もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

国会議員の除名を考える

2023年03月16日 | 野党

 遅しに失した感あるものの、当然のことながらガーシー議員が除名された。

 戦後3人目の除名処分とされているが、不登院を理由とする除名は初めてであるので不良議員除名のハードルが下がったことは喜ぶべきと思う。
 除名投票結果については、旧N党の浜田聡議員が反対、れいわ議員4名が欠席した他は賛成票を投じているので誰しもが積極的に不登院議員を擁護すべき理由を持たなかったものと思うが、紙面・テレビ・ネットでは多くの意見に交ってガーシー氏擁護の意見も散見される。
 ”反NHK”という単一論点政党の「N党」が政党要件を満たし、ガーシー氏が当選したことについて、東京工業大学の西田亮介准教授の「個人の不満感は千差万別であるために、その不満を既存政党への投票では解消できない有権者が伝統的な政治勢力とは異なる政党に投票することは、欧米各国で顕著にみられ日本でも平成20年代以降増加している」との分析は、考えさせられる。
 EU諸国では、地域の分離独立や移民排斥を主張する地域政党が乱立・伸長したことで、従来の2大政党持ち回りの政体が崩壊して久しいし、アメリカでも、民主・共和両党の内部は四分五裂の状態に変化していように思えるので近い将来には複数政党による連合政権となる可能性も捨てきれない。
 日本のこれまでは、単一主張の政党・候補者は「泡沫」と一括りにされ、それらが選ばれることも無かったが、今回のN党(現:政女党)の顛末や大阪都構想のみで結党された地域政党の大阪維新の会が、選挙を重ねるたびに脱皮して野党第一党も夢では無い現実を見ると、EUのように小党乱立・小党連立という日が来るかもしれない。

 単一論点政党が市民権を得る背景にはSNSの発展があるとされ、自分の不満解消にのみ合致するそれらを選ぶことは今後とも増えるだろうと観られている。
 これまでの政党は、不満点を主張する際にも併せて「何らかの改善策」を訴えることが一般的であったが、N党の顛末を眺めると「既存秩序の破壊」だけが目的であっても一定の支持が得られることを示しているように思える。
 これまでは、抑止力整備を外交強化に置き換え・代替するという「百年河清」政党を嗤っていたが、この手法は具体策なしでも一定の支持を得られるという今様で最新の戦術であるのかも知れない。
 今回、このような人を「トリックスター(秩序破壊者)」と表現するらしいことを知ったが、居酒屋談義ならいざ知らず、国政の場には跳梁して欲しくないものである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