[WWF]へーげる奥田の空談言説

サークル「WWF」主宰・へーげる奥田が適当に告知したり興味の対象について論じたりするウェブログである。

著作権とか

2007-05-28 00:42:10 | Weblog

このところ著作権関係のニュースがいろいろ喧しいですな。

【著作権】とんでもない法案が審議されている
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/977113.html


まず「法案」ですが、いくつかのサイトの論調を総合すると、これは即「同人誌」等取り締まりというわけではないようではあります。ただ、たけくま氏らの抱く危惧は私も感じます。

たしかに現行の著作権法はいろいろ甘いところがありますので、現代の諸問題に対応するような形に更新しないといかんでしょう。ただ、法運用を的確に行わないと、国家全体の経済的利益を大きく損なうことにもなりかねません。

たとえばコミックマーケットで売買されている同人誌は、主にアマチュアの手による活動であるものの、れっきとした経済活動であり、しかもそれは相当に大きな規模のものです。改訂著作権法がこれを取り締まり対象としない保証はどこにもないと思いますし、法倫理的にこれをとどめることはなかなか難しいと思います。

ただ、日本がこれだけのコンテンツ発信国になることができているのは、コミックマーケットに代表されるようなシミュラークルの巨大な糠床を持っていることがひとつの大きな成功要素となっている可能性はかなり大きいのではないかと思います。諸外国において、国家プロジェクトでコンテンツ産業振興を行ったにもかかわらずあまり有効な効果を得られなかったのは、コンプライアンスを建前にし、通常の職能と同じレベルで人材育成を試みた結果ではないかと私は考えています。

著作権法の適用範囲をより厳格化することは、海賊版などの排除という形で目先の経済的利益確保につながるとは思いますが(そしてたしかにこれは必要な措置ではあると思いますが)、法運用によってはせっかく育てた金の卵を産むニワトリを鍋にしてしまう結果になりかねません。逆に、国内法で取り締まれないチャイナ・コリア等の方々がより大きな漁夫の利を得る結果になりそうな予感がします。

現行の著作権法では、いわゆるWaresなどソフトウェアの違法コピーを取り締まるのもいろいろとやっかいな部分があるようですし、アキハバラの海賊版業者の取り締まりに親告罪では負担が大きいというのもある程度うなずけます。ただ、現在の日本の司法判断による法運用のあぶなっかしさを見ると、どうも不安を持ってしまいます。

ネット上にデータを保存するサービスはすべて著作権侵害で違法
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/980026.html

とか。

これは、判決の原文を見ていないし法律用語とかよく知らんのではっきり断言はできませんが、日常言語の論理性確保のレベルでおかしい考え方ですね。どうも札付きの変な判決出す裁判官みたいですが、まずこの判決についてブログに載ってる情報を素直に信じるとすれば、これはアクセス制御や個人認証方式の理解がまったくなってないように思えます。

ネット上における「不特定多数」には、いくつものレベルがあります。思いつきで分類しただけでも、

・URLの秘匿性

・URLの恒常性

・情報発信者の承認の有無

・情報発信者の承認のレベル

・認証機能の有無

・認証機能のレベル


などを複合的に吟味する必要があります。さらに、個人認証機能の信頼性とか、いろんな要素を勘案しないで一元的に「不特定多数がアクセスできる」などというのはまさに暴論です。

著作権や知的財産権の保護という概念はもちろん必要だと思いますし、仕事をした人間にこそ権利を与えることは重要だと思います。しかし、それが唯一の思想ではありません。『伽藍とバザール』という有名なレポートがありますが、知的成果物をシェアしたいという思想も確実にあるし、それが人類全体の発展に寄与するという考え方に私はある程度賛成します。なにしろ「地球市民」なので。

WWFも、同人誌に掲載されたコンテンツを公開しています。言っときますけどWWFの執筆陣には博士号とか修士号とか持ってたりする人もライター等で喰ってる人もいて、けっこうマジで価値あるコンテンツも多くあります。しかしわれわれの同人誌はアマチュアであり、「バザール」の側の住人であることをつねに主張しています。

