[WWF]へーげる奥田の空談言説

サークル「WWF」主宰・へーげる奥田が適当に告知したり興味の対象について論じたりするウェブログである。

イラクから撤収しますよ?

2007-07-23 00:15:54 | Weblog
同人誌の編集で更新している時間がないですな。

とりあえず一献。



>http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070720/usa070720001.htm
>慰安婦決議案 「日米に害及ぼす」 加藤駐米大使が警告
>
> 【ワシントン=古森義久】駐米日本大使が米国議会下院の枢要メンバーに対し、
>下院が慰安婦問題で日本を非難する決議案を採択すれば、日米関係に長期の有害な
>影響を与えるだろうという趣旨の書簡を送ったことが18日、米側マスコミにより
>報道された。なお同決議案の採決は日本の参院選の後になる見通しだという。
>
> ワシントン・ポスト18日付は「日本が第二次大戦の性的奴隷に関する下院決議案
>に対して警告を発する」という見出しの記事で、加藤良三駐米大使が下院のナンシー・
>ペロシ議長ら議員数人に対し慰安婦決議案への反対を改めて訴え、もし下院本会議
>で採択されれば「ほぼ間違いなく日米両国間の深い友好、緊密な信頼、そして広範囲
>の協力に長期の有害な効果を及ぼす」と警告した、と報道した。
>
> ワシントン・ポストは6月22日付の同書簡のコピーを入手したと報じ、加藤大使
>が「日米間の協力の具体例」としてイラクの安定化や復興をめぐる日本の米国への協力
>を指摘したことから、同決議案が採択されれば、日本は米国のイラク政策への協力も
>再考するだろう、という観測も伝えた。


いい傾向だと思います。ただ、日本国内ではふしぎとほとんど報道されていないので、どこまで信用していいかわかりません。ウリナラの新聞社は、事実かどうだかわからないことを平気で見てきたみたいなこと書きますからねえ。

ともかく、この報道が事実と仮定して言えば、このスタンス自体はよいことだと思います。ただ「米国議会下院の枢要メンバーに対し」ではなく、政府のスタンスとしてもちっとちゃんとしたルートで表明するわけにはいかないんでしょうかね。アベソーリが支持を失った大きな要因のひとつは、思想的スタンスを政治運用にきわめて中途半端に持ち込んだあげく尻つぼみで引っ込み、結果として状況を悪化させることですね。
この問題は、アメリカ国内で勝手にさわぐだけでとくだんの影響はないとか言いますが、そうではなくて、ふだんモノが言えないアメリカに対してノーを突きつけるいいバーターの具にするべきでしょう。今回表明した「これが通ったらイラクの航空自衛隊は即刻引き上げますから」の他に、「これ通ったら牛肉輸入中止しますんで」とか、ぜんぜん関係ないところにもばんばん使うべきでしょう。

日本よりは韓国のほうがよほどアメリカに言いたいことをいっている部分があります。まあ夜郎自大に言い過ぎてるところが大きいですが、アメリカ様にノーを言った場合どうなるかというところを、韓国で「ベンチマーク」していくべきでしょう。

しかし、くだんのマイク・ホンダ議員、何を根拠に「日米関係には影響はないと思う」とか言い切っているやら。ほかならぬ日本の駐米大使が「影響がある」って言ってるのにそれを否定するということは、チョッパリ風情が何をいおうとアメリカには全く逆らえないニダ、という意味でしょうか。まあナメられまくってますよな。
これで、アメリカ議会で可決したあと何もしなかったらアベソーリはもうダメダメ確定ですから。いやまったく。


写真はみつまめ。サイズをちょっと小さくしてみましたがどんなもんでしょ。

しょうがない発言

2007-07-09 00:11:03 | Weblog
先週、久間防衛大臣が辞任しましたよな。これについてはなんだか釈然としないところがあります。
あ、あの人が辞めることについては全然OKですよ? 大臣にもなって言ってイイこととイクナイことを的確に判断できない人はそれだけでリスク要因ですし。だいたい顔に緊迫感がないですな。なんかニタニタしていていかんです。言いたいことはわかりますし、内容としてはさほど間違ってはいない。しかし、言わなくていいことをぺらぺらしゃべっていることは確かですしね。

