地や民間アパートなどで避難生活を送るこうした被災者は市内に約900人いる。仮設住宅も10戸建設したが、市は既存住宅の借り上げを優先した。「震災当初は全国的にプレハブ資材が不足していた。福島や三陸の被害を目の当たりにし、そちらに使ってもらうことにした」(豊田稔市長)というのが理由だ。

ただ、借り上げ中心だと困ったことが起きた。仮設住宅とは異なり、団地などで暮らす被災者は目立たず、支援の手がほとんど届かなかったのだ。物資は不十分で、衣類が20〜30着しかない時もあった。団地の中で、もらえる人ともらえない人ができ、不公平にならないように小口の支援物資は断らざるをえない局面もあったという。

 ◇少ない支援の中、支え合う「場」に

 あすなろ会の副会長、古茂田かつ江さん(66)が震災直後の生活を振り返る。「おしょうゆもみそも服も、何もなかった。困った時はお隣に相談すると、持っている人が『ハイハイ』って言って、すぐ持ってきてくれた」。支援は少ない。しかし、生活必需品などの温かい貸し借りをきっかけに近所付き合いは次第に深まっていった。そして、将来の生活への不安、子どもの学校のことなどを互いに語り合った。「何でも話ができ、安心することができた」と話す女性もいた。余震におびえ、不眠に悩まされていたが、仲間ができて睡眠薬なしで眠れるようになったという。

昨年6月に会の形になり、インターネット上にホームページを開いたり、会報を発行したりするうちに、住民同士の絆は一層強まった。夏にはみんなで草刈りをしたり、夏祭りも開いた。「命が助かったことには意味があるはず。ここでは孤独死は出さない」と会員らは口をそろえる。壊れた自宅を再建し、団地を出て行ったものの、「第2の古里」としてサロンに通う人もいる。

 市が3月に策定した計画では津波被害の大きかった3地区は復興を見据えたまちづくりに力を注ぐ。外部や行政の支援は必要だが、住民が自ら主体的に動き復興を進めていくことも求められるだろう。

 全国にはいまなお避難生活を送る人がたくさんいる。そこで培われた温かく、強いつながりやたくましさが地域復興の大きな原動力になっている。「地域力」とも呼べる力が、震災という逆境から芽を出し、育っているのを心強く感じている。

 


東京圏から福岡市へ大挙転入、震災影響か

2012年05月31日 | 内部被爆

東京圏から福岡市へ大挙転入、震災影響か

 

 東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県)から福岡市への2011年の転入者が、前年より3000人以上増加し、1万3861人に上ったことが市の調査でわかった。

 

 東京圏からの転入が転出を上回ったのは1996年以来、15年ぶりで、市は昨年3月の東日本大震災の影響とみている。

 市企画課によると、11年の東京圏からの転入者は10年の1万541人から3320人(31・5%)増加。特に0~14歳が2403人(前年比846人増)、25~34歳が4648人(同1045人増)、35~44歳が3215人(同840人増)と多く、子育て世代の転入が背景にあるとみられる。

 一方、東京圏への転出者は1万2725人(同634人減)で、転入が1136人上回った。統計が残る85年以降、転入超過だったのは94~96年の3年間だけ。同市の場合、特に若い世代が就学や就職で関東へ出る傾向が強く、転入超過だった3年間はバブル崩壊後の景気低迷が要因とみられるという。

 今回の転入超過について、同課は「大震災の影響で企業が生産や営業拠点を移したり、転勤時に単身赴任よりも家族で引っ越すことを選ぶ人が増えたりしたのではないか」と分析している。

 宮城、岩手、福島の被災3県からの転入数は706人(前年比249人増)だった。

          ◇

 福岡市は29日、市内の認可保育所などの待機児童が4月1日現在で893人に上り、統計を取り始めた2002年度以降で最多となったと発表した。前年度より166人増えており、市保育課は「働く女性や0~5歳の就学前児童数の増加、東京圏からの人口流入が要因」と分析している。

 同課によると、認可保育所185か所と保育士の有資格者がマンションなどで少人数を預かる家庭的保育者(保育ママ)19か所の今年度の定員は計2万6264人。保育所の設置などで前年度より定員を1160人増やした。一方、入所申し込みは前年度より1404人増の2万9626人で、待機児童(特定の保育所を希望して待機している人を除く)は893人だった。

 市では06年から出生数が増加傾向にある。昨年は特に東京圏から、0~14歳の子どもと、25~44歳の子育て世代の転入が10年に比べて急増した。

 市は11、12年度で計2560人分増やし、13年度の待機児童解消を目指していたが、担当者は「入所希望者が予想を上回って急増しており、13年度までの解消は厳しい」と話している。

 29日の定例記者会見で、高島宗一郎市長は「定員を増やすと預けたい人も増え、追いかけっこになる面もあるが、任期中に待機児童解消を実現したい」と強調。補正予算で保育所整備を進めるなどの対応を検討する考えを示した。


