亀田一家のことなんですけどね。
まず前提として、私はボクシングの世界のことは全然知らないし、スポーツというのがあんまり好きでない人間でして、一方どっちかっていうと学生時代なんかは熱烈なプロレスファンだったわけでしてね。ああいうキャラはプロレスでは普通にいましたし(悪の正太郎君ワカマツとか)、あんな反則どってことないじゃん5秒以内だし、などと思うわけですよ。
悪役で売った例で思い出すのは、ラッシャー木村です。もともと国際プロレスでは「エース」だったのに、会社がつぶれて新日本プロレスに行ったもんで、なんだかヒールで売ることになったわけですな。で、アニマル浜口・寺西勇のトリオで「国際軍団」とか言って悪逆をつくしたわけですよ。もう、当時は憎々しくてね。私はイノキ主義者だったんで、髪切りマッチで乱入して猪木の髪の毛ジョキジョキ切った時なんかマジに怒ったりしましたが、今となってはいい思い出です。
問題は、その後なんだかんだで木村氏も浜口氏もけっこう活躍したりなんかして次第にイイ奴になったりなんかして、悪役からうま~くソフトランディングしたわけですよ。亀田家の場合、そのへんがえらく甘いですな。ああいう路線で売るんだったらそれなりの売り方をしないと、ちょっとでもコケた時ハードランディングでいろんなところに激突してぶっ潰れます。実際、いままでテレビ局の強引な売り方にいいかげんムカついていた方々の怒りをもろに喰らってしまったみたいですし。
だいたい打突系格闘技ってのはけっこうミズモノですから、負けた時のストーリーをちゃんと作っていないというのはどういう気でしょう。亀田家の行動規範の大半は少年マンガみたいなんだから、少年マンガのパターンをシミュレーションしとけばよかったんですよ。つまり、最初は「いてまうぞコラァ」とか「こんな奴ゴキブリや」とか言ってて、12ラウンド戦って負けた場合、おもむろにマイクを持って「完敗や。やるやないか」とかなんとか、なんかそれ系のこと言ったりするパフォーマンスをするなんてのは、「やられるとイイ奴になる」という少年マンガの黄金パターンですよな。キャラを生き残らせる場合はこれやんなきゃ。
まあ、あの亀田父の人はかなりマジに無教養でダメビトみたいですから、マンガしか読んでないわりにはウケるマンガのパターン分析なんかしてないみたいだし、こういった状況を解決するような能力はなさそうです。まあ、最近はみんなすぐ忘れますから一ヶ月もすればホトボリさめるでしょうけど。
あ、ちなみに私、亀田一家の連中ってすごい嫌いです。ああいう下品さ無教養さはどうもいかんですね。でも私、自分の好きとか嫌いという感覚をあまり重視していないんですね。たとえば昔、『大東京ビンボー生活マニュアル』という漫画がキライでキライで、もう超アグレッシブにキライだったので全巻揃えちゃいました。ああキライだ。重視すべきは、好きかキライかでなく観たいか観たくないかということなわけですよ人生は。ってことで、面白ければOKです。