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ゆるキャン△の聖地を行く41 その3  熊ノ平駐車場へ

2024年09月11日 | ゆるキャン△

 バス停のロータリーから「碓氷峠鉄道文化むら」の駐車場、そして手前の交差点を含む範囲を見渡しました。けっこう広いですが、春秋の行楽シーズンには観光客やハイカーなどが集まって大混雑し、駐車場はどこも満車になるそうです。碓氷峠鉄道文化むらは子供や家族連れに人気があり、敷地内を走る遊覧列車やトロッコ列車には行列が出来るそうです。

 地元の安中市においては人気観光地のナンバーワンである「碓氷峠鉄道文化むら」の施設および車輌群は、安中市の所有となっていて、運営を碓氷峠交流記念財団に委託しています。

 

 2024年2月、安中市は市内に道の駅を整備する基本構想案を策定し、場所をこの「碓氷峠鉄道文化むら」を含む旧横川駅車両区および運転区跡の広大なエリアに定めて整備する方針を示しました。
 今後は、「道の駅を単独で整備して碓氷峠鉄道文化むらと機能連携する案」と「碓氷峠鉄道文化むらを含めて道の駅とし、施設をリニューアルする案」の2案を検討していく旨を公表しています。噂では後者の案が可能性が高いとされているようです。

 その理由として、「碓井峠鉄道文化むら」が、周知のように旧横川駅車両区および運転区の施設群をそのまま生かして体験型鉄道テーマパークにしたものなので、設備は古いままの箇所が少なくなく、建物も老朽化が進行していて、いずれリニューアルしなければならない経緯になる点が挙げられます。
 策定案では、道の駅においては農産物直売所やレストラン、カフェ、ハイカー向け施設、バーベキュー施設、国道18号通行規制時のUターン施設などを想定。施設建物はSLなどをモチーフとし、撮影・眺望スポットも設ける方針、とされています。おそらく、「碓井峠鉄道文化むら」に全く手を付けない形の事業ではないだろうと思われます。

 安中市の公表スケジュールによれば、2024年度に道の駅の基本計画を策定し、2025年度に基本設計を実施し、2026年度から建設工事に入り、2027年度以降の開業を目指すとしています。つまり、現在の横川駅周辺および「碓井峠鉄道文化むら」の状況および景観は、予定通りに計画が進めば2026年から大きく変化することになります。

 これは、ゆるキャンの世界観、および聖地巡礼で楽しめる作中と同じ景色が、2026年から工事や道の駅の竣工によって失われることを意味しています。2026年までもう2年もありません。仮にアニメ4期が実現したとしても、その放送開始はどう早く見積もっても2026年以降になる可能性が高いので、群馬キャンプ編がアニメ化されたとしても、その頃には作中および劇中の横川駅や横川鉄道博物館の景色などは、現地へ行っても工事や道の駅建設などで見られなくなっているだろう、と推測されます。

 今回の聖地巡礼でここにやってきたのも、実は安中市の道の駅整備基本構想策定案の件を知ったことがキッカケの一つでした。道の駅の工事が順調に進めば、間違いなく景色も変化して、作中の景色は失われるだろうな、と考えて、そうなる前に一度行っておこう、早めに機会を作って出かけよう、と決心したからでした。

 

 さて、依頼したタクシーが横川駅前にやってくるまでの「約40分」が残り10分を切りましたので、早めに横川駅前に戻りました。横川駅と「碓井峠鉄道文化むら」との距離は100メートルもありませんから、まさに目と鼻の先ですぐに戻れます。
 が、タクシーはまだ来ていませんでした。

 

 駅前のこの記念撮影用のパネル、作中で各務原なでしこと斉藤恵那が顔出しして遊んでいた場所ですが、撮影していて、ある事に気付きました。「かまめし・・・」って、あれ、これってもしかして・・・?

 

 それで、駅前の向かいの荻野屋の方をなんとなく振り返った途端、その奥の車道からタクシーが曲がって降りてきました。運転手さんが私を認めて会釈してきたので、これだな、と挨拶を返し、駅前に停まって開かれたドアの中に入りました。時計は9時8分、横川駅に着いてから32分後でした。まさに「約40分」でした。

 

 横川駅からタクシーで信越線跡に沿った国道18号線の旧道をひたすら登りました。カーブの連続に座席で体を左右に揺らしつつ、運転手さんの親切で熱心な説明をずっと拝聴しました。
 絶妙のハンドルさばきでスイスイと急なヘアピンをもこなしつつ、ずっと信越線や「アプトの道」について熱心に語り、車窓からも見える要所要所の遺跡や遺構をいちいち指さして教えてくれたおかげで、これからあるく「アプトの道」ルートの大体の基本情報や様子がほぼ理解出来ました。