国会事故調 反省なき菅前首相の脱原発論

2012年05月31日 | 読売新聞

国会事故調 反省なき菅前首相の脱原発論

 東京電力福島第一原子力発電所の事故に対応する政府中枢の混乱と無策ぶりが、改めて明確になった。苦い教訓を生かさねばならない。

 国会の事故調査委員会が、菅前首相、当時の閣僚、佐藤雄平福島県知事らからの聴取を終えた。来月をめどに報告書をまとめる。

 菅氏は、「(経済産業省原子力安全・保安院、東電などから)原子炉の状況についての説明は一切なかった」「手の打ちようがない怖さを感じた」などと述べた。

 当時官房長官だった枝野経産相らも同様の証言をした。

 情報収集と事故対応で中心的な役割を担うはずだった保安院は、職員が早々に原発と首相官邸から退去していた。

 政権の危機管理能力が欠如していたことを露呈したと言える。

 本来なら、政府組織が一丸となって情報を集め、確立した指揮命令系統の下で動くべきだった。

 だが、菅氏は思いもよらない行動に出た。枝野氏の反対を押し切って、ヘリで原発を視察し、担当者に説明を求めた。「(現場に)40分くらいいた」という。それが火急の事態に、責任者の時間を浪費させてしまった。

 佐藤知事が「国が司令塔の役割を果たせなかった」と批判した意味は重い。

 さらに、菅氏は外部の有識者を次々と内閣官房参与に任命し、個人的な助言を求めた。枝野氏が「プラスとは思えない」と批判したのは当然である。

 菅氏が誤った「政治主導」を掲げ、過剰に介入したことが現場に負担をかけ、官僚組織を萎縮させた。猛省すべきだろう。

 真相がなお不明な点もある。

 菅氏は、原発から作業員を全面撤退させるという東電社長の意向を伝えられたと主張した。これに対し、勝俣恒久会長は「事実ではない」と否定している。

 国会事故調は、さらに事実の徹底解明を進める必要がある。

 菅氏は最悪の場合、3000万人の避難が必要だったとした上で「国家崩壊リスクに対応できる確実な安全確保は不可能だ」と述べた。自ら言い出した「脱原発」を正当化したいのだろう。

 しかし、自身の失態を棚に上げて、エネルギー政策に関し、「原子力ムラは深刻な反省もないまま原子力行政の実権を握り続けようとしている」などと自説を振りかざすのは論外である。

 原発再稼働に向けた政府の判断は最終局面を迎えている。菅氏の発言は混乱を拡大しかねない。


汚染焼却灰保管場所確保へ 来月住民説明会 

2012年05月31日 | 内部被爆
【放射能漏れ】

汚染焼却灰保管場所確保へ 来月住民説明会 

高濃度の放射性物質を含むごみ焼却灰の一時保管場所として県が手賀沼終末処理場を提案し、所在地の印西市と我孫子市が反発している問題で、県は周辺住民向けの説明会を、6月9日午後5時から県立我孫子東高校で開く。処理場から200メートル圏内の3自治会(計約220世帯)が対象だが、他地域の住民の傍聴も可能。

坂本森男副知事や県幹部、環境省職員らが保管施設建設計画の内容や安全対策について説明する。

県は、4月に印西市議会向けの説明会を開いたが反対論は収まっておらず、我孫子市議会については開催のめどが立っていない。我孫子市の星野順一郎市長は「周辺住民への説明会をもって、この問題が進展したとは考えていない」とコメントしている。


富岡町長、双葉郡8町村合併を提案「川内、葛尾に拠点」

2012年05月31日 | 報道

 

富岡町長、双葉郡8町村合併を提案「川内、葛尾に拠点」

 

 福島県富岡町の遠藤勝也町長は28日、福島第1原発事故で避難区域に指定されるなどした双葉郡8町村が合併し、放射線量の低い川内、葛尾の両村に産業、住宅の拠点を置く案を示した。8町村長の中で、町村合併について踏み込んだ考えを示したのは遠藤町長が初めて。
 遠藤町長は同日、郡山市の仮設住宅であった町民説明会で提案した。住民の帰還に関し「双葉郡人口は現在の半分以下になるだろうし、税収も見込めない」と指摘。「復興のために町村間で企業誘致合戦をするなら、双葉郡を一つにした方がいい」と町村合併を進める意向を示した。
 川内、葛尾両村を拠点にする理由として、低線量のほか、住民の帰村が既に始まったことを挙げた。「両村に企業を誘致したり、住民のコミュニティーをつくったりして、線量の減衰や除染作業の完了を待ちたい」と述べた。
 遠藤町長は役場や住宅の拠点を避難先の自治体に整備する「仮の町構想」を打ち出している。今回は町村合併の選択肢があることを示し、一歩踏み込んだ。大熊、双葉、浪江3町も仮の町構想を描いており、合併路線に進む可能性もある。
 富岡町は原発の20キロ圏内にあり、警戒区域に指定されている。政府の区域見直しでは、5年以上生活できない帰還困難区域(年間線量50ミリシーベルト超)、一時帰宅は許される居住制限区域(20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)、早期帰還を目指す避難指示解除準備区域(20ミリシーベルト以下)に3区分される公算が大きい。
 遠藤町長は区分けによって住民への賠償額に差が出るとして、区域にかかわらず一律に賠償するよう政府に求めている。

