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佐々木まゆみのよりあいnet

日々の暮らしの気になるあれこれ

市民生活の社会インフラとしての図書館 その②

2018-02-06 22:22:18 | 暮らし
東日本大震災とその後の原発事故で
甚大な被害を受けた南相馬市。
日常的なものを取り戻す一つの方法として
再開した南相馬市立図書館は
「自分たちがまちをつくっていくという気概」を
市民が持てる場となることを目標としました。

職場から離れざるを得ない職員もいたため
残ったみんなで作っていかなければ
立ちいかないという状況のなか
嘱託職員にも権限を持たせて合意形成を図りながら
市民の声に応えるべく最大限の努力をしてきたということです。

「震災で我慢を強いられてきた
子どもたちのために」を重点目標とし
あらゆる年齢の子どもたちに
本と触れる環境を創りだす事業を
次々と実施しています。
「絵本」「赤ちゃん絵本」
「ものがたり」「やさしいおはなし」
「むかしばなし」「かみしばい」と
6種類ものブックリスト「本となかよし」を
発行しているのもその一環です。
図書館内だけではなく市内の全小・中学校に
学校図書館支援事業として支援員を派遣し
職員と連携しながら読書活動を推進するサポートをしています。

図書館に来ない、または来れない人へのアウトリーチとして
2018年から移動図書サービスをはじめています。
本の貸し出しだけではなく
「本を媒体としたコミュニティづくり」と位置づけ
子どもの読書活動の推進として
幼稚・保育園10か所
災害公営住宅入居者への読書活動支援と
戸外への誘導として5か所
図書館まで距離のある郊外の高齢者等への
読書活動継続の支援として
学習センター・老人ホーム等7か所を巡回しています。
保健師を同乗し高齢者の健康状態を見るため血圧測定や
相談にも応じたりするという
いくつもの課を横断的につないだ行政サービスです。

宇治市で平成28年に実施された
図書館利用者アンケートで最も多く寄せられたのが
図書館へのアクセス・立地等に関する要望・意見です。
「高齢になると行くのが大変」「遠すぎる」
「交通の便が悪く利用したくてもできない」
などの声が多く上がっています。
それと合わせて、移動図書館を望む声もあります。
宇治市にもかつては移動図書館「そよかぜ号」が巡回していましたが
平成15年に廃止されました。
どういう理由で廃止されたのかは調べていませんが
高齢の方や子育て中の方が多く住む地域や
体の不自由な方も身近な場所で
移動図書館が定期的に来ることで
読書活動の支援ができます。
出前カフェなどを併設すれば
地域の方が集う機会にもなります。

日本図書館協会が策定している
「公共図書館の任務と目標」には
「住民はだれでも,どこに住んでいても,
図書館サービスを受ける権利をもっている。
自治体は,その区域のすみずみまで
図書館サービスが均質に行きわたるように
努めなければならない。」とあり、
「地域館及び中央館のサービス圏内に
含まれない地域の住民に対しては,
移動図書館の巡回を行う。
移動図書館は,図書館のはたらきを
住民にとって身近なものとし,
図書館システムの形成を促進するために
重要な役割をもっている。」とあります。

公立図書館は、
国民の知る自由を保障する機関です。
知ることでしか人は選択したり
行動に移したりすることはできません。
誰にとっても利用しやすく
必要な情報を得ることが生きやすさや
暮らしやすさにつながることを実感できる
そんな知る権利を具現化できる図書館が
わたしは欲しいです。

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