佐々木まゆみのよりあいnet

日々の暮らしの気になるあれこれ

「こわいよ~」を口に出す効用

2018-06-20 00:42:59 | 暮らし
6月18日の朝の地震には、本当に驚きました。
他の場所では起こっても、自分のところには
起こらないと思ってしまうのが災害の怖いところ。
不意打ちをくらって、おたおたしてしまいます。

最初の激しい揺れも怖かったけれど
来るかもと思いながらの余震は、もっと怖いと知りました。
facebookやメッセージで無事を確認しながら
「こわかったよ~(ToT)」って何人にも伝えるうちに
少しずつ大丈夫になりました。
感じたことを言葉に出すことで
かなり楽になるという経験をしました。

わたしは、どちらかというと感じたことを口にするのが苦手です。
特に「悲しい」「つらい」「こわい」という気持ちを口にすると
ただでさえ落ち込みが激しい方なのでその感情に囚われてしまい
それ以上前に進めなくなりそうな気がしてしまうからです。
自分で自分をサルベージできなくなる不安もあります。

でも今回、怖いことを「こわいよ~」と誰かに伝えることで
少しその気持ちが自分の外に出ていって楽になることを実感しました。
そして同時に、「大丈夫やった?」と
気にかけてくれている人がいることのありがたさも身に染みました。
そんなひとつひとつのことから
「やっぱり多くの人に支えられて生きているんだなぁ」って素直に思えました。

人と人とのつながりは、
きっとお金よりずっと暮らしと気持ちを豊かにしてくれる。
そんな気持ちを忘れないで、毎日を送りたいと思います。


市民生活の社会インフラとしての図書館 その②

2018-02-06 22:22:18 | 暮らし
東日本大震災とその後の原発事故で
甚大な被害を受けた南相馬市。
日常的なものを取り戻す一つの方法として
再開した南相馬市立図書館は
「自分たちがまちをつくっていくという気概」を
市民が持てる場となることを目標としました。

職場から離れざるを得ない職員もいたため
残ったみんなで作っていかなければ
立ちいかないという状況のなか
嘱託職員にも権限を持たせて合意形成を図りながら
市民の声に応えるべく最大限の努力をしてきたということです。

「震災で我慢を強いられてきた
子どもたちのために」を重点目標とし
あらゆる年齢の子どもたちに
本と触れる環境を創りだす事業を
次々と実施しています。
「絵本」「赤ちゃん絵本」
「ものがたり」「やさしいおはなし」
「むかしばなし」「かみしばい」と
6種類ものブックリスト「本となかよし」を
発行しているのもその一環です。
図書館内だけではなく市内の全小・中学校に
学校図書館支援事業として支援員を派遣し
職員と連携しながら読書活動を推進するサポートをしています。

図書館に来ない、または来れない人へのアウトリーチとして
2018年から移動図書サービスをはじめています。
本の貸し出しだけではなく
「本を媒体としたコミュニティづくり」と位置づけ
子どもの読書活動の推進として
幼稚・保育園10か所
災害公営住宅入居者への読書活動支援と
戸外への誘導として5か所
図書館まで距離のある郊外の高齢者等への
読書活動継続の支援として
学習センター・老人ホーム等7か所を巡回しています。
保健師を同乗し高齢者の健康状態を見るため血圧測定や
相談にも応じたりするという
いくつもの課を横断的につないだ行政サービスです。

宇治市で平成28年に実施された
図書館利用者アンケートで最も多く寄せられたのが
図書館へのアクセス・立地等に関する要望・意見です。
「高齢になると行くのが大変」「遠すぎる」
「交通の便が悪く利用したくてもできない」
などの声が多く上がっています。
それと合わせて、移動図書館を望む声もあります。
宇治市にもかつては移動図書館「そよかぜ号」が巡回していましたが
平成15年に廃止されました。
どういう理由で廃止されたのかは調べていませんが
高齢の方や子育て中の方が多く住む地域や
体の不自由な方も身近な場所で
移動図書館が定期的に来ることで
読書活動の支援ができます。
出前カフェなどを併設すれば
地域の方が集う機会にもなります。

日本図書館協会が策定している
「公共図書館の任務と目標」には
「住民はだれでも,どこに住んでいても,
図書館サービスを受ける権利をもっている。
自治体は,その区域のすみずみまで
図書館サービスが均質に行きわたるように
努めなければならない。」とあり、
「地域館及び中央館のサービス圏内に
含まれない地域の住民に対しては,
移動図書館の巡回を行う。
移動図書館は,図書館のはたらきを
住民にとって身近なものとし,
図書館システムの形成を促進するために
重要な役割をもっている。」とあります。