 


東日本大震災:情報提供不備、知事が答えに窮する 会場からは野次--国会事故調 /福島 

2012年05月31日 | 毎日新聞

東日本大震災:情報提供不備、知事が答えに窮する 会場からは野次--国会事故調 /福島 

福島市で29日開かれた福島第1原発事故を検証する国会の福島原発事故調査委員会(国会事故調、黒川清委員長)に、佐藤雄平知事が参考人として出席した。佐藤知事は東京電力の“情報隠し”や国の指示の遅れを批判したが、県民への情報提供の不備を問われると答えに窮する場面が目立ち、会場からは野次も飛んだ。【乾達、深津誠】
 佐藤知事は冒頭、06年の就任直後に東電のデータ改ざんやトラブル隠しが相次いだことに「(原発への信頼は)『築城十年、落城一日だ』と言って信頼回復を積み重ねるよう求めてきた」と安全対策を要求してきたことを強調。08年に東電が津波による電源喪失の可能性の指摘を受けていたことについて「極めて残念」と不信感を示した。
 国に対しても「10キロを超える避難指示が一方的に出され、大勢が避難する前例やマニュアルのない中で判断を迫られた」と不満を述べた。
 ところが、被災自治体への情報提供が遅れたことやSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)のデータが削除された問題など県の情報提供のあり方を問われると、「10の班を作って必要なものを連絡したが、それでも届かなかったというのは通信が途切れていたから」などとあいまいな答えに終始。「原子力の安全は一元的には国(の責任)。雨が降ると、傘を差せとかカッパを着ろという指示があると思った」と政府にげたを預けた。反省点を訊かれ、「危機管理のあり方を見直している」と答えると、会場の男性から「お前にはできねえよ」と野次が飛んだ。
 さらに、10年の同原発3号機へのプルサーマル導入受け入れ時に耐震性や高経年化に関する安全確認を政府に要求。だが、その報告から津波が外れた経緯を問われると、事務方に助けを求める場面が増え、「議論がなされていたのを存じない」と述べるにとどまった。受け入れに伴う交付金の存在自体についても「知らなかった」と応じた。
 傍聴していた会津若松市に自主避難中の主婦、渡辺愛さん(31)は「知事が県民のことをどう考えているか知りたくて来たが、国のせいにして責任を逃れようとしている」とあきれた様子。福島大行政政策学類の荒木田岳准教授(42)は「具体的な事実関係を事務方に聞かないと答えられないのは、自分で判断してこなかったからではないか」と首をかしげた


日刊ゲンダイ本紙記者がまざまざと見た 福島原発廃炉作業の絶望

2012年05月30日 | 日刊現代

日刊ゲンダイ本紙記者がまざまざと見た 福島原発廃炉作業の絶望

30~40年では到底ムリ
<東電は電力事業から手を引くべきだ>

 福島原発事故から1年2カ月余り経った今月26日、東京電力が原発施設の一部を報道陣に公開した。同行取材した日刊ゲンダイ本紙記者があらためて感じたのは、廃炉実現に向けた作業の難しさである。野田首相は昨年12月に「収束宣言」し、政府は廃炉までに「30~40年」と公表している。だが、現地を取材した印象は「絶望的」だ。「30~40年」どころか、今世紀中に廃炉できるのか。それすら怪しいのが実態だ。

 記者を乗せた大型バスが福島原発の「免震重要棟」を出て真っ先に向かった先は4号機。バスを降りて原子炉建屋の南西70~80メートルの位置から見上げた地上約50メートルの建物は、水素爆発で屋根が吹き飛び、無残な姿をさらしている。事故後、ガレキを一部処理したとはいえ、ほとんど手付かずの状態だ。厚さ1~2メートルの分厚いコンクリートの壁はボロボロで、辛うじて残った壁や柱も、ちぎれた鉄筋があちこちから飛び出している。事故直後のような生々しさだ。
 東電は「4号機建屋は震度6強の地震に耐えられる」と説明しているが、次に大地震や津波の直撃を受けたら「倒壊」は避けられないことは容易に想像がつく。「メルトダウンしたら世界が終わる」と世界を震撼させている計1535本の核燃料が、そんな“ボロ屋”に今も保管されている。
 東電は来年末から、4号機の燃料取り出しを始める計画を立てている。7月にも、使用前の燃料をクレーンで試験的に取り出す方針だ。使用前の燃料は、核分裂させた使用済み燃料とは異なり、取り出す際のリスクが低い。“本番”の使用済み燃料の取り出しは、建屋南側に屋根を覆う形の「L字形建物」を造り、燃料を1本ずつ引き上げる予定だ。ところが、建設予定地には震災時に発生したガレキや鉄骨などがごちゃごちゃに埋まっていて、工事は「ようやく基礎工事に入った段階」(東電関係者)。燃料取り出しどころか、建物建設計画すら怪しいのだ。

