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東日本大震災:福島第1原発事故 ストレス、長期化で昨年より高まる--福島大が親子調査 /福島

2012年06月08日 | 毎日新聞

東日本大震災:福島第1原発事故 ストレス、長期化で昨年より高まる--福島大が親子調査 /福島

 福島第1原発事故による親と子どもの心身への影響を調べるストレス調査で、福島大(福島市)は6日、子どもについて「頭痛が増えた」「集中するのが困難」と答える親が増加したとの結果を発表した。長期化する低線量被ばく下の生活で、親子共に依然、強いストレスを抱えていることが浮き彫りになった。【深津誠】
 調査は昨年6~7月に続き2回目。放射線対策の方法や「疲れやすい」などの身体的変化について同様の質問をした。
 今回は今年1月、福島市の小学低学年、高学年、幼稚園児の保護者計2743人にアンケートを配布し、2103人(77%)から回答があった。保護者の放射線不安▽保護者のストレス▽子どものストレス--の3点に分けて分析した。
 放射線不安について、「洗濯物を外で干さなくなった」は60%から50%に、子どもに「外遊びさせない」は67%から54%にいずれも減少。一方、食品産地を「非常に気にする」「やや気にする」と回答した人は95%、同様に飲み物は84%に上り、内部被ばくへの不安の高さを示した。
 保護者のストレスでは、「いらいらしたり、すぐ腹を立てることがあるか」との質問に、「よくある」と答えた人は18%から25%に上昇した。
 子どものストレスは小学低学年、高学年で微増。「恐怖・不安」「甘え・退行」は減少したが、「抑うつ」や「イライラ・集中困難」が増加した。特に、頭痛や吐き気が「時々起こる」「よく起こる」は、6%から38%へと急増した。
 調査チームの筒井雄二教授(実験心理学)は、「除染が始まらず不安が高まった昨年の調査時よりも、長期化による保護者のストレスは高まっている」と指摘。また、子どもについては、「慢性的なストレスにさらされた結果が、興味低下や頭痛など、身体的反応に表れた可能性がある」と説明した。
 筒井教授は「震災での『心のケア』はPTSD(心的外傷後ストレス障害)だけでなく、不安の長期化へのケアも必要だ。不安解消には除染が急務で、屋内の遊び場と保養の充実も欠かせない」と訴えている。



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