元日に地下鉄で親子連れの三人が前に座っていた。右から母親、中学生くらいの女の子、父親と座っている。娘と母親は仲良しで、娘が母親の肩に頭を持たせかけて、お喋りしたりしている。
そのうちに父親が居眠りし始めて、コックリコックリとしたかと思うと、大きくゆらいで、母娘と反対側の若い女性の肩に頭を持たせかけそうになった。まさに触れそうなその瞬間、すかさず女の子が、オトーサンの肩を引っ張ってこっちに引き戻したのである。それがきわめて事務的なやり方で、何事もなかったかのように、また母親と喋り始めた。
家族関係が一瞬にして、かいま見えるようなシーンであり、少女の潔癖な反応が、好ましく感じられた。
正月と言えど、思いがけないところにショート・コントは転がっている。
そのうちに父親が居眠りし始めて、コックリコックリとしたかと思うと、大きくゆらいで、母娘と反対側の若い女性の肩に頭を持たせかけそうになった。まさに触れそうなその瞬間、すかさず女の子が、オトーサンの肩を引っ張ってこっちに引き戻したのである。それがきわめて事務的なやり方で、何事もなかったかのように、また母親と喋り始めた。
家族関係が一瞬にして、かいま見えるようなシーンであり、少女の潔癖な反応が、好ましく感じられた。
正月と言えど、思いがけないところにショート・コントは転がっている。
