拡散予測の伝達遅れを陳謝=野田首相
野田佳彦首相は10日午前の参院予算委員会で、東京電力福島第1原発事故で被害を受けた福島県浪江町に対し、事故直後に政府から放射性物質の拡散予測データが伝達されなかったことについて「関係機関の連携、情報共有が不十分で、住民の命を守るために適切に情報公開する姿勢が希薄だったことは大きな教訓だ。浪江の皆さまにご迷惑をお掛けしたことをおわびしたい」と陳謝した。自民党の佐藤正久氏の質問に答えた。
浪江町の住民は事故直後、同町津島地区に一時避難したが、実際には同地区の放射線量は高かったことが後に判明した。これに関し、予算委に参考人として出席した浪江町議会の吉田数博議長は「町民が無用の被ばくをした。人災そのものだ」と政府の対応を厳しく批判。「速やかに公表されていれば多くの町民を守れた。無念さと同時に憤りを感じている」と語った。