LOVE&DESIRE

沖縄で頑張る爺バンドのブログだったがいつの間にか爺の独り言(涙)。

三太夫のJAZZ講座

2012-02-18 11:03:03 | ブログ

 三太夫・付き人。推定年齢50歳くらい。洋楽好きが高じて殿に様々な情報をレクチャー。殿をこの世界(洋楽)に引きずり余禄をご堪能中。世渡り上手。

 殿・氏名不詳。推定年齢60歳以上。性格はおっちょこちょい。興奮すると「馬を引け~」と口走る。三太夫のお蔭でだいぶ洋楽に詳しくなった。今回初めてJAZZのライブを聞く。

「あ~三太夫、JAZZとか申す伴天連音楽面妖な楽器がそろっておるが何じゃい」

「はっ、殿、演奏を聴きながらおいおい説明してまいりますが、今回のJAZZ、日本語では「邪頭」と書きまして元々はアフリカなどから奴隷としてアメリカ方面に拉致された者共の小唄「ブルース」からの流れが進化して、現在に至ったもの、今日はその中でも特に前衛である、無料JAZZをお聞きいただきます。」

「無料?金をとらぬのか?」「いえ、有料ですが無料、、フリー、自由邪頭でござる」「ややこしや~」などとやり取りをしている内、いきなり演奏が開まる。よ~い、ドンの4人全員フォルテシモの全力疾走その音たるやグワーン、キヤーンどかずか、どかかぱ、ぴばびぶびび~頭が割れる~どがどが!!

「これ~、三太夫~、何じゃこりゃ、キチ●イか、わしを殺す気か!!」「はっ、殿、確かにこの者達9割いや9割9分キチ●イでありますが、これも音楽理論に忠実な導入部でござる、即ち、優しくたんたんと説得し観客を音楽に引きずり込むか、一発頭ぶん殴って驚かせ強引に引きずり込むかの2択、すなわち、JAZZ大王阿部定の理論の実践でござる。まあ、しばらくお聞き下され、お耳に「お題」が飛び込んでまいりますわ。」

 確かに、三太夫の指摘通り、一見出鱈目のようであったが、サックス奏者がお題すなわちテーマをふき始め他のメンバーもテーマに寄り添うようにプレイ開始。怒涛の導入部からテーマに突入。あたかも荒れくれる大河が下流に向かいつつ流れを変えるよう演奏が変化する。

「殿、これはマイルス・デイビスの「だから、何だ分け?(SO WHAT)」でござる。テーマが出てこれから、個人技のソロに突入しますぞ。多分ラッパでしょうが。」三太夫の指摘通りラッパ、つまりサックスが前面に出、吹きまくる。殿には蛇使いのへろへろ~らりろ~にしか聞こえない。

「これ、三太夫この者共にルールはあるのか?」

「はっ、殿、フリーJAZZではありますが大抵ブルーノートスケールとか、その他の音の梯子(音階)に添って梯子を上り下りしております。たまに、ミスかわざとか、梯子の踏んではいけない部分など平気で踏んだりして、一歩誤ればバリ、とか琉球方面にワープし、これはこれで乙なものでござる。」「演者の名はなんと申す?」「ポール石垣、この名は亀頭が石垣並みに堅い事を表しており、その他ポールマッカータニー(真っ赤な亀頭)やポールモーリァ(踊る亀頭)など女好きなバンドマン「性的な芸名」が多く見受けられますのはご愛嬌」

 ピアノソロに移りサックス舞台の袖で手持ちぶたさ。しばらくは休憩なのでその間、楽屋で一人打ち上げ、ラジオ体操、読書、など好きな事をやって時間を潰します。

「殿、フリーJAZZピアノ大家「山下ヤノピー」によりますとこの楽器元々異星人ムカデの様な生き物が考案したとの考察があります。確かに10本指の人類には不向きかと。アコーデォンと申す楽器の蛇腹がムカデエイリアンの姿の名残り説も有力に山下ヤノピーを援護しております。」三太夫のうんちくの間もピアノソロは進行。演者はカトリーノ光一郎。ソロが佳境に入り盛んに頭突きと飛び蹴り技を繰り出し拍手喝采。さわやかな汗と微笑みで退場。しばらくは休憩。楽屋では・・・以下省略。

「三太夫、あの、お化けヒョウタン状弦楽器は何という、さらに、一音ごとに苦悶の表情、まさに、ひょっとこか?」

「はっ、殿これはベースと申す楽器、また、あれは苦悶の表情ではござりませぬ、悦楽でござる、女ベース演奏家の「スージ・桑吐露」が「ベースは子宮で弾くの、ズンズン感じちゃう、うふ」と申してから後、男の方も負けじと「金玉にて弾き感じ」を始めるようになり、今演奏中のガンジーガンジーの様なスタイルが定着いたしました。」「それにしても男の悦楽顔の醜い事よの~」殿の指摘通り、ソロ後退場するガンジーガンジーには「変態」「暗い」など女性客から冷たい反応が多いのですが、屁の河童です。楽屋・・・以下省略。

太鼓一式はトルコ銅鑼、大太鼓小太鼓など組み合わせ小バチにてせわしなく叩きます。他のメンバーが楽屋で…の間最低20分は孤軍奮闘。シンバルは前歯で咬んだり頭突きしたり顔面血だらけになりつつクライマックスから、ゆっくりと再度大気圏突入の機会をうかがいます。

「三太夫、哀れなゴキブリのようじゃな~」「はっ、殿、仰せのとおり」

ここまで書いてきて、昔JAZZ BOXでのフリーのトリオ「友寄T、金城K、HACHI公」の3ピースエレキバンドを思い出しました。テーマはオーネットコールマンの「ロンリーウーマン」サブテーマで「お客さん全員帰す」でした。30分以上全力疾走7~8名のお客様中10分以内退場ほぼ全員。でも一人だけうつむいたまま帰らず。「寝てるのか?まさか」演奏後「どうして最後まで居たのですか?」と聞きました。答え「気持ち好かった」バンドマンの完敗でした。JAZZってイイね。

死にそうなドラマーが最後の痙攣のさなか他のメンバー全員再登場。頭のテーマに戻りバンマスのサックスが大見得を切り決めたところでグワシャグワシャどんどんで上がり。

「これ、三太夫、わしは疲れた、だが何故かスッキリしておるぞ、おまけに、得体のしれない力が湧き上がるわ」心なしか殿の目に狂気の色が見えます。三太夫はこっそり睡眠薬をぽん酒に投入。寝入る殿を城に送り返し「さあて、これからなにをしようかな~」と独り言。その瞳にも明らかに狂気の色。