<線量計は鳴りっぱなし>

 しかも、今回の現地取材であらためて分かったのは、怖いのは4号機だけではないということだ。
 取材バス車内で、記者たちが自前で持ち込んだ線量計が一斉に「ピーピー」と大きな警告音を発したのは、3号機から2号機のタービン建屋裏の海側の道を走っていた時だ。
「線量は、1500マイクロシーベルト(1.5ミリシーベルト)です」
 同行した東電担当者が叫び、バス内に緊張感が走った。1.5ミリシーベルトといえば、通常の年間基準線量(1ミリシーベルト)を1時間で軽く超える。4号機は事故当時、定期検査中だったために原子炉が損傷せず、線量もそれほど高くない。重機を使った作業も可能だ。しかし、1~3号機は線量が今も高く、人の作業はムリだ。敷地や建屋周辺には「即死レベル」の高線量地域がゴロゴロある。
 となると今後、もっとも懸念されるのは、作業員の確保になる。福島原発では現在、1日約2500~3000人が復旧作業に当たっている。しかし、全面マスク、防護服を着た作業のつらさは想像を超える。
 記者も全面マスクをかぶり、防護服を着たのだが、気密性を高めたマスクは、骨格が合わないと顔の左右のこめかみ部分を“ウメボシ”されて痛くなる。そのうえ、常に息苦しい。大声で話さないと言葉を伝えられないし、相手の声も聞きにくい。少し歩いただけで汗が噴き出す。たった2時間、着ただけだったが、最後は酸欠状態で、生アクビが出る始末だ。
 防護服に慣れたベテラン作業員でも、「作業は連続2時間程度が限界」(東電関係者)という。夏場の作業は過酷極まりない。積算線量が高くなれば、オーバーした作業員はどんどん現場からいなくなる。

<チェルノブイリでは6万~8万人が作業した>

 京大原子炉実験所助教の小出裕章氏はこう言う。
「86年のチェルノブイリ事故では、事故から石棺までの間に(7カ月間で)6万~8万人が作業に当たったといわれています。チェルノブイリはたった1基の事故だったが、福島原発は4基同時に事故を起こした。今後、どのくらいの作業員が必要になるのか想像もできないし、日本だけで作業員を集められるのかどうか分かりません。そんな状況で30年後、40年後の廃炉など不可能です」
 こうなったら、東電は電力事業からさっさと撤退し、福島原発廃炉作業に全力を傾注するべきだ。今のように片手間の作業でケリがつかないことは現場の東電関係者、作業員がよく分かっている。
 勝俣会長や清水前社長以下、事故当時の役員を全員引っ張り出し、東電グループの社員を「徴兵」してかき集め、復旧作業に当たらないとダメだ。

原子力規制庁法案、修正協議へ 首相「設置は急務」

2012年05月29日 | 報道

原子力規制庁法案、修正協議へ 首相「設置は急務」

衆院本会議で答弁する野田首相。奥右は細野環境・原発相、同左は枝野経産相=29日午後

 原子力の安全規制を一元的に担う原子力規制庁の設置関連法案と、自民、公明両党の対案が29日の衆院本会議で審議入りした。野田佳彦首相は「国民の不安に応えるため一日も早く新たな組織の下で規制、防災体制を整えることが急務だ」と述べ、野党に協力を求めた。自公両党とも新組織の早急な設置が必要との認識では一致しており、修正協議が本格化する見通しだ。
 自公両党は、東京電力福島第1原発事故発生後の菅直人前首相の対応が「事故収束の現場に大混乱を起こした」と批判。政治からの独立性が高い新組織にすべきだと主張しており、今後の議論の焦点になる。

 


原子力政策大綱、作業一時中断…原案配布問題で

2012年05月29日 | 読売新聞

原子力政策大綱、作業一時中断…原案配布問題で

 

内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)の小委員会が電力会社など原発推進側だけを集めた勉強会を開いて公表前の報告書原案を配布していた問題で、原子力委は29日、夏までに見直しする予定の新しい原子力政策(原子力政策大綱)の検討作業を一時中断することを決めた。

委員から勉強会について疑念を示す声が相次ぎ、大綱の議論の前に事実関係の詳細な公表や資料の取り扱いについて見直しを求める意見が出たことを受けた。

この日開かれた新大綱策定会議では、複数の委員から「(原発推進側の)電力会社など当事者が委員にいるのはおかしい」との指摘が出た。このため、近藤委員長は、推進側の関係者を委員から外すかどうかを含めて、次回6月5日に同会議の運営の見直し案を示すことも明らかにした。

同会議は、原子力委員5人のほか23人の有識者で構成。電力会社で作る団体や原子力の研究機関などのメンバーが参加している。


大気中のセシウム、40日周期で増加…原因不明

2012年05月29日 | 内部被爆

大気中のセシウム、40日周期で増加…原因不明

 福島県内の大気中の放射性セシウム降下量と濃度が約40日周期で高くなる傾向があることが、福島大の渡辺明教授(気象学)の調査でわかった。

 茨城県つくば市で29日に開かれた日本気象学会春季大会で発表された。渡辺教授は「放射性物質がもともと大気中を固まりで動いているのか、大気の運動として放射性物質が固まる仕組みがあるのかなど、現時点ではわからない」としている。