知的財産権を経済財として取り扱うのは自然な流れなのでしょうが、特に著作権で扱うコンテンツの世界は、「伽藍」のモデルと「バザール」のモデルをじゅうぶん注意して峻別しつつ扱う必要があると思います。コンテンツを「伽藍」のモデルで扱っている代表格はハリウッドでしょうが、そのハリウッドで最も上流工程にあるべきシナリオや原案が不足しているのは、そういったコンテンツの生成が「伽藍」のシステムだけではなかなかうまくいかないせいでしょう。ガルブレイスもこうしたモデルを「計画化体制」と「市場体制」というように分類していた気もしますが、「バザール」のモデルを軽視してそれをつぶしてしまうようなことをすれば、おそらくはとても手痛いしっぺ返しを食うことになると私は考えています。

ちなみに個人情報保護法のほうは規制緩和の動きですね。これもまあ産業界から文句が出たことがその要因なんでしょうけど、経産省のガイドラインでは、サーバを貸してるホスティング等の事業者は、貸してるサーバの中に格納されてる個人情報保護については考えなくていいようになりました。なんか一貫性がない気もしますね。

写真はポトフ。ビールにあいます。

ウリナラFAX攻撃か?

2007-05-20 23:04:14 | Weblog
なんかアメリカの慰安婦問題が大変です。



---【引用開始】------------------------------------------------------------

米州韓国日報(韓国語)(2007-05-17)
http://www.koreatimes.com/article/articleview.asp?id=383208

■慰安婦決議案が座礁の危機

慰安婦決議案が120人が超える議員たちの支持(co-sponsor)を受けているにもかかわらず、外交分科委員会を通過できないでいる。現在、外交分科委員会の審議対象から脱落したことが分かっており、これはすなわち今度の会期にも決議案が上程できないことを意味する。

HR121連合のアナベル・パクさんは、「何人かの人は、今度の会期を逃しても次の機会があると言うが、日本政府は専門ロビーイング業者を雇って議員らを説得しており、時間が経つほど決議案通過は大変になる」として、「選挙区の住民が議員らにファックスや電話などで圧力を行使すれば、決議案が外交分科委員会の審議対象に再び上がることができるだろう」と語った。

23日(水)に開かれる外交分科委員会の審議を通過するためには、外交分科委員会の議長であるトム・ラントス(Tom Lantos)議員の決断が必須であり、ナンシー・ペロシ下院議長も決議案上程に大きい影響力を持っている。ラントス議員、ペロシ議員の選挙区民らの積極的参加が必要なのは、このためだ。

そこで、日本軍慰安婦問題解決のためのベイ地域連帯は5月18日、トム・ラントス議員とナンシー・ペロシ議員の選挙区の個人・団体・事業所などを対象とするファックス送信キャンペーンを実施して、慰安婦決議案が再び審議対象に含まれるよう圧力を行使する計画だ。デイリーシティ、コルマ、ミルブレー、サンブルノ、サンマテオ、サウスサンフランシスコなどがトム・ラントス議員の選挙区であり、レッドウッドシティーの一部とサンフランシスコ南西部も含まれる。
ナンシー・ペロシ議員の選挙区はサンフランシスコだ。

ラントス議員やペロシ議員の選挙区に住んでいるか、その地域で団体・事業所を運営している人の中で、このキャンペーンに参加したい人は、下記のファックス番号と電話番号を利用すればよい。
Tom Lantos  … ファックス:202-226-4183、電話:202-225-3531
Nancy Pelosi … ファックス:202-225-8259、電話:202-225-4965

電話よりもファックスが効果的だという。ファックスで手紙を送る際に参考にできるサンプルは、www.support121.org から入手できる。また、5月19日(土)の署名運動に参加するボランティアも募集中だ。参加する人はベイ地域連帯のヘレン・パクさんに連絡すればよい。
---【引用ここまで】----------------------------------------------------------