公立図書館は、
国民の知る自由を保障する機関です。
知ることでしか人は選択したり
行動に移したりすることはできません。
誰にとっても利用しやすく
必要な情報を得ることが生きやすさや
暮らしやすさにつながることを実感できる
そんな知る権利を具現化できる図書館が
わたしは欲しいです。

市民生活の社会インフラとしての図書館 その①

2018-02-01 22:58:36 | 暮らし
今年の目標のひとつに
「本をたくさん読む」と決めています。
本を読むのは好きなことのひとつですが
好きなものに偏りがちになってしまうので
これまで知らなかった作家や分野の本も
どんどん読んでいこうと思っています。
ので、おススメがあればぜひお知らせください。

先日、龍谷大学院での公開講演会に参加しました。
テーマは「復興における学びと図書館の役割」。
講師は南相馬市教育委員会の庄子まゆみさんでした。
「復興」と「図書館」がどのように結びつくのかを
知りたくて参加しましたがとても印象深い内容だったので
メモ代わりに書いておきます。

福島県南相馬市は平成18年に1市2町が合併し
原発から25キロに市役所があり
東日本大震災前の人口は71,561人。
関連死も含めると1,142人の方が津波被害で亡くなり
住家被害にあったのは全世帯の22%を占める5,310世帯。
現在の市内居住人口は58,519人。
小中学校の児童・生徒数も74%まで戻ってきたという。

市民からの「図書館を開けてほしい」という要望で
図書館を再開したのは震災からわずか約5か月後の8月9日。
まだ24時間体制で災害本部が動き
職員たちも避難所へ出向いていたので
「なぜ軽度の作業に人手を回すのか」
という声も上がったという。

震災の「一番の被害者」であるこどもたちに
「学びたいと思う環境」を提供することを図書館の最大の課題とし
「被災地の公共図書館の当然の責務」として
震災・原子力災害に関する資料に取り組む
南相馬市中央図書館は聴けば聞くほど
「こんなのほしい!」と思わせるような魅力的な場所でした。

平成21年にできたこの図書館は
20年にもわたる市民運動によって開館したものであり
市民の意見を多く取り入れてつくられました。
JR駅前という非常にアクセスが良い立地で
開館時間は平日が9時半から夜8時、土・日は夕方5時まで。
蔵書数は約30万点、新聞・雑誌タイトル数324で
平成28年度の市民1人あたりの貸し出し点数は6.64点。
(宇治市の市民1人あたりの貸し出し点数は4.34点)

ゆったりとした閲覧席が620もあり
学生の勉強に対してもオープン。
子どもと大人の図書を分けて配架し
子どもが騒いでも叱らない。
BGMが流れピアノが置いてあり
コンサートを定期的に実施している。
テラス席では飲食もオッケーで
館内に併設したカフェは障害者団体による運営。

あくまで利用者の立場で使い良さを考え
1日中過ごせる居心地の良い
滞在型図書館として設計された図書館が
震災後にまちをつくっていく市民の
中心となる場所となっていくには
信念をもって使命を成し遂げようとする
職員たちの存在がありました。

次は、なぜこのような図書館づくりが可能となったのかと、
市民生活に必要な図書館の役割について書きますね。

「災害は忘れず必ずやって来る」

2017-06-27 01:53:47 | 暮らし


6月25日(日)に生涯学習センターで行われた
「自治会・町内会長交流会」にボランティアで
スタッフとしてお手伝いに行きました。
一般社団法人町内会・自治会支援機構の主催で
今年で第8回目だそうです。
さまざまな地域の町内会長さんたちが集まるので
多様な地域の取り組みを知ることができます。
宇治市には600ほどの町内会がありますが参加者は約100人。

講演の後、グループディスカッションをし
最後に討議内容を発表するという内容でした。
講演されたのは、前宇治市長の久保田勇さん。
宇治川の歴史や5年前の宇治市豪雨災害の話など
とても興味深く聴かせていただきました。
わたしは宇治市の住民になって30年以上になりますが
はじめて知ったことが多くあったので
メモ代わりに書いておきます。

・琵琶湖に流入する河川は460本あるが
 宇治川は琵琶湖から流出する唯一の河川
・瀬田川⇒宇治川⇒淀川と名前を変え、大阪湾に注ぐ
・歴史的には東宇治は多くの水害が起きている
・現在の宇治橋は30代目(646年~)何度も流されている
・巨椋池は山中湖の1.2倍あり、国が手掛けた干拓工事の第1号