「お客さん、熊ノ平から歩かれるの正解ですよ、ずっと下り坂で楽ちんですし」
「ええ、楽だと聞きましたので。でも熊ノ平へ行くバスが土日しかないのは残念です・・・」
「いやあ、そうなんですよ、せめて1往復でも残しとけばええんですがねえ、土日に1往復しかなくても、乗る人数も少ないですしねえ」
「あ、そうなんですか・・・」
「ここいらは観光客もほとんど車やバイクで来ますからねえ、あと、碓氷峠鉄道文化むらの駐車場に停めて「アプトの道」を往復する方も多いですし」
「そういう観光客は、やっぱり横川側から来る人が多いんですか?」
「まあ、そんな感じですかねえ、軽井沢から来られる方は全体から見たら半分以下ですねえ、碓氷峠鉄道文化むらとセットで回る観光客が大半ですからねえ・・・、もし、軽井沢から熊ノ平までの線路跡もハイキングコースになってくれれば、軽井沢から来られる方も増えるでしょうねえ」
「その、軽井沢から熊ノ平までの線路跡も、いずれハイキングコースになるのですか?」
「どうですかねえ、そういう計画はあるのか分かりませんけどねえ、いまのところは聞いたこと無いですねえ。「アプトの道」ってのは安中市の観光事業で作ったんで、熊ノ平までは安中市ですから延伸も出来たんですが、軽井沢まで行くとなると県境をまたぎますし、向こうは国立公園にあたるんで、工事とか制約あるみたいですし・・・」

 色々と話しているうちに、上図の熊ノ平駐車場に着きました。横川駅から27分、9時35分でした。お礼を言ってタクシーを降りました。料金は3600円でした。

 

 熊ノ平駐車場は、旧信越線の熊ノ平駅跡の真下に位置しています。御覧のように広いですが、他はバス停の横にトイレがあるだけでした。自販機すら見当たりませんでしたが、現地が上信越高原国立公園の指定区域内であることを思い出し、そういうのも制約されるのだろうか、と考えました。

 

 作中の同じアングルの図です。原作コミック第16巻63ページ4コマ目です。
 中央にあるバス停は同じですが、バス停の奥にある新設の茶色の簡易トイレ施設は描かれていません。2024年4月、私の訪問の約二ヶ月前に出来たばかりですので、あfろ氏の現地取材時には無かったわけです。
 トイレ施設の表示板によれば、屋根のソーラーパネルで電力を供給して水は再生水を利用する環境配慮型のトイレであるそうで、設置者は群馬県安中土木事務所とありました。

 熊ノ平駅跡から横川駅までの「アプトの道」のルート上において、トイレはここ熊ノ平駐車場のそれを含めて4ヶ所ありますが、「アプトの道」に近接しているのは熊ノ平駐車場と峠の湯の2ヶ所で、あとの2ヶ所、第三橋梁(めがね橋)と碓氷湖畔は「アプトの道」に沿っている国道18号線旧線沿いの観光駐車場のほうに位置していますので、「アプトの道」から外れて少し歩く必要があります。

 それで、今回の「アプトの道」散策でトイレを利用するとしたら、熊ノ平駐車場と峠の湯の2ヶ所だろう、と考えていましたが、とりあえず熊ノ平駐車場のピカピカのエコトイレを利用しました。そして峠の湯のほうも、途中でその温泉施設に立ち寄って入浴しましたので、そこのトイレも利用出来ました。

 

 バス停に近寄りました。この旧道が通行止めになる冬季を除く指定期間中の土日祝のみ、バスが横川駅と軽井沢駅の間を1往復して途中のここに停まります。

 作中で各務原なでしこもこのバス便を利用しようと計画しましたが、時間的に間に合わないことが斉藤恵那、瑞浪絵真とのリスケで判明したため、実際の移動では軽井沢駅からのタクシー利用となり、タクシー運転手の勧めで、途中のここ熊ノ平駐車場に寄って熊ノ平駅跡をササッと見学しています。

 

 したがって、ここから各務原なでしこ達と同じコースを辿ることになります。とりあえず記念撮影しましたが、聖地に来られた嬉しさと感動で、どうしても笑ってしまうのでした。

 

 付近の道路わきの表示を見て、熊ノ平の位置が横川駅寄りであることを理解しました。ここから横川駅までの廃線跡の距離は約6キロありますが、軽井沢駅は7キロ先の碓氷峠よりも向こうになるからです。

 ともあれ、横川駅までの約6キロの廃線跡をこれから歩きます。作中で各務原なでしこ達が歩いたのは碓氷湖畔のカフェの横からの約3.6キロですが、こちらは作中と違って時間的制約がありませんし、折角来たのだから全コースを踏破する積りでした。  (続く)  

 


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