まあチョッパリ国のエージェントも地道にロビー活動(笑)とかしてるみたいですが、どうなることか先が見えません。
ただ、こういう記事を載せたりすると、ウリミンジョクはすぐエキサイトする上、電話番号やFAX番号なんか報道しちゃうのはいかがなものかという感じがしますな。幸福の科学もビックリのFAX攻撃が行われそうで、絶対逆効果なような気がします。
こういう記事も出てきちゃったことだし。

---【引用開始】------------------------------------------------------------
http://www.chosunonline.com/article/20070519000010
記事入力 : 2007/05/19 09:29:49
慰安婦:「雇用契約交わしていた」=米軍報告書
 第2次大戦中の旧日本軍の「従軍慰安婦」について調査を行ってきた米国陸軍は、慰安婦として働いた女性らが「一定の契約を交わして雇用されていた」ことを報告書に明記したと、産経新聞が18日付で報じた。
(略)
---【引用ここまで】----------------------------------------------------------


あと、ウリナラではやっぱり日本の憲法改正がけっこう気になるみたいです。私は日本のスタンスが今のままなら憲法9条は残したほうがいいと思ってますが、これこのまま残すと韓国とかチャイナとかに牽制が効かないのが困ったもんですね。特に韓国は、自称「イージス艦」に陸上攻撃用の巡航ミサイル搭載したりとか、あからさまに対日本兵器に特化してるっぽいですしねえ。でも、アメリカの御用軍隊としてホイホイ使われちゃう可能性があまりにも大きい現状では、9条堅持ってなところが無難じゃないかと思いますね。


写真は箱根ホテルのランチビュッフェの生ハルマキ。ここは全体的に料理のレベルがなかなか高かったです。


遅ればせながらアベソーリドゲーザ

2007-05-04 14:25:54 | Weblog
数日前に書いた文章だが、なかなかアップロードできなかったので今頃ですが。


ウリナラのマスコミがご立腹みたいです。


【引用開始】
>http://www.chosunonline.com/article/20070430000000
>『【社説】頭がおかしい安倍首相、話にならないブッシュ大統領』
>
> 27日にワシントンで開催された米日首脳会談で、慰安婦問題について信じられないことが起こった。安倍首相はブッシュ大統領に「慰安婦の方々を非常に困難な中でつらくて苦しい状況に追いやったことに対して、人間として首相として、心から同情しており、申し訳ない思いだ」と謝罪した。これに対してブッシュ大統領は「(謝罪を)受け入れる」と応えた。日本の首相はなぜ慰安婦の人々ではなく米国の大統領に謝罪し、米国大統領は何の資格があってその謝罪を受け入れるというのか。
(以下略)
【引用終了】


いや、まったくもってごもっとも。ウリミンジョクの怒りは正当なものだと思いますですよ? なんでブッシュ大統領に謝罪してブッシュ大統領がそれを受け入れるのか、私にもさっぱりわかりません。この記事の元となった朝日新聞社説


【引用開始】
>http://www.asahi.com/paper/editorial20070429.html
>
>
> 首相は胸をなで下ろしたことだろう。だが、このやりとりは実に奇妙である。
>
> 首相が謝罪すべきは元慰安婦に対してではないのか。首相はかつて河野談話に反発し、被害者に配慮ある発言をしてきたとは言い難い。国内で批判されても意に介さないのに、米国で紛糾すると直ちに謝罪する。何としたことか。
(以下略)
【引用終了】


についても、まことにおっしゃる通りだと思います。

しかし、「そんなこと言うんだったら」とツッコミたくなる点が多々あるのもこれまた事実でありますな。

プロの新聞記者が素人にこんなツッコミを受けること自体恥と思わなきゃダメなんですが、そんなこと言うんだったら日本の国内問題・ないしは日韓両国あるいは日本と他国の問題についてアメリカがどうこう言うこと自体「実に奇妙である」で「なんとしたことか」です。内政干渉でしょこれ。アメリカって何様? ってことですよ。

