人類月に立つ

9月3日（土）8時50分に起きて、雨戸を開けると、真っ青な空。台風11号

の影響で雨の予報だったのに～、と空を見上げる。お昼ごろから曇ってきたが、

すぐお隣の大阪市,奈良県には大雨警報が出ているけど。こちらでは今のところ

降る気配なし。

道路沿いのプランターのジニアやミニヒマワリの花が終わって見苦しくなって

きたので、引っこ抜いて処分し始める。根がしっかり張っているので、抜くの

はかなり重労働。春のパンジー、ビオラを植え付けるまで殺風景で寂しくなる。

 

人様の者を盗むのは卑しい犯罪行為だが、中でも最も憎むべきドロボーと思う

のは、手塩のかけて育てた果物（農作物）などを盗む犯罪だ。

丹精して育てたメロンやスイカ、桃などが、一夜にしてごっそり盗まれたニュ

ースは、よく報じられているが、本当に悲しく、腹が立つ。農家の生まれなの

で、百姓が手塩にかけて作物を育てる苦労は並大抵ではないことがわかる。種

をまいてから半年以上、文字通り寝食を共にするように苦労して慈しみ育て、

やっと迎えた収穫時期。さあ出荷しようと喜んでいるとき、一夜でごっそり取

られた悔しさは、いかばかりだろう。

 

4日（日）8時50分に起きる。雨戸を開けるとからりと晴れ上がり、

青空が眩しく蒸し暑い。台風11号が沖縄近海から西日本を狙うよう

に針路を北寄りにとっているのに、この晴天はどうだ。

 

2度目の人類の月面到着目指すNASA（米航空宇宙局）のアルテミス

計画」のロケット打ち上げは、三度延期された。5３年前の1969年、

アポロ11号が初めて月面に到達、人類が第一歩をしるした時、ある

新聞は「人類月に立つ」と大見出しで報じた。ちょうど新聞社で、紙

面編集に携わっていた時で、この見事な見出しを見た時、「参った！」

と悔しがったことを覚えている。

人類月に立つ…人類誕生して数十万年の中で、初めて地球外の天体に立

った「歴史的大事件」を、これほど的確で平易な表現が他にあろうか。

壮大な宇宙への第一歩を踏み出したしびれるような感動を、実感させる

ではないか。

「人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ」

月面に降り立ったアームストロング船長の第一声とともに、長く記憶の

残っている。

 

   詩人・茨木のり子さんは、「外からの地球」を見て、感性豊かに謳う。

　　宇宙の漆黒の闇のなかを

　　ひっそりまわる水の星

　　まわりには仲間もなく親戚もなく

　　まるで孤独な星なんだ   

 

　　生まれてこのかた

　　何に一番驚いたかと言えば

　　水一滴もこぼさずに廻る地球を

　　外からパチリと写した一枚の写真

 

　　こういうところに棲んでいましたか　

　　これを見なかった昔のひととは

　　線引きできるほどの意識の差が出てくる筈なのに

　　みんなわりあいぼんやりとしている　　（以下略）

詩集「倚りかからず」（ちくま文庫）の「水の星」から抜粋。

　

NASAの2回目の月面到達は202５年、日本も10年後には月到達を目指し

ているという。「人類再び月に立つ」・・・3年後の25年はひょっとした

ら見られるかもしれないが、10年後はもう無理だろう、多分。

 

 　　　　　「人類月に立つ」

漆黒の中に浮かぶ「水の星地球」初めて見ると誰だって驚き感動する。