・昭和28年9月28日 
 台風13号で観月橋下流2キロが決壊し、約1か月農地が冠水
 今は住宅地で2万世帯5万人が居住

・平成24年8月 宇治市豪雨災害
 総雨量311ミリ  最大時間雨量78.5ミリ
 死者2名 家屋全壊31戸
 宇治川東部に被害が多発
 49日間災害本部を設置
 復興費43億円
 中小河川の氾濫が多く起こる
 60年ぶりの災害で経験のある職員がいない
 
宇治の歴史は秀吉のころからずっと
水害とたたかってきた歴史でもあるんですね。
「災害は忘れず必ずやって来る」
これも久保田さんの言葉です。
防災は、どこに住んでいようが必要なものです。
「地名から土地の過去を知ることが大事」という言葉に
参加したみなさんは熱心に耳を傾けておられました。

国がザードマップの修正をしました。
いずれみなさんの手元にも届くと思いますが
しっかりと自分の住んでいる地域を知ることが
防災の第一歩かもしれません。


暮らしの情報は「使いやすさ」が一番

2017-02-07 19:56:09 | 暮らし
わたしが暮らす宇治にはタブロイド判の
地元紙が2紙あり、身近なニュースを伝えています。
両方とっているので読み比べてみるのも楽しみです。

1月25日に「中学校給食 実施へ」(洛南タイムス)
「宇治市教委 中学校給食実施へ」(城南新報)と
いずれも1面トップに大きくあったのを目にして
「ああ、やっと」という思いがしました。
12月の市長選で3人の候補者全員が
中学校給食の実施を公約に掲げていただけに
どうなるのか注目していましたが
絶妙なタイミングで出された請願も採択され
いよいよ実施の方向に動き出しました。
全国の中学校の約82%が実施しているのに
宇治市ではなかったのが不思議なくらいでしたが
保護者の方たちの署名集めなどの
継続した活動が市政に方向転換をもたらす
大きな力となったと思います。

今朝の1面の記事で目を引いたのは
「市民カレンダー廃止検討」の記事です。
市は1984年から発行し全戸配布している
「市民カレンダーと手びき」を2017年度までで
廃止を検討しているとのこと。
市民カレンダーは、各月に行事予定表が、
そして後ろには公共施設や災害避難所などのマップ、
各種相談窓口や検診と予防接種の年間日程など
役立つ情報が多く掲載されています。
市の施設や官公署の電話帳代わりにもなるので
とても便利で使い勝手がよいものです。
廃止後、これらの情報はこの秋からA4版になる
「市政だより」に掲載するということですが
月に2回発行される「市政だより」の
どの号に載っていたのか探すより
年間を通じて同じ場所にかけてある
カレンダーだからこその使いやすさがあると思います。

市民カレンダーを廃止することで
約400万円が削減されるということです。
それに引き替え、市政だよりをA4版にすることで
増える経費は約1400万円。
報告があった総務常任委員会の委員からも
賛否両論の意見が出ているそうですが
どちらか選べと言われたら、わたしは
「市政だよりは今のままでいいから、
カレンダーは残してほしい」と答えます。

情報は、まとめられている方が使いやすくて便利です。
すべての市民に届くものだからこそ
使いやすさを第一に考えてほしいと思います。


「まちづくり通信」持って、東へ西へ

2015-03-26 01:45:47 | 暮らし

春だというのにまだまだ寒いです。

「まちづくり通信」を配布しながら
地域のことを聞かせていただくために
あちこちに足を運んでいます。

初めてお会いする方でも
地域のことや暮らしのことをお尋ねすると
日ごろから感じている暮らしにくさや
地域が抱える問題について
いろいろ話していただけます。

高齢化や交通の便の悪さは
共通の問題としてよくお聞きしますが
水害の被害が大きかった地域では
より深刻な問題として立ち上がってきます。

地域の問題を一番よく知っているのは
その地域で暮らす人たちであり
困難な状況に陥ったときに
どのような支援が必要かわかるのは
その支援を受ける当事者の人たちです。

こんなまちにしたい、こんな暮らしがしたいという
生活者である市民の意思から出発し
予算をつけ政策として実現することで
誰もが暮らしやすさを実感できる宇治へと
変えていくことができます。

これからも、あちこちに出没します。
あなたが日ごろ感じていることを
ぜひ、聞かせてください。





1日遅れのあったかクリスマス

2014-12-27 01:39:56 | 暮らし
ゆめハウスさんの
一日遅れのクリスマス会に行きました。

みんなが腕を振るったご馳走をいっぱい食べて
アップルパイやケーキに
ヒロさんがいれる大豆コーヒー。
何を食べてもおいしいので
ここに来ると、いつも食べすぎてしまいます。

