ＮＨＫという国家機関が大日本原発帝国のプロパガンダに専心していることは今さら言うまでもなが、現時点での彼らが採用しているのは、原発再稼働が阻まれたから電力が不足し、それが多くの災厄をもたらすというストーリーを作り上げ、不安と罪悪感をあおりつつ玄海をはじめとする原発再稼働につなげてゆく戦略だ。では、電力不足がもたらす最大の災厄は何か？それはむろん人の死である。
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毎年の夏と同様、すでにご老人を中心に熱中症でなくなる方が出はじめた。しかし今年は、もっと困ったことがある、それは、名づけて「節電熱中症」（このネーミングは7月12日9時のＮＨＫニュースではパネル見出しで提示されたが、対応するＨＰ記事には出てこない）。
すなわち、節電への志向・努力が熱中症を増加させ深刻化させている・・・・意地を張らないで、全国の原発をブンブン回してエアコンをびしっときかせれば、問題はないんですがねえー。
ＮＨＫは寝たきりのご老人で、節電のためエアコンの設定温度を下げたために熱中症になってしまった方を映し出した。彼女は記者に向かって、節電に協力しようと思ったが、熱を出してしまった、と申し訳なさそうに言う。そしてＮＨＫは、「専門家」を引っ張り出して、ありがたいお叱りをちょうだいし、お年寄りがこの猛暑の時にエアコンの節電をする愚劣さをあげつらう。独占メディアならではの傲慢さを隠そうともせず、楽しげに喜々として。
こうして脱原発を願う私たちは二重に罰せられる。第一に、この寝たきりご老人に、死のリスクのある節電を強いたことに対して。そして第二に、「ホーシャノーこわい！」という「風評」に惑わされて「ヒステリー」になり、大切な電気を作ってくれるありがたい原発さんの再稼働に反対したことに対して。原子炉の構造や放射線に関する情報操作と隠ぺいの後、わが大日本原発帝国の国営放送がもくろむのは、私たちの心の操作なのである。
しかし、ちょっと考えてくれ。私たちが原発再稼働に反対し、自分たちでもさまざまな節電努力をして原発依存から縁を切ろうとしたとしても、いったい私たちが寝たきりの老人に向かってまで、エアコンの節電をしろと要求したことなどあったろうか。こうした人たちは、言うまでもなく必要なだけエアコンを使っていいし、他に暑さを乗り切る手段がないなら、使うべきなのだ。こうした人たちにまで「節電」を意識させたのは、ＮＨＫなどのプロパガンダ機関が、電力不足のオオカミの到来を予告し、その時のカタストロフのイメージで人々を脅してきたからではないか。もしかしたら、取材されたご老人は、私たちと同じように原発がいやだったのかもしれない。だから、原発を再稼働させないために、自分にもできる努力を、私たちと同じようにしたかったのかもしれない。さらにまた、地震で被災した方たちの困難な生活や、原発苦で自殺した農家や酪農家の人たち、放射線におびえる福島の親子たちの迷いや不安や苦しみを、ひとごとではないと感じ、自分もある程度の不自由を我慢するのは当然と思われたのかもしれない。ＮＨＫのような国家権力を背景にした公的言説生産機関の腹黒さ・いやらしさの極めつけは、こうした個人のささやかな善意・共感・努力を、誤ったくだらないものと叱りつけて切り捨てることだ。そしてＮＨＫは、こうして作り出した「愚かな弱者」のイメージを盾にして、今度は、脱原発をもとめて節電したり（そしてＮＨＫを批判したり）する生意気な弱者を追い込む。あなたたちが、かっこよく率先しておっしゃっている脱原発は、結局は一番の弱者の命を奪うことになる。あなたたちは、たかが「ただちに健康に影響はない」程度の放射線で大騒ぎして、かわいそうなご老人の命を縮めている。10年後20年後あなたたちの数パーセントが原発放射線で死ぬことになる、それがなんだ。タバコだ、酒だ、メタボだ、大気汚染だ、あなたたちの豊かな暮らしには死の要因が満ち満ちている。人はすべて死す、という厳粛な事実も忘れて、軽薄に脱原発を唱え、このかわいそうな老人たちを今現在、死に追い込むのは、テレビの前のあなたたちだ！
こんな罪悪感キャンペーンで私たちがビビってしまうとでも思っているところが、報道管制国家官僚たちのマヌケなところだ。熱中症の危険のあるご老人は、必要なだけ電気を使ってください、節電のほうは、ＮＨＫや他の放送局が放送時間を必要なだけ短縮すればいくらでもできます、と、ＮＨＫは決して言わない。すでに、大きなデパートが休業したり、工場が休みをずらしたりしてますから、どうかご心配なく、それに、みんなで長めの夏のバカンスを取ったっていいではないですか、とＮＨＫは決して言わない。そう言うと、原発再稼働への道を開くという、プロパガンダの目的が台なしになるからだ。
