もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

選抜高校野球の選考に思う

2022年02月01日 | カープ・スポーツ

 第94回選抜高校野球の出場校32校が決定した。

 出場校は、ほぼ秋季地区大会の成績上位チームが選ばれたが、東海地区では地区大会優勝の日大三島(静岡)とベスト4の大垣日大(岐阜)が選ばれ、準優勝の聖隷クリストファー(静岡)が落選するという逆転現象が起きた。
 選考の過程について選考委員の鬼嶋委員長は、「春は投手力のウエートが高く、失点の多いチームは厳しいので、投手力・選手個人の力量に勝る大垣日大の方が甲子園で勝つ可能性が高いと判断した」と説明したが、静岡県高野連は「高校野球って何だろう」と失意と疑問を表明し、パドレスのダルビッシュ有投手もツイッターで選考過程を疑問視するなど波紋が広がっている。
 門外漢の自分があれこれ言うのもどうかと思うが、選考委員長の「個人の力量に勝る…」「勝てるチームを…」を選んだという2点には疑問を感じるところである。
 個人の力量が絶対でないことは、怪物「江川卓」が全員野球の広島商業に敗れ、剛腕「板東英二」は魚津高の村椿輝雄を圧倒できず、田中将大はハンカチ王子斎藤佑樹に敗れたものの後のプロ実績では大逆転している。
 また、甲子園で勝つというのは何だろうか。鬼嶋委員長は誰に勝つことを求めているのだろうか。例え大垣日大が勝ち進んだとしても、敗れたチームも選考委員が「勝てるチーム」と判断したチームであることを考えれば理論として成立しないし、教条的に言えば高校野球・高野連は勝利自体を最終目的とはしていないのではないだろうか。
 「センバツはあくまで招待であって、秋の地区大会は選抜の参考」とされているので、主催者(選考委員)が「興行主として大垣日大の方がエキサイティングな試合を提供できる」としたのであれば納得できるが、尤もらしい理由で糊塗する背景はおそらく「同じ県から2校はまずい」という大人の事情ではないだろうか。よもや「田中日大」という鎖に繋がってはいないだろうが。

 かってオリンピックを始めとする国際大会代表選手選考は、「人が選手を選ぶ」図式であったが、主観(大人の事情)と実績で選ばれた選手が期待通りの成果を上げられないケースがあり、さらには競泳の千葉すず選手、マラソンの松野明美選手、小出義雄氏などから、選考方法に対する疑念が提起されたことから、現在では殆どの競技で「記録が選手を選ぶ」という一発選考形式に変化している。
 今回のモヤモヤを機に、主催者(毎日新聞・高野連)は大人の事情を廃するために、選抜基準を年間のポイント制にする等の改正が必要ではないだろうか。


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