気になるのは、あの発言に対してさも偉そうに怒っている方々が、発言する相手によってはぜんぜん問題にしないという点ですな。

久間防衛大臣の発言に「許せません」とか言っていた連中、アメリカ核不拡散特使ジョゼフ前国務次官の「原爆投下が日本人の命を救った」とかいう発言についてはえらい静かですねえ。これは久間防衛大臣の言い分より2.8倍ぐらい非人道的発言だと思いますが、アベソーリなんか「ゆるさないぞー」かなんか言って、さりとて何かするわけではないという究極超人あ~る君みたいなスタンスですしね。

原爆投下はアメリカ軍の人的被害を押さえるための合理的判断だったというのが、確か従来のアメリカの主張だったと記憶してますが、日本人の命うんぬんというのは初めて聞きました。一説には風船爆弾が怖かったんじゃないかというのもありましたけどね。まあ軍人の命を助けるために民間人に核攻撃というのは21世紀のポリティカルコレクトネス的観点からちょっとアレなのでやや修整、という感じなんでしょう。

しかし、どんな解釈をしようと民間都市への核攻撃は「平和に対する罪」「人道に対する罪」において人類最悪の大罪です。チキューシミン的に言って間違いありませんですな。そういう連中の自己正当化発言については何も言わずにいるくせに、何を偉そうに非難してるんだかという気がします。そりゃソーリ大臣とか政府高官だったらなかなか言えないかもしれませんが、マスコミとか文化人(笑)とかそういう連中もやたらおとなしくてなんかげっそりですな。

また実際のところ敗戦国だし属国だし核の傘だしで「しょうがない」んでしようけど、韓国にしろアメリカにしろ、自国にも同じものがあろうと自国が命じて同じものを作らせようと、そんなの知らん顔で慰安婦は20世紀最悪の人身売買ニダ! とか他国非難してるわけですから、それが国際的デファクトスタンダードであるならそれに準拠するのもよしでしょう。
だいたい核の傘ってったってそんなのほんとに有効なのかなんなのかどうもあやしいもんですし、日本は別に日本に攻撃をかけた国にもれなく核攻撃してくれなんて頼んだ覚えはなく、単に「集団的自衛」を外注委託してるだけですから、委託業務の方法については外注業者の考えることであってこっちの知った事じゃありませんや。なので「核の傘に守られながら核兵器反対はムニャムニャムニャア」とかガキ臭いこと言ってないで、ここは堂々の無責任的スタンスで「すべての核保有国はすべからく非人道的である!! 核の傘? ソレはソレ、コレはコレ」ぐらい言い切っちゃえるようにならないとダメです。そんくらい図々しいこと、他の国はみんな平気で言いまくってるっスよ。

写真は箱根湯本駅近くのラーメン屋の手打ちラーメン。まあまあ、というかんじでした。

単純な表象と複雑な世界

2007-07-02 00:24:52 | Weblog

まず、沖縄戦集団自決うんぬんの問題で、

>http://www.asahi.com/national/update/0628/SEB200706280011.html
>
>教科書検定意見撤回、沖縄の全市町村が要求
>2007年06月28日14時11分
>
> 沖縄戦の際に日本軍が住民に集団自決を強制したとの記述が教科書検定で削除
>された問題で、沖縄県内41市町村のすべての議会が28日までに、検定意見の
>撤回を求める意見書を可決した。県議会も全会一致で可決しており、文部科学省
>の検定に対し、沖縄全体が「ノー」の意思表示をした形だ。