 渡辺教授は、福島県が昨年3月から今年4月まで、原子力センター福島支所(福島市方木田)で計測した放射性セシウム降下量のデータについて解析した。

 その結果、時間の経過とともに数値自体は下がっているが、東京電力福島第一原発からの風向きなどにかかわらず、平均値より高い数値がほぼ40日ごとに規則的に見られた。特に今年1月以降は傾向が顕著だったという。


日米政府福島原発の除染・廃炉利権

2012年05月29日 | 報道

日米政府で、福島原発の除染・廃炉利権と事故収束の話し合いが進展中。日米の該当企業・研究所と日米の報道まとめ。

 


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日米で、福島原発の除染・廃炉利権の話し合いと事故収束の話し合いが進展しています。
日米の該当企業・研究所、日米の報道を少しまとめてみました。

このトピックで焦点をあてたいのは、除染利権に関することを、日米で話し合いが進んでいる点・その流れについてです。

▲(重要)東京電力がサバンナリバー・サイト核施設(核廃棄処分など)とSRNLを訪問。SRNLはアメリカの超巨大軍事企業と提携、ホルムアルデヒドを用いてセシウムを除去するレポートもあり。

文中のサバンナリバー・サイト(SRS)・SRNL・PNNLについては上記を、ご参照。
一言で言えば、アメリカのエネルギー省の核研究所と核施設の1つでしょうか。

核兵器製造・処理・原子炉解体など、いろいろな事を行っており、多国籍軍事企業とも提携しています。東京電力は、2012年3月に、こっそりと、ここを訪問しています。

日米の話し合いの経緯についての詳細は、下記をご参照。

▲(重要:隠蔽)環境省が2月に、日米で損傷した使用済み燃料の処理、廃炉に数十年かかると議論したことなどを隠している。

▲環境省が2月に米国ハンフォードで非公開の除染ワークショップ。アメリカの除染企業CH2M HILLが、除染利権に参入する可能性が益々高まった。


ポイントの1つは、アメリカのCH2M HILLという会社です。
アメリカのハンフォード核施設の除染~解体(クリーンアップ)に関っています。

今回、東京電力がアメリカの核産業の視察に訪れていますが、その報道の中に、名前がでてきました。

環境省が、2月のプレスリリースで曖昧にしていましたが、除染・廃炉に関する動向が明らかになってきたと思います。


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冒頭のリンクと内容が近いので、抜粋しました。
関心がある方は、もしくは冒頭の別トピックかリンク先をご覧下さい。

APRIL 30, 2012

The Cleanup Challenge at Fukushima Daiichi and U.S.-Japan Collaboration 予備


(中略)


Savannah River National Laboratory (SRNL) — a U.S. Department of Energy laboratory that specializes in the treatment, cleanup and environmental remediation of nuclear waste — was directly engaged with the Department of Energy’s Nuclear Energy Response Team from the days following the event to provide information and support to Japan. The exchange continued with the first Japan/U.S. Department of Energy Workshop on Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Cleanup in Japan in October 2011. Policy and technology issues were presented by SRNL, CH2M Hill and others at the U.S.-Japan Roundtable Washington Conference in December 2011. A second Department of Energy technical workshop was held at the Hanford Site in February 2012.


2011年10月に日本で、福島第一原発のクリーンアップ(除染~廃炉まで含むと思われます)について、日本(日本は所管不明)とアメリカエネルギー省のワークショップで、意見交換が始めて行われた。


方針(政策?)と技術的課題について、2011年12月にワシントンの日米円卓会議で、SRNL、CH2M Hillなどがプレゼンテーションを行った。


エネルギー技術ワークショップ事実上、福島第一原発、処理について)の2回目は、2112年2月にハンフォードサイトで行われた(現地の見学も行っていることを下記で確認)。
補足;環境省プレスリリース 専門家+政策担当者・専門家・研究者
(中略)
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▲環境省が2月に米国ハンフォードで非公開の除染ワークショップ。アメリカの除染企業CH2M HILLが、除染利権に参入する可能性が益々高まった。

このCH2M HILLですが、2011年12月の円卓会議の前後どちらになるのかは不明ですが、この12月に日本を訪問して、日経新聞社のインタビューに答えています。




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東芝や日立製作所などの国内企業と協力関係を築くことも視野に入れ、日本の政府や自治体に対して具体的な除染計画の提案を進める。
 
~キーラー氏は汚染された原発施設や周辺地域の除染や手順について「経済産業省などの中央政府や地方自治体原発を手掛ける日本企業の関係者に提案を持ちかけている」と述べた~

~核燃料が溶解状態にある福島第1原発を完全に取り壊し周辺に人が住めるようにするには「兆ドル単位の費用と長い時間がかかる」との見方を示した~
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どういうことかと言うと、既に、最も困難な福島原発周辺の除染・廃炉は、アメリカ企業が提案する形で進んでいるということです。

