もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

アメリカ大統領選に思う

2020年12月07日 | アメリカ

 アメリカ大統領選では、自分の予想に反して民主党バイデン候補の勝利が確定しそうである。

 敗北したトランプ大統領は各州で不正選挙の訴訟を起こしているものの相次いで退けられており、自身も4年後の捲土重来をうかがわせるかのコメントを出している。
 今回の大統領選挙を振り返ると、先進国とは思えない出来事と先進国ならではの出来事が随所に見られたように感じられる。投票所における両候補支持者同士の小競り合いや開票作業時の支援者の監視などは、国連の監視下で行われる内戦終結直後の途上国そのものである。一方、先進国として社会的弱者の投票支援のための郵便投票が悪用されて、死者が投票したり、ある地域では投票率が100%を超えるケースも報道されている。それにもまして、先進国共通の病巣と思われるのはメディアのあからさまな選挙干渉である。選挙期間中には、SNSでバイデン候補に不利な情報(バイデン氏3男の中国癒着等)を発信するアカウントが閉鎖されることは報じられてきたが、ここに来て、CNNのCEOがバイデン勝利に加担できる報道を指示する音声データが暴露された。鳩山政権(民主党)誕生に大きく寄与したとされるテレ朝の椿発言を経験している日本国民は、「テレ朝とTBSの報道には眉唾が必要」との免疫を持っているが、今回のアメリカメディアの偏向攻勢は、前回のトランプ批判報道に打ち勝ったアメリカ国民の理性・常識を粉砕する程の激しさであったのかも知れない。
 大統領選が一応決着して、ヤヤ冷静さを取り戻したアメリカ国民とメディであるが、ここに来て新たな試練を迎えているようである。多くのメディアは大統領選と上・下院選挙ともに民主党が地滑り的に大勝する「ビッグ・ウエーブ」確実と煽り立てていたが、上院では共和党が過半数を維持し、下院でも民主党が過半数を制したものの圧倒的勝利とは程遠いもので、大統領選の接戦と併せ考えれば「ビッグ・ウエーブ」など起こらなかったことで、マスメディアの世界でも自らの報道姿勢を検証した結果からか、選挙期間中に封印していたバイデン氏3男の中国疑惑も取り上げられるようになり、メディアに踊らされた(騙された)としてバイデン投票者から再選挙を求める声も上がっているらしい。
 このような情勢から、12月14日以降の代議員投票では民主党代議員がトランプ氏に投票するケースも予測されるので、バイデン氏の勝利も現在の代議員の差(約70)よりも変化する可能性もあるように思える。なお、これまで代議員が相手候補に投票したことは3例あるそうである。

 アメリカ国民の投票行動には影響しなかったであろう日本のメディアや識者の多くがバイデン期待であったが、バイデン大統領誕生が現実味を帯びた途端、氏の中国寄りを警戒する声を上げ始めた。トランプ大統領しか成し得なかった中国共産党のデカップリングは成し崩し的に頓挫するであろうし、重しの取れた中国はこれまで以上の振舞いを見せることになるのは目に見えている。相対的にマシな指導者、朴槿恵氏とトランプ氏を忌避した人々は、日本の行く末をどのように期待しているのだろうか。改めて問うまでもないようにも思えるが。


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