美しい虹がかかった白糸の滝の朝の光景を、ずっと眺めていて、ふと時計をみると8時55分でした。残り25分になっていました。
もう少し眺めていたかったのですが、帰りのバスに乗れなくなってしまいますので、意を決して退出することにしました。
退出の前に、記念の自撮り。
20年ぶりの白糸の滝、最高でした。富士山の太古の火山活動によって形成された雄大な大自然の地形の妙、と言えましょう。
後ろ髪を引かれる思いで、帰りの園路も後ろ向きに歩いて、少しでも長く滝を見続けて心に刻み込みました。
さて、どっちへ行くのか・・・と上図の道標を見上げました。たぶん、駐車場へ向かえば良いかな、460メートルか、と思案しました。いま歩いている帰路の園路は20年前には無かったと思うので、最近の整備事業によって新たにつけられたものだろうと考えました。
昔は滝のすぐ近くまで行って、また引き返して駐車場に戻ったと記憶していますが、その駐車場がいまでは「富士山・白糸ノ滝テラス」に転じているのでした。
なので、現在の駐車場は、20年前の駐車場とは別の位置にあることになりますが、それはバス停の横の広い駐車場のことかな、と思いました。
道を登って駐車場へ行く途中に展望場がありました。白糸の滝の西側の断崖上に突き出るようにして設けられています。
展望場からは、白糸の滝の馬蹄形の滝壺が見下ろせました。
さきに滝の近くまで行った時には分かりませんでしたが、上から見る水の色は透き通った綺麗なエメラルドグリーンでした。
富士山も御覧のように真正面に見えました。
何度見ても素晴らしい。見飽きません。こういう景色が見られる家に住んでみたいものです。
それで、いま嫁さんとすすめている家探しの件で、山梨県や静岡県を候補地に入れたら「ゆるキャンだけで家の場所決めるの、止めて貰えます?」と軽く笑われました。模型はガンガン作るけれど、アニメやアニメの聖地巡礼には全く関心がない人です。
展望場から駐車場へ行く途中に、上図の「お鬢水」の標識がありました。初めて見る名前なので、立ち寄ってみました。
現地の案内説明板です。なるほど、白糸の滝の上にある水流の池ですか・・・。
「お鬢水」は昔から神泉として祀られており、上図の昭和41年設置の古い説明板には3柱の祭神が記されてありました。
これが「お鬢水」です。小さな水溜まりといった感じの池でした。右手の低い方に浅く水が流れていました。
「お鬢水」の奥には、水流の痕跡というか、水が少なくなって枯れた堆積溶岩の切れ目が見えました。降雨期や増水期にはここにも水流が戻って、白糸の滝への支流が見られるそうです。
つまり、普段はこのように水流が枯れて「お鬢水」が池として静まるわけか、と納得しました。それで滝にかかわる水神への祭祀の拠点として昔から崇められてきたわけか、と理解しました。
「お鬢水」の礼拝所に回ると、正面の池の向こうに岩窟が穿たれて、3柱の祭神の石祠がまつられていました。水面は静かに止まって鏡のように見え、上の景色が逆さまに映っていました。
増水期には岩窟のすぐ下まで水が溢れるようで、岩窟の真下の岩肌には水の流れた痕跡が見えました。そこまで水位が上がれば、「お鬢水」に近づくことも出来なくなります。その時期には道を閉鎖して立ち入り禁止にするのだろうな、と思いました。 (続く)