美味しいお米を大切な貴方に! BLOG 『HIRO’s Diary』 

お米の専門店の店主が、日々想う事、今日あった出来事などを中心に書いてます!!かなり趣味の部分も多いけどね\(^_^)/

おいしいごはんを食べよう県民運動推進協議会総会に参加しました!

2006年06月28日 19時01分29秒 | お米

昨日、兵庫県庁の横にある兵庫県公館の大会議室におきまして、「平成18年度おいしいごはんを食べよう県民運動協議会総会」が開催されました。我が社が加入している兵庫県米穀小売商業組合は、この協議会の会員であり、さらに我が社は、兵庫県米穀小売商業組合加古川支部総代であるため、出席して参りました。


兵庫県が進めているこの「おいしいごはんを食べよう県民運動」は今年で10周年、平成10年に、国が推奨しました「ご飯を食べよう国民運動」のいわば、”火付け役”となった運動です。
現在この協議会は、91団体、59企業、42市町、8名の学識経験者の合計200会員で構成されています。
総会は、野尻 武敏会長((財)ひょうご震災記念21世紀研究機構会長)のご挨拶ではじまり、石原 兵庫県議会副議長、坂田 近畿農政局食糧部長の来賓祝辞へと続きました。坂田 食糧部長は祝辞の中で、「全国の耕作放棄地(休耕田や、農業の担い手がいないために放置された農地)が、38万ヘクタール(埼玉県の面積と同等)におよんでいる。」とお話され、この原因の一つが、「お米の消費量の低下である」と話が続きました。
具体的には、国民一人当たりの一年間のお米の消費量は、昭和38年が117Kgに対して平成16年では61.9Kgとなっているとの事です。約半分になってしまっているのですね。
総会の後「コウノトリと共生するお米づくり~わたしたちにできること~」と題したパネルディスカッションが開催されました。
まず、コウノトリ育むお米生産部会 畷部長により

「コウノトリが舞う地域を創造するコウノトリ育む農法」と題して、これ までの「コウノトリ育む農法」の取り組みが発表されました。
「コウノトリの絶滅原因や生物濃縮を考えると新たな農法が必要」と考えられ、「おいしいお米と多様な生き物を育み、コウノトリも済める豊かな文化、地域、環境づくりを目指すための安全なお米と生き物を同時に育む農法」としてこの農法が開始されたそうです。

平成14年から取り組みをはじめ、今では、「田んぼが生命の楽園」になり、そんな田んぼに「子供達が帰ってきた」と話されました。今ではコウノトリが舞い降りる田んぼとなったそうです。

簡単に言うと、この農法は、冬期に田んぼに水をはることにより、生物が育ち、そしてそんな生物を守るように、お米を作るというもので、米ヌカを使った除草で、除草剤、殺虫剤を一切使わないそうです。田んぼには、カエルやドジョウ、 メダカ、トンボなども増加します。これらの生物がコウノトリの餌となるわけです。

こうして栽培されたお米は、「コウノトリの郷米」として、100ヘクタールの農地で作られ、JAにより出荷されています。

是非とも、平成18年度産は、我が社でも取り扱ってみたいですね。

続いて兵庫県豊岡農業改良普及センター 西村 普及主査により

「県民がご飯を食べれば・・・田んぼが守られ、健康が守られる」

と題して、お話されました。

話の内容は、まず食物連鎖、つまり汚染された水が、生物によりいかに濃縮されていくかを説明されました。水に溶けている農薬などはプランクトンや小さい魚類をへて500倍の濃度になり、それを食べる食肉性鳥類、いわゆる魚を餌とするコウノトリなどの内臓で約80000倍となっていたことが、野生最後のコウノトリの解剖結果でわかったそうです。そして、そんな汚染された鳥を食べている人類も、この環境悪化が原因であろうデータが出ていることが紹介されました。


それは、「1942年から1992年のこの50年の間に男性の精子の数が42%減少、また健康な20歳前後の男性の9割以上が精子に一部奇形が有り、4割は精子量が少ない」というデータが、日本不妊学会から報告されたとのことです。つまり「コウノトリ絶滅の後を人類は追っている」のです。
 またこんな面白いデータも紹介されました、東大脳をつくる学校の取り組みデータによると「朝、子供にご飯を食べさせることにより、自立神経が活発になり、授業に集中でき、成績が上がる」そうです。
 これらの発表の後、コーディネーターで神戸大学名誉教授の保田 茂氏はこうまとめられました。
「皆さんが、ご飯を食べれば、お米がたくさん作れ、田んぼが蘇ります。日本の食糧自給率も上がります。

そして皆さんが、安全なお米を欲しがれば、田んぼで農薬が使わなくなり、コウノトリや生物が蘇ります。

安全なお米=高い・・・

でも、お茶碗一杯がいくらになるのでしょう。10Kg¥6000だったら、お茶碗一杯のお米(50g)はたったの¥30+光熱費です。

パンやその他の食物とどれだけ違いますか?

このままお米の消費量が減少すると、日本は食糧自給率ゼロの国となってしまい、生物の住めない国になってしまうかも知れませんよ!」 

本当に参加した私にとって、勉強になった一日でした。と同時に、この事をいかに行動に移すのか、これからも大変です!

しかし、大げさですが、人類の将来のために頑張ります!

なお、この「コウノトリ育む農法」について神戸新聞WebNewsで「田んぼが生物の楽園に!」と題して紹介されています。合わせて一読下さい。