4月1日から宇治市でも性同一障害など
性的マイノリティの人への配慮の一環として
印鑑登録証明書と住民票記載事項証明書で
性別蘭の記載をしなくてもよくなります。
総務省が2016年12月に性別蘭の記載がなくても
「差し支えない」との見解を示す通知を出してから
続々と性別蘭撤廃をする市町村が増えているなか
昨年の12月議会で「宇治市印鑑条例」の改定が可決され
印鑑登録原票(第6条)にあった「男女の別」が
削除されることとなりました。
性的マイノリティ=性的少数者(以下LGBT)は
L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)の
恋愛対象など性的指向の違いと
T(トランスジェンダー)性同一性障害などで
身体的な性別と性自認が一致しない人を指します。
自治体が同性カップルなどをパートナーとして公的に認める
「パートナーシップ証明制度」を導入しているのは
東京都渋谷区、世田谷区、三重県伊賀市、
兵庫県宝塚市、那覇市、札幌市の6自治体。
渋谷区は議会議決の必要な条例で
その他は要綱で定めています。
条例は法令の一部ですが
要綱は首長の権限で発行することができ
事務作業などに不公平が出ないように
まとめて書かれたマニュアルにあたります。
制度はないけれども当事者を支援する
「LGBT支援宣言」をしているのは6自治体。
LGBTへの理解を広め差別をなくしていく具体的な活動として
市職員への研修や行政窓口の対応マニュアルの作成、
学校教育の場で活用するパンフレット作成や
トイレ表示の見直し、相談窓口や
コミュニティスペースの設置などに取り組んでいます。
○大阪市淀川区:「LGBT支援宣言」(2013年9月)
○横浜市:「性的少数者支援事業」(2015年11月)
○岐阜県関市:「LGBTフレンドリー宣言」(2016年10月)
○沖縄県浦添市:「レインボー都市うらそえ宣言」(2017年1月)
○愛知県豊明市:「LGBTともに生きる宣言」(2017年8月)
○滋賀県大津市:「おおつレインボー宣言」(2017年12月)
LGBTに関する取り組みが少しずつではあるけれど
進んでいる原因のひとつに2020年の
東京オリンピック・パラリンピックの開催があります。
2014年12月に国際オリンピック委員会は
「オリンピック憲章に性的指向による差別禁止を盛り込む」
と総会で決議しました。
LGBTを差別する国は開催にふさわしくないとされ
差別の解消が必要条件となりました。
2014年のソチ五輪では開催国のロシアが
2013年に制定した「反同性愛法」や
LGBTに対する人権侵害への抗議から
アメリカのオバマ大統領をはじめ
フランスのオランド大統領、ドイツのガウク大統領など
欧米の首脳が開幕式を欠席しました。
2016年のリオ五輪では金メダリストを含む
50人以上の選手がLGBTであることを表明し
平昌冬季オリンピックでも選手15人がLGBTであることを表明しました。
G7で同性カップルへの法的保護がない国は日本だけです。
これから日本がどのように多様性を
受け入れていくのかを世界が注目しています。
長岡京市議会議員が昨年の12月定例会本会議の一般質問で
LGBTの社会的課題への対応について取り上げ
「日常のあらゆる場面でLGBTは存在しています。
私もその一人です」とゲイであることをカミングアウトしました。
2015年3月に実施された電通ダイバーシテラボの調査で
日本でのLGBTの割合は7.6%、13人に1人いると公表されました。
宇治市の人口に置き換えると187,659人中14,262人。
自分は当事者ではなくても
家族、友だち、職場、地域など身近なところで
自分らしくいることができず
生きにくさや暮らしにくさを抱えていながらも
声を出せない人がきっといるはずです。
自分らしくありたい自分の望む人生を生きたいと
願うのは当たり前のこと。
それがかなう社会にしていくために問われているのは
当事者以外の92,4%のあり方だと思います。
「認知症にやさしいまち・うじ」を宣言した宇治市
次は多様な生き方を選択できる
「LGBTが安心して暮らせるまち・うじ」を
宣言してはどうでしょうか。
人権の問題として行政が実態を調査し
先進事例を取り入れながら
政策として実現していくことで
確実に暮らしやすいまちになるはずです。
LGBTのシンボルカラーである虹色が
店先やまちかどに溢れる風景は
きっと外国からの旅行者にも評価されるでしょうし
宇治ブランドの新しい目玉になること間違いないです。
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