などをはじめ、朝日とか毎日とかには教科書から「集団自決を軍が強制しました記述」を削除した点について異論の記事がさんざん載りましたが、


http://www.sankei.co.jp/seiron/wnews/0608/web-news0827-1.html
2006.8.27 産経新聞
>「軍命令は創作」初証言 渡嘉敷島集団自決 元琉球政府の照屋昇雄さん
>
> 第二次大戦末期(昭和20年)の沖縄戦の際、渡嘉敷島で起きた住民の集団自決
>について、戦後の琉球政府で軍人・軍属や遺族の援護業務に携わった照屋昇雄さん
>(82)=那覇市=が、産経新聞の取材に応じ「遺族たちに戦傷病者戦没者遺族等
>援護法を適用するため、軍による命令ということにし、自分たちで書類を作った。
>当時、軍命令とする住民は1人もいなかった」と証言した。渡嘉敷島の集団自決は、
>現在も多くの歴史教科書で「強制」とされているが、信憑(しんぴょう)性が薄い
>とする説が有力。琉球政府の当局者が実名で証言するのは初めてで、軍命令説が覆る
>決定的な材料になりそうだ。
> 照屋さんは、昭和20年代後半から琉球政府社会局援護課で旧軍人軍属資格審査
>委員会委員を務めた。当時、援護法に基づく年金や弔慰金の支給対象者を調べるため、
>渡嘉敷島で聞き取りを実施。この際、琉球政府関係者や渡嘉敷村村長、日本政府南方
>連絡事務所の担当者らで、集団自決の犠牲者らに援護法を適用する方法を検討したと
>いう。
> 同法は、軍人や軍属ではない一般住民は適用外となっていたため、軍命令で行動
>していたことにして「準軍属」扱いとする案が浮上。村長らが、終戦時に海上挺進
>(ていしん)隊第3戦隊長として島にいた赤松嘉次元大尉(故人)に連絡し、
>「命令を出したことにしてほしい」と依頼、同意を得たという。
(略)


というような話は産経以外ではぜんぜん報道されないみたいです。こういう事実が出たことを報道しないで、アベセーケンが教科書から削除しました的な報道をするのはやや政治的意図をモロダシにしていてアンフェアという感じがします。まあ私もアベさんはそろそろ降りていただきたいと思いますけど。
産経の報道も事実かどうかはっきりしないし、Evidenceもはっきりしないみたいですが、ガクジュツ的な側面から白黒ハッキリしてから教科書に載せるのが妥当かと思います。

歴史的な事実とその表象としての有りようというものは、往々にして一致しません。事実はおおむね複雑であり、明確に記述することが困難なことが多いものです。しかし一方、ひとびとの脳内で通念になる表象というものは、たいていの場合、理解すなわち物語化しやすくするため非常に単純化されています。単純化が有効なケースではそれでいいんですが、単純に記述してはいけないケースで単純化を信奉しすぎるのは危険です。

アメリカの従軍慰安婦ナントカカントカ問題にしても、どうも物事を単純に理解する傾向が極端に発揮された結果という部分があるようです。これに賛成した議員の多くは、実際にどうだったかという事情とか、特定アジア、特に韓国人の民族性と、その脳内歴史がどんな状況なのか、この問題に関する提訴がそういうきわめて特殊な事情のもとに現象していて、これを理解するためにはそういう事情をよく理解し、また文化相対主義や罪刑法定主義の考え方を前提として判断するべきだったわけですが、なんか一時的な感情論でがーっと行ってしまったというのがいかにもバカっぽくて困ったもんです。

この問題についてなぜアメリカなんぞが口をはさむ権利を有するのかよくわかりませんが、この際いい機会なので徹底的に日本の立場を何時間でも主張するべきでしょう。いままでの対応は常に事なかれ主義で、本質的なことを放置してきたツケだと思います。河野談話もいいかげん破棄して、言うべき事はきちんと言うというスタンスを取るべきでしょう。事なかれ主義肯定派のなかには、例の国会議員有志の広告がわるかったとか言うひともいますが、あれはあれでよかったと思います。ただ、出す新聞がかなり間違っていたっぽいですが。まあ本当は票田がどうとか政治的な話のなかでするべき問題ではなく、歴史学者の主流な意見を国際的に協議するべきなんでしようけどね。アメリカの学者の意見書は結果としてぜんぶ無視されたみたいですが。

で、60年前の話をなぜ現代の人間が責任追及されるんだかよくわかりませんが、そんなこと言うんだったらアメリカによる民間人の居住する都市に対する核攻撃という人類未曾有の大犯罪についても徹底的に告発するのがスジってもんですね。あと奴隷問題とネイティブアメリカンに対する侵略・虐殺、また欧米各国による植民地政策という大罪についても断罪するべきでしょう。特定の問題だけ特別に扱うことは納得できない部分があります。地球市民としては。

ハッキリ言って、日本はこれからアメリカにある程度の距離を置くというチャンネルも検討するべきだと思います。そろそろ売り抜け時、という感じですね。というか、アメリカと死なばもろともチャンネルだけしかない現在の方策はそろそろ危険に思えるのですがいかがなものでしょうか。とはいえ、事実上の属国である日本は容易にこのパラダイムの外に出ることはできないでしょう。難しいもんですね。


写真はタピオカ蒸し饅。横浜中華街の重慶飯店の喫茶店でよく食べます。タピオカ好きなもんで。