もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

ホンジュラス発の移民集団に思う

2018年10月25日 | アメリカ

 ホンジュラスを源流としてアメリカを目指している移民集団が、グァテマラを通過してメキシコ国境に到達した。

 メキシコは国境で入国を阻止しているが、人道的な配慮から婦女子を優先して難民申請の受理を始めたと報じられている。移民集団の存在が報道され始めた頃は2000人程度であったが、各集団が合同したりグァテマラ領内で合流したりと、現在では7000人規模に膨れ上がっており、国連の発表では1万人以上ともされている。一方、最終目的地とされるアメリカは、当該集団が経済難民であること、中東住民の混在が疑われること、集団の移動にベネズエラ左翼政権が関与している疑いを理由として、当初から入国拒否・断固阻止を表明しているため、アメリカに入国できる可能性は極めて低いとみられている。メキシコにしても大量の移民を受け入れる素地は無く、難民申請を認めた者を除いて強制送還せざるを得ないものと考えられる。今回のような大量移動ではないものの、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの中米3国からの不法移民流出は2010年以降断続的に続いており、アメリカが不法移民にも比較的寛容であった民主党のオバマ政権であったことから、アメリカに入国できた者も少なくないとされており、密入国のルートと相場が確立していたのではないだろうかと推測する。前記3国は、最貧国に数えられるとともに凶悪犯罪発生率でも世界の5指にランク付けされるほど経済・治安が悪化しており、より良い生活とより安全な地域を求めて移民(難民)を目指すことは、彼等にとって死活問題であろうことは容易に推測できる。また、キューバやシリアが行ったように、国内の不平分子や犯罪者が難民の名の下に国外に脱出することを黙認(或いは奨励・強制)する例は多いので、今回のように略奪行為を働くことなく長期間の移動に耐え、暴徒化せずに組織だった行動を執る背景には、移民流出国と通過国の意志やユニセフ以外の勢力の支援が疑われるのは当然かとも思う。 

 民族の移動と言えば、1000年余を掛けてヨーロッパを席巻した「ゲルマン民族の大移動」や「モーゼの出エジプト」が思い起こされるが、規模は小さいながらも今回の移民行動は民族の移動とも呼ぶべきものではないだろうか。「行くも地獄・留まるも地獄」の立場に立たされた場合、自分はどうするのだろうかと考えたが結論までには至らなかった。いや、考えるのを途中で止めたのが本音である。


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