加えて驚くべきことに、福島第一原発の廃炉と周辺の除染だけで数兆ドルと指摘されています!ここでいう周辺の定義によっては、県内の他の除染+福島第二原発の廃炉も含めるとどれだけお金が必要なのか、検討もつきません(ハンフォードの実績ある会社ですので、一定の信憑性があります)。
 
同時に、上記の投稿では、非公開のワークショップについて、アメリカのニュース・環境省のプレスリリースを比較しています。

環境省が使用済み核燃料プール損傷について話し合ったことを、プレスリリースでは隠しています。アメリカでプレスリリースされているのに、出さなかったのは、都合が悪いからでしょう。


<まとめ>

○日米で福島原発事故収束について、話し合いが進められている。

○日本政府は、使用済み核燃料損傷について話し合っていることを隠した。

○政府ベース
<アメリカ>エネルギー省、環境保全省、SRS、PNNL

<日本>経済産業省+環境省+地方自治体

○企業ベース
<アメリカ> 
・CH2MHILL、URS、フロー
・多国籍軍事企業(SRSと提携)→ロッキード・マーチン、ハネウェル、グラマンなど

<日本>
・東電
・日立、東芝など(など=三菱が入るかは不明)。


<行動フロー>

2011年10月 日本・東京

2011年12月 米国・ワシントン SRNL、CH2M Hillなどがプレゼンテーション

同月 CH2M Hillが日本訪問。政府・自治体、東芝・日立などにプレゼン

2012年2月  米国・ハンフォード ←CH2M Hill・PNNLが除染・廃炉などに関っている
除染・廃炉に加えて、使用済み核燃料損傷について話し合い

2012年3月 東京電力が、サバンナ・リバー・サイト、SRS及びPNNLを訪問


※PNNL 補足
・ハンフォード核施設の管理に携わっている。

・福島原発の事故処理にキュリオンと共に関っている。

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キュリオン、米エネルギー省傘下PNNLと提携契約を締結 2012/04/25



放射性廃棄物管理の革新的企業キュリオンは、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)と提携契約を締結したと発表しました。本契約は、当社のモジュール式ガラス固化システム(MVS®)の商業化における次段階として、放射性模擬廃棄物を使用して本システムの試験・実証を実施するためのものです。すべての試験と分析は、米エネルギー省のハンフォード核施設にあるPNNLの放射化学処理研究所(RPL、別名325番ビル)でPNNLが実施します。キュリオンは試験に要するコスト分を支払い、MVS®を提供します。提供するMVS®は、研究スペースに適合させるためのわずかの修正を除き、これまで非放射性物質を使用してきたシステムを再現するものです。本契約はPNNLによる不偏・独立の評価を堅持するための特別条項を含むものとなっています。

キュリオンの創業者で最高経営責任者(CEO)のジョン・レイモントは、次のように述べています。「従来、エネルギー省に対する納入元となる可能性のある業者は、自社技術の試験を実施するために政府資金を当てにしてきました。政府予算に対する制約が増している中、特に革新的な核廃棄物管理技術の開発資金を拠出することが困難になっており、当社はこれまでの方法から脱却し、自社で開発リスクを背負うことにしました。これはベンチャーキャピタルの支援を受けた企業の証であり、またキュリオンが当社顧客にもたらす価値でもあります。」

「津波による被害を受けた福島第1原子力発電所で何千万ガロンもの汚染水をイオン特殊媒体で浄化して、当社技術の第1段階で成功を実証しました。今後は第2段階、すなわちモジュール式ガラス固化システムの商業化を加速させていきます。この目的のためには、放射性廃棄物の試験データに基づいて、独立的な立場から権威ある中立的検証が重要となりますが、溶融装置デザインの試験と核処理科学における経験を考慮すれば、パシフィック・ノースウェスト国立研究所の研究者以外に適格な研究者はいません。」(レイモント)

PNNLチームが当面の目標として設定しているのが、東京電力株式会社(TEPCO)が福島第1原子力発電所で発生した高濃度汚染水を処理するために使用したキュリオン製イオン特殊媒体で捕捉した放射性核種の固定化を実証することです。PNNLはまた、ハンフォード廃棄物処理・固定化プラント(WTP)の低レベル放射性廃棄物(LAW)フィードに関する実証試験も別に実施することになります。

キュリオンは非放射性模擬物質で内部試験を行いましたが、その検証を放射性模擬物質で実施し、福島第1原子力発電所で使用済みとなったイオン特殊媒体と低レベル放射性廃棄物フィードの容量をガラス固化によって縮減し、安定したホウケイ酸塩ガラスないし鉄リン酸塩ガラスに転換できることを示します。試験結果は、キュリオンのガラス固化技術が福島第1の廃棄物を永久的に安定化させるためのライフサイクルコストを低減する上で効果があるか、またハンフォード・タンクファームで貯蔵されている約5600万ガロンの放射性廃棄物・有害化学廃棄物を永久的に安定化させるためのライフサイクルコスト599億ドルを低減し、安定化の促進に資するかどうかを見極める研究に活用されます。

キュリオンのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるリチャード・キーナン博士は、次のように述べています。「キュリオンのモジュール式ガラス固化システムは、確証性をもたらす放射性模擬物質を使用しない限りにおいて機能するほど、成熟化に成功しました。当社は商業化を進めるにあたり、パシフィック・ノースウェスト国立研究所が擁する世界レベルの研究者と施設を活用することで、当社がMVS®試験施設において非放射性物質で成功させた試験を放射性模擬物質で再現し、最高度の実験検証法を開発して、エネルギー省が定めたガイドラインに従って本システムの技術成熟度を引き上げることが可能となります。」

キュリオン最高技術責任者(CTO)のマーク・デントン博士は、次のように述べています。「キュリオンの諸施設において広範な模擬廃棄物を使用して当社のモジュール式ガラス固化システムの試験を70回以上実施した結果、本技術がかなりの有望性を持ち、完全な独立実証試験に耐え得るものであることを確認しました。当社はパシフィック・ノースウェスト国立研究所が本システムの試験・実証に参加する契約を締結したことをうれしく思います。本システムは米エネルギー省施設、福島第1原子力発電所、その他の世界中の核プラント・施設における廃棄物管理プログラムのライフサイクルコストを劇的に削減し、コンプライアンスを顕著に促進させることができると確信しています。」

キュリオンについて

キュリオンは、プロジェクトの実施とコンプライアンスを促進し、顧客が放射性廃棄物管理のライフサイクルコストを大幅に削減できるような革新的で容易に利用できる技術を提供しています。2008年創業のキュリオンは、エネルギー分野の一流投資会社であるLUX CAPITAL MANAGEMENTとファイアーレイク・キャピタル・マネジメントの支援を受けています。キュリオンはカリフォルニア州アーバインに本拠を構え、テネシー州オークリッジに研究開発施設を、ミズーリ州ローラに試験施設を有しています。詳しい情報については、WWW.KURION.COMをご覧ください。
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国民は政府の対応に不信感

2012年05月29日 | 福島原発事故

全面撤退と解釈 東電対応に強い不信感  国会事故調で海江田氏

 
 

東京電力福島第1原発の事故調査委員会に参考人として出席し、発言する海江田元経産相=17日午後、参院議員会館
東京電力福島第1原発事故の対応に当たった海江田万里元経済産業相が17日、国会が設置した事故調査委員会に参考人として出席し、東電が原発から全面的に撤退する意向だと解釈したことなど、事故直後の東電の対応に政府側が強い不信感を抱いていたことをあらためて明らかにした。

 また首相官邸内と東電、経産省原子力安全・保安院との情報共有に大きな問題があったことを認めた。

 同委が公開の場で国会議員を聴取するのは初めて。事故対応に国会議員がどのような関与をしたのか調べる方針で、27日には当時官房長官だった枝野幸男経産相の聴取も予定している。

 東電の清水正孝(しみず・まさたか)社長(当時)が昨年3月15日未明、原発からの撤退を申し出たことについて海江田氏は「社長が私に電話をしてきた意味を考えると、重い決断だったのだろうと思う」と述べ、全面撤退ととらえたことを明らかにした。東電はこれまで「全面撤退の意向を伝えたことはない」としている。

 1号機の格納容器から蒸気を排出するベントが遅れたことについて「東電がこの期に及んで事故を小さく見せようとしているのかと思った」と指摘。1号機への海水注入がなかなか始まらなかったことにも「東電が廃炉をためらっているからだと感じた」と述べた。

 官邸が東電などと事故関連の情報をうまく共有できず「伝言ゲームをやっているような状況で、このままではいけないと思った」と当時の心境を語った。

 事故当初、官邸の地下に詰めていた海江田氏は、5階にいた菅直人前首相と情報共有ができなかったことを「大きなマイナスだと思っていた」と振り返った。

 事故当日、原子力緊急事態宣言を出すのに時間がかかった理由を問われると「総理の理解を得るのに時間がかかった」と説明した。(佐分利幸恵)

事故調やりとり詳報

 東京電力福島第1原発事故調査委員会(国会事故調)が17日、海江田万里(かいえだ・ばんり) 元経済産業相を参考人聴取した主なやりとりは以下の通り。

 【事故の初期対応】

 桜井正史(さくらい・まさふみ)委員 東電が昨年3月11日、原子力災害対策特別措置法15条に基づく緊急事態を通報した後の対応は。

 海江田氏 官邸に行って菅直人(かん・なおと)首相(当時)に状況を話した。

 桜井委員 原子力緊急事態宣言を出すためか。

 海江田氏 はい。菅首相から「炉の状況は」と聞かれ、経産省原子力安全・保安院の院長と次長が話をした。いろんなやりとりがあり「とにかく原子力災害対策本部を」と言うと「どこに(法律上の)根拠があるのか」と聞かれ、省令にあるらしいのだが持っておらず、内閣官房副長官らも入ってきて「どこだ、どこだ」と。その後、党首会談もあって時間が経過した。

