虚偽表示違反事故

昨日朝より、大阪の米卸し「日本ライス」の虚偽表示違反の報道が、新聞等で流れた。

この米卸しは、昨年も同じように虚偽表示違反で報道されている。

ニュースによると、昨年７月２４、２６の両日、同社工場で、「平成１７年産福井県産コシヒカリ１００％」と表示した袋に、２００３～０４年産の千葉県産コシヒカリやくず米などを詰めて６５０袋を商品化し、同８月１日、うち９袋を大阪府吹田市の小売店に不正な価格で販売していたそうです。

ただ今回なぜこのような事がわかったかというと、どうやら、この「日本ライス」と販売契約していた西宮の米穀店のお客様から「まずい！」「臭いがおかしい！」という苦情が寄せられたことで、この米穀店役員が、民間調査機関でＤＮＡ判定をしてもらって、中国米の混入などの不正が解ったというものです。

つまり、お米屋さんで買われていた消費者の声から発覚したのです。

この米卸しは、量販店にも多くこんな米を販売していました。そして量販店で売られているお米のほとんどが、米卸から納入されています。

果たして、こんな米が量販店で売られていたとしたら、お客様は、苦情を言うのでしょうか？

昨日も、お店に来られた親しいお客様とこんなお話をした

「量販店に比べて、我々お米の専門店のお米は、高いと感じますか？」

と尋ねると

「高いと思います。」と答えられたので、

「じゃあ、量販店のお米の価格が適正価格だと思いますか？」

と尋ねてみると

「その価格が適正か解らない・・・ただ、何が入っているか解らないのは確かだと思う」

と答えられました。

ただ、量販店でいつも安いお米を買われているお客様が、同じように思われるでしょうか？たぶん、思われないでしょう・・・

でも、私たちから見たら、「なぜ、あの値段の商品が作れるの？」と常に思っています。

販売価格が税込２千円台の”コシヒカリ”がそれです。

お米（玄米）の価格を決めるのには、現在、コメ価格センターで毎週行われている入札の価格が基準となります。

ただ、入札ですべてが販売されるのではなく、相対取引、つまり、ＪＡから直接、農家から直接と言った仕入れも可能です。

そして、そんな流通経路のお米には、必ずしも、栽培履歴がきちんと管理され、残留農薬や玄米の品質を検査して等級をつけた検査米でないお米も流通します。

特に、農家が消費者に直接販売されているのは、大半が、未検査米です。

我が社が取引しているような農業法人といった会社組織を作り、民間で検査をしているような農家でない限り、等級印、検査印の無い未検査米がほとんどでしょう。

さて、コメ価格センターでは、どの位の値段で取引されているのか？

この取引価格は、ＷＥＢ上で公開されています。こちらです

本年度、これまでに入札取引された平成１８年産の価格が、載っています。

さて、”コシヒカリ”はいくらぐらいでしょうか？

一番安い”コシヒカリ”でも、￥１５０００ぐらいでしょう。

この価格は、玄米６０Ｋｇの価格、それも、卸の仕入れ価格なんです。

白米１Ｋｇの価格にするには、精米により１割がヌカとなるため、５４で割ると求められます。つまり約￥２７８となります。

つまり１０Ｋｇ￥２７８０です。でも、これは精米コスト（機械の電気代など）は入れていませんので、仮に玄米１Ｋｇあたりの精米コストを￥５として計算したら、

（玄米６０Ｋｇの価格￥１５０００＋玄米６０Ｋｇの精米コスト￥５×６０）÷５４＝￥２８３

原価１０Ｋｇ￥２８３０の精白米となるわけです。

もう、おわかりですよね。このお米がいったい幾らで販売されていますか？

もし、これ以下で売られているとしたら、入札以外のルートで仕入れたお米を混入しなければ無理です。

消費者の皆さん、今、購入されているお米、本当に大丈夫ですか？