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現代文を読むカラクリⅥ

2007-08-05 10:00:48 | 受験・学校
現代社会を理解するには
倫理分野でもある哲学から入る必要がある。
倫理と歴史、時代の倫理観を知ることが
超難関大(国語・英語・小論文)突破の鍵となる。
短絡的に数学・理科等の学習をしても
高得点にはなかなか結びつかない。
小論文・倫理・政経の学習が森となり、
各科目の木が立派に育つのである。
GES進学生(河合生)は是非、こういった
真の学問に早期に触れて欲しい。
では、講義を始めます。

哲学への挑戦 -近代の彼方へ- 第2章           
近代の資本と産業の専制を乗り越えるための切り札こそ、実存主義であった。
そして、実存主義は二つの進路をとる。
まず、第1はハイデガー。
ハイデガーは民族の魂、死の愉楽を説き、
人間存在の闇の豊かさを詠った。しかし、
それが、歪な唄と化したのは歴史の皮肉であった。
ハイデガー哲学は、後に民族のを掲げるヒットラーと結びつき、
ユダヤ人の迫害、大量虐殺ホロコーストを招いた。
ハイデガーは晩年隠棲(いんせい)し、
その愉楽の哲学は、民族主義という差別と迫害
の根源として位置付けられた。
一方、第2の方向はサルトルが示した。
サルトルは社会主義の実現に自ら存在を投棄し、
その存在を賭けた決断に新たな哲学的地平を見い出した。
確かに決断と行動の哲学は魅力に満ちたものであった。
しかし、このサルトルの哲学も歪な唄と化す。
社会主義は挫折し、挫折した者の多くは資本主義の戦上へと転化し、
少数の者は世界革命を夢見、過激な暴力とテロリズムへと邁進(まいしん)した。
実存主義の挫折、ここに資本主義の優雅な完成が明確に現れていることを、
私たちは直視しなければならない。
written in 2003.05.10.SAT (461字)

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