 桜井委員 原子力緊急事態宣言について菅首相は。

 海江田氏 「チェルノブイリみたいになる」と2回ぐらい言っていた。

 桜井委員 宣言までに時間がかかった理由は。

 海江田氏 菅首相の理解を得るのに時間がかかった。

 【ベント、海水注入】

 桜井委員 東電からベントの話は。

 海江田氏 東電から爆発を防ぐために圧力を逃す、それがベントだと聞いた。大気中に放射性物質が飛散し、厳しい選択だが「やってください」とお願いした。

 桜井委員 なぜベント実施命令を出したのか。

 海江田氏 昨年3月12日午前3時にベントをすると発表した。すぐ始まると思ったが進まない。この期に及んでも東電は事故を小さく見せるためにためらっているのかな、と思った。命令は東電経営者を後押しする意味もあった。

 桜井委員 海水注入についてどう思ったか。

 海江田氏 炉に塩を入れると廃炉なので、ためらっていると思った。

 桜井委員 原子炉への海水注入をめぐり、政府内で意思疎通ができていなかったのでは。

 海江田氏 意思疎通ができない、情報共有ができないのは大きなマイナスだった。私ども、東電本店、第1原発の免震重要棟の三つが伝言ゲームをやっているような状況で、このままではいけないと思った。

 【撤退】

 桜井委員 東電の撤退問題について。どこから話があったのか。

 海江田氏 清水正孝(しみず・まさたか)社長(当時)からの電話。官房長官の部屋の外で電話をうけたが、しっかり覚えているのは、第1原発から第2原発への撤退ではなく「退避」という言葉。「一部を残す」という話は一切なかった。

 桜井委員 その場にいた官邸幹部の結論は。

 海江田氏 大変なことになる。東日本が失われると。現場の方に申し訳ないが、がんばっていただかなければならない。ところが清水社長に来てもらうと「撤退しない」と。

 桜井委員 社長の発言をどう感じたか。

 海江田氏 若干、気が抜けた。現場に残れば急性被ばくの可能性もあるので重い決断。それを考えるとどうなのかなと。電話で受け取った話と違ったので。

 桜井委員 東電は全員退避を考えたことも、連絡したこともないと言っているが。

 海江田氏 清水社長が私に電話してきた意味を考えると、重い決断だったのだろうと思う。

 【首相が東電本店に】

 野村修也(のむら・しゅうや)委員 (これまでの東電社員の証言には)菅首相から厳しく〓(口ヘンに七)責(しっせき)され、違和感があったというものもある。

 海江田氏 初めて菅首相の演説を聞く方は違和感を覚えて当然だと思う。もう少し別な表現があるだろうと。私は菅さんとは古い仲でありまして。

 【浜岡原発の停止】

 野村委員 浜岡原発を止める法的根拠は。

 海江田氏 ない。

 石橋克彦(いしばし・かつひこ)委員 昨年5月5日に浜岡原発を視察した時の感想は。

 海江田氏 砂丘が防波堤の役割を果たすと聞いていたが、実際に行くと防風林の丈は短く、津波が来たら遡上(そじょう)すると。

 石橋委員 現在は。

 海江田氏 そのままの状態が続いている。

 【再稼働について】

 野村委員 今夏は大変だ。相当の節電をしないといけない。先を見通して(再稼働の理解が得られやすい)厳しい基準を考えなかったのか。

 海江田氏 やってしまったことなので弁解はしない。ご批判は受ける。

 【天災か人災か】

 野村委員 東電は天災だと言い続けている。天災と人災の割合は。

 海江田氏 難しい質問だが、ゼロではないだろう。津波の高さ、地震の強さの新たな予測が出ていて(人災と考える余地は)ある程度あった。

 黒川清(くろかわ・きよし)委員長 ベントの時に東電がためらっていると思った、と言っていたが、具体的には。

 海江田氏 ベントの時か後だったか、第1原発事故で5、6号機も無傷じゃなかった。全部廃炉だなと思っていたが、東電が5、6号機を廃炉と言い出さなかったので。

 【保安院の役割】

 桜井委員 保安院の記者会見で炉心溶融の可能性が取り上げられたことは知っているか。

 海江田氏 その方(昨年3月12日、保安院の記者会見で炉心溶融の可能性に言及した中村幸一郎(なかむら・こういちろう)審議官)が代わったことは知っている。代えろ、と言ったことはない。

 桜井委員 会見を記憶しているか。

 海江田氏 官邸にいて全く見ていない。

 桜井委員 炉心溶融という言葉を使わなくなったことで保安院の発表に不信感を抱かれるようになったが。

 海江田氏 東電の技術者を呼んで言葉の整理をした。いろんな事象がはっきりせず「確実に言えることは何か」と聞くと「燃料ペレットの溶融」と言う。じゃあ、その言葉を使いなさい、と。

 桜井委員 保安院は役割を果たせたか。

 海江田氏 彼らは彼らなりに一生懸命やったが、国民の期待する役割は果たせなかった。

 (2012年5月17日、共同通信原子力報道室)