ゆめハウスは、障がいがある人が
地域で安心して、当たり前に暮らせる社会をめざし
就労継続支援B型事業として運営されています。

お菓子づくり、編み物やビーズ製品の制作、
福祉会館などの清掃、
毎週金曜日のゆめランチの提供
さまざまなイベントでの出前カフェなど
いつもとても忙しそうです。

そして、地域の人をはじめ
いろんな人が出入りして
いつも笑い声がたえません。

そんなゆめハウスは、わたしにとって
どんな時でもほっこりできる
とても大切な場所。

クリスマス会では
オカリナ、一五一会(ギターと三線を合わせたような楽器)、
サックス、ハープ、得意な楽器を演奏したり
とっても面白い朗読劇に笑い転げたり
みんなでつくった「ゆめハウスの歌」を歌ったり
楽しくて、あったかい時間を過ごしました。

わたしも、歌をうたいました。
「上を向いて歩こう」の替え歌です。

 ♪「前を向いて歩こう
   涙がこぼれてもいいじゃないか
   泣きながら歩く
   ひとりぼっちじゃなかった夜

   しあわせは 空の上にはないよ
   しあわせは この胸の中に」

ゆめハウスは、この歌のように
わたしに前に進む力をくれる場所です。

シェアすることで得られるもの

2014-11-18 22:38:43 | 暮らし
広めの古い一軒家をシェアして暮らしはじめて
2年以上になります。
予想以上に、とてもいい住み心地です。

もともと知り合いだった人たちばかり
10代の中学生から50代のわたしまで
年代がバラバラな5人で住んでいます。

それぞれの独立した部屋プラス
広めのダイニング+誰でも使える余間があります。
大家さんが建築関係のお仕事だったせいか
いたるところに収納や棚があって使いやすいです。
照明や家具も置いて行ってくれたので
引っ越しの時に何ひとつ買い揃えなくてすみました。

光熱費と家賃でわたしの家賃は毎月3万円。
食事は当番制です。

よりあって暮らして感じるのは
とにかく省エネが実践できるということです。
洗濯機、冷蔵庫、テレビなど
本来なら家々にあるものが1台ですみます。

ひとりひとりがモノを所有するより、
ひとつのものをみんなでシェアすることで
ずいぶんと無駄がなくなります。

倉敷の実家に帰ったときには
地元の商店街に「みんなの本棚」がありました。
そういえば、大吉山の展望台にも
「みんなの傘」が置いてあったような記憶があります。

「みんなのクローゼット」、「みんなの道具箱」、
「みんなの食器棚」なんかもいいかもしれません。

モノをシェアするのに必要なのは、信頼感だと思います。
Facebookで情報をシェアするように
モノをシェアすることで得られるものは、
きっと多くあるような気がします。
そして、モノを所有しなくてすむぶん
身軽になれるような気がします。

住民による住民のための地域づくり

2014-10-20 01:12:35 | 暮らし
友人5人ほどで集まったときに、
それぞれが住んでいる町内の話題になりました。

「今の町内に住んで2年以上になるけど、
 いまだに集会場がどこにあるのか知らない」
「町内会長にあたった年に、初めて集会場ができ
 みんなに場所を知ってもらうためにバザーをやったら
 手伝ってくれた高齢の方にとても喜ばれた」
「町内会の役にあたると、配食サービスの注文や配達も担当する」
「隣が地域福祉センターなので、お風呂もあって
 高齢の方たちは、楽しみにして行っている」
「町内に中学生の子どもが2人いるだけなので
 大人ばかりの地蔵盆をやっている」 などなど。

当たり前だけど、住んでいる地域によってずいぶん違います。

わたしは、今住んでいる町内に越してきて2年が過ぎました。
近くの公園は、遊ぶ子どももいないせいか、草ぼうぼうの状態です。
高齢の方が多く、顔を合わす機会は、
ゴミ出しのときくらいしかありませんが
それでも、少しずつ挨拶できる人が増えました。

今日は、学区福祉委員会による福祉バザーをのぞきに
近くのふれあいセンターへ行ってきました。
近所で見かける方も福祉委員さんとして活動されているのか
揃いのスタッフジャンバーで売っておられました。

学区福祉委員会は、市内にある22の小学校区ごとにつくられた
地域福祉推進のための住民組織です。
すべての小学校区にあり、福祉委員さんの数は、
平成22年10月現在で、約1,800人だそうです。
地域での一人暮らし老人の見守りや訪問活動、
地元小学校との交流事業など、多彩な事業をされています。

地域で活動する多くの方たちの姿を見ると
何だか少し安心します。
それはきっと、何かあったら
「助けて」と言えるかもしれないという
安心感なのかもしれません。

そして、住民の視点でとらえた地域の問題を
自ら動くことによって解決しようとする気持ちが
いきいきとした表情をとおして
伝わってくるからかもしれません。