もし軍属の公娼施設そのものが、アメリカやら韓国やらの言うような「性奴隷」であり「人権問題」だとすると、戦後の日本でアメリカ軍専用の公娼施設を作らせてそれを利用したアメリカも当然同罪であるし、日本とまったく同じスタイルの「従軍慰安婦」システムを導入した朝鮮戦争当時の韓国軍も同様の非難を受ける必要があります。

特にアメリカは、アメリカ先住民族に対する侵略問題や、アフリカ系住民の奴隷問題について、ほとんど「精算」とか「総括」とかしていません。先日イギリスはアフリカ系住民の奴隷問題で謝罪したようですが、アメリカは自国の犯した犯罪的行為について全然謝罪とかしませんね。民間人の居住する都市への核攻撃という空前絶後の大戦争犯罪に関してもまったく謝罪していないというのはまさに言語道断です。そういう国が何を言ってるのか、というのはこの前書いた通りです。

結局日本は現在においても事実上の「属国」であることはほとんど明白なことで、議論しなくてはならないのは「その状況を継続するか、方向転換をするか」という点です。そういった論点を曖昧にしたまま中途半端に書くから、記事の内容のほうがよっぽど「実に妙」なことになっちゃうんですよねアサヒ新聞。

この慰安婦問題については韓国の掲示板で韓国人の意見をいろいろ見ていましたが、やはりどうも思考方法が情緒的にすぎるところがあります。彼らは、戦時中に日本軍の兵が強制的に「慰安婦狩り」をやった証拠が出たニダ! とか興奮して書き込んだりするわけですが、それは方法論的にまちがっています。つまり、そういう事象があったこと自体の立証もたしかに必要ではありますが、そんなのばっかり「立証」したってムダで、より重要なのは、それが日本軍の正式な命令系統を経由した命令の下に実施されたものであることの証明です。それが証明されないかぎり、日本政府に謝罪要求なんかしたって全然ダメです。

たとえばAという会社の社員1名ないしは複数名が犯罪的行為をしたからといって、社長が社として謝罪するいわれは基本的にはありません。まあ会社の信用を落とさないためにポーズとして謝罪することはあるでしょうが、法的には社に責任はないと思います。
ところがこれが、会社の稟議書なり承認書なりを経て組織的に犯罪を犯していたとしたらこれは話が違います。この場合は会社が会社として責任を取る必要があるでしょう。従ってこの場合検察は、そういった承認が行われた証拠を探します。「社員が犯罪を行った証拠があるニダ」なんてことをいくらほじくってもダメです。

というのが道理なわけですが、アメリカのポリティカル・コネクトネスな方々とか人権原理主義の方々とかも何だか韓国人と似たような感じで情緒的思考優先みたいなようで、証拠とか法的思考とかはどうでもいいみたいです。まあ、証拠なんか全然なくても「同時多発テロはイラクのフセインがやったニダ!」「大量破壊兵器があるっぽい感じがするニダ!!」とかなんとか言って他国に攻めて行っちゃうような連中ですからねえ。そういうのを相手に議論なんかしたってムダという判断が日本政府にはあったんしょうけどね。実のところは「謝罪」ではなく「同情」程度のニュアンスで言ったらしいが、アメリカ人にそんな微妙なニュアンスが伝わるわけもありませんし。実際に切腹とかでもしない限り、いやしたとしてもウリナラ謝罪要求は絶対にエンドレスですしねえ。まあアベさんは試しにとりあえず公式切腹やってみるべきですな。

どっちにしても、問題をわざわざアメリカに持って行った韓国に、こたびの状況を怒る資格があるのかどうかはなんだかわかりませんが、笑えるスラップスティックであることは確かでしょうねえ。


写真は、横浜港大桟橋の喫茶店のクリームみつまめ。なかなか持ってこないので催促に行ったら、私の後ろがわの通路からいそいで持ってきたんですが、ほとんど溶けてますね。まあうまかったですが。