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毎年の夏と同様、すでにご老人を中心に熱中症でなくなる方が出はじめた。しかし今年は、もっと困ったことがある、それは、名づけて「節電熱中症」（このネーミングは7月12日9時のＮＨＫニュースではパネル見出しで提示されたが、対応するＨＰ記事には出てこない）。
すなわち、節電への志向・努力が熱中症を増加させ深刻化させている・・・・意地を張らないで、全国の原発をブンブン回してエアコンをびしっときかせれば、問題はないんですがねえー。
ＮＨＫは寝たきりのご老人で、節電のためエアコンの設定温度を下げたために熱中症になってしまった方を映し出した。彼女は記者に向かって、節電に協力しようと思ったが、熱を出してしまった、と申し訳なさそうに言う。そしてＮＨＫは、「専門家」を引っ張り出して、ありがたいお叱りをちょうだいし、お年寄りがこの猛暑の時にエアコンの節電をする愚劣さをあげつらう。独占メディアならではの傲慢さを隠そうともせず、楽しげに喜々として。
こうして脱原発を願う私たちは二重に罰せられる。第一に、この寝たきりご老人に、死のリスクのある節電を強いたことに対して。そして第二に、「ホーシャノーこわい！」という「風評」に惑わされて「ヒステリー」になり、大切な電気を作ってくれるありがたい原発さんの再稼働に反対したことに対して。原子炉の構造や放射線に関する情報操作と隠ぺいの後、わが大日本原発帝国の国営放送がもくろむのは、私たちの心の操作なのである。
しかし、ちょっと考えてくれ。私たちが原発再稼働に反対し、自分たちでもさまざまな節電努力をして原発依存から縁を切ろうとしたとしても、いったい私たちが寝たきりの老人に向かってまで、エアコンの節電をしろと要求したことなどあったろうか。こうした人たちは、言うまでもなく必要なだけエアコンを使っていいし、他に暑さを乗り切る手段がないなら、使うべきなのだ。こうした人たちにまで「節電」を意識させたのは、ＮＨＫなどのプロパガンダ機関が、電力不足のオオカミの到来を予告し、その時のカタストロフのイメージで人々を脅してきたからではないか。もしかしたら、取材されたご老人は、私たちと同じように原発がいやだったのかもしれない。だから、原発を再稼働させないために、自分にもできる努力を、私たちと同じようにしたかったのかもしれない。さらにまた、地震で被災した方たちの困難な生活や、原発苦で自殺した農家や酪農家の人たち、放射線におびえる福島の親子たちの迷いや不安や苦しみを、ひとごとではないと感じ、自分もある程度の不自由を我慢するのは当然と思われたのかもしれない。ＮＨＫのような国家権力を背景にした公的言説生産機関の腹黒さ・いやらしさの極めつけは、こうした個人のささやかな善意・共感・努力を、誤ったくだらないものと叱りつけて切り捨てることだ。そしてＮＨＫは、こうして作り出した「愚かな弱者」のイメージを盾にして、今度は、脱原発をもとめて節電したり（そしてＮＨＫを批判したり）する生意気な弱者を追い込む。あなたたちが、かっこよく率先しておっしゃっている脱原発は、結局は一番の弱者の命を奪うことになる。あなたたちは、たかが「ただちに健康に影響はない」程度の放射線で大騒ぎして、かわいそうなご老人の命を縮めている。10年後20年後あなたたちの数パーセントが原発放射線で死ぬことになる、それがなんだ。タバコだ、酒だ、メタボだ、大気汚染だ、あなたたちの豊かな暮らしには死の要因が満ち満ちている。人はすべて死す、という厳粛な事実も忘れて、軽薄に脱原発を唱え、このかわいそうな老人たちを今現在、死に追い込むのは、テレビの前のあなたたちだ！
こんな罪悪感キャンペーンで私たちがビビってしまうとでも思っているところが、報道管制国家官僚たちのマヌケなところだ。熱中症の危険のあるご老人は、必要なだけ電気を使ってください、節電のほうは、ＮＨＫや他の放送局が放送時間を必要なだけ短縮すればいくらでもできます、と、ＮＨＫは決して言わない。すでに、大きなデパートが休業したり、工場が休みをずらしたりしてますから、どうかご心配なく、それに、みんなで長めの夏のバカンスを取ったっていいではないですか、とＮＨＫは決して言わない。そう言うと、原発再稼働への道を開くという、プロパガンダの目的が台なしになるからだ。
