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東日本大震災:「忘れていないよ」 被災・阪神からのメッセージ込めて、奥野さん熱唱--いわき /福島

2012年06月17日 | 毎日新聞

 東日本大震災で被災した広野町やいわき市の人々が暮らす同市四倉町の鬼越仮設住宅で16日、「巡るいのちの歌コンサート」があった。広島県のミュージシャン、奥野勝利さん(38)が、阪神大震災(95年)の犠牲者が母にあてた手紙に曲をつけた歌を熱唱。住民約50人が集まった会場は笑顔と感動に包まれた。

【中尾卓英】
 奥野さんは昨夏以来、福島から岩手の三陸沿岸の津波被災地でボランティア活動を続ける。「20メートルを超える津波に襲われても無事だった村が宮城県女川町にあります。日ごろから『こんにちは』が言い合える集落は災害にも強かったのです」
 阪神大震災で犠牲になった神戸大学生、加藤貴光さん(当時21歳)が母りつこさん=広島市=に残した手紙に曲を付けた「親愛なる母上様」は、07年の発表以来、全国の小中高生らに親しまれる。
 「お母ちゃん(加藤さん)は言います。私も17年間、毎日泣いて暮らしてきました。悲しい時は思い切り泣いていいんですよ」
 印象的なメッセージとともに、「ふるさと」「見上げてごらん夜の星を」など全10曲をオカリナや電子ピアノに合わせて参加者と合唱。また、地元の県立平商業高のフラガール愛好会「マハロハ」のメンバー8人も、華麗な舞を披露した。
 原発事故で8カ月間、兵庫県の次男宅に避難し昨年末から仮設住宅に暮らす主婦、北郷百々子さん(70)=広野町=は「心に染みる演奏だった。震災や原爆に遭った神戸や広島から届く『忘れていないよ』とのメッセージは、先の見えない生活の私たちには、何よりの励まし」と話した。



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