お米のクレーム対応

昨日、我が社で、ずーっとお米を購入されている一般家庭のお客様から、クレームの電話が入ってきた

お客様（以下、客と略す）：「昨年末に購入したお米、いつもと違うよ！」

我が社（以下、社と略す）：コンピュータで売上を確認して

　「いえいえ、いつものお米です」

客：「いつもだったら、もっと粘りがあって、冷めても固くならないのに、今回のは、パサパサで、艶もないし、冷めたらカチンコになる！」

社：「至急、今年になって精米したお米に取り替え、我が社で炊飯してみます」

ということで、昨日、１０Kgのご購入のうち、残りのお米、５．９Kgを引き取り、同じ商品で、違う日に精米したお米、１０Kgをお持ちした。

もちろん、残りのお米は、購入価格から計算して、返金する。

このお客様の購入されているお米は、我が社で最も人気のあるお米「夢ごこち」だ。

「夢ごこち」というのは、民間で育成された新品種で、低アミロース米のため、冷めても固くならないという特徴があり、食味もコシヒカリを超えると評価されていて、我が社では一番人気のお米だ。詳細は、このお米の販売育成権を持つ米卸しのHPからこちらです。

今まで、クレームがなかったお米だっただけに、これは大変だ

今日、返品してきたお米を我が社で炊飯して、社員で試食することにした。

結果は、「夢ごこち」本来の食味もOKで、お昼に炊いて、完全に冷めた夕方に再び試食しても、固くなく、柔らかい！ようするに問題なしだ！

それでは、なぜ？

美味しくご飯が炊けない時に、考えられる理由は、３つある。

１つ目は、「お米自体に何らかの問題」があるということ

　例えば、割れたお米が多く含まれていたり、小米がたくさん混ざっている

　また、お米がとう精日よりかなりの日数がたっており、水分含有量も少ない

　腐っている、などの要因がある。

２つ目は、「炊飯方法に問題」があるということ

　例えば、お米の浸水時間が十分でないため、水分が足らなかったり

　炊飯時の水の量が、適正でなかったり、炊飯後の蒸らしの時間が少なかったり

　という要因もある。

　あ、そうそうお米の洗米に問題がある時ということもある。

　これは実際にあった話なのだが、お米を洗う、つまり研ぐ時に、

　「泡立て器を使って、お米を混ぜたために、お米が割れてしまった」

　ということがあった。（東京で働いていた時、同じ職場のOLがやっていた）

３つ目は、「炊飯器に問題」がある場合

　例えば、炊飯器のサーモ（炊飯されたら切れるようにするセンサー）に異常がある

　炊飯器の炊飯火力が足らない、など機械的な問題が考えられる。

 

今回の場合、まず１つ目は、返品されたお米で確認出来、そして今日の我が社での炊飯により、問題がない事がわかった。

となると、残り２つの要因を検証する。

「炊飯方法」に関しては、このお客様は長年取り引きしている方で、営業担当者も「まず、問題なし」と判断している。私も、このお客様は面識があり、同様に判断している。

ということは、最後の要因「炊飯器に問題」ということになる訳である。

この結果を明日、お客様に伝え、解決の方向へ導きたい

このように、我が社は、「ご飯が美味しく炊けない！」とお客様に言われても、決して、すぐに「炊き方が悪いのでは？」とか、「炊飯器が悪いのでは？」と判断しないで、今回のように、消去法で解決していく。

ただ今まで、たいてい要因になっているのは、２つ目の要因「炊飯方法に問題」の場合が多い。

特に、冬場は、水温が低いので、「浸水時間が足らない」などの理由が多い。

冬場に業務店からの場合は、ほとんどが、これです！

つまり、業務店で働く料理人にとって、”ごはんを炊く”ということが、一番難しい”料理”だと言われる方が多いです。

確かに、最近、業務用自動炊飯器がありますが、こんな機械でも微調整がいるんですよ。

本当に”ご飯が上手に炊けて、一人前！”

でも、こうやって、クレームを言っていただけるお客様は、本当にありがたいものです。

クレームこそ、勉強ですから