[WWF]へーげる奥田の空談言説

サークル「WWF」主宰・へーげる奥田が適当に告知したり興味の対象について論じたりするウェブログである。

この機に乗じるひとびと

2008-06-16 00:12:33 | Weblog
秋葉原の一件はたしかに由々しき状況であって、なんらかの対策を打つ必要があることはまあ確かと思います。ただ、この種の事件に対して即効性のある対策というのはなかなか考えつかないですね。これは一種の自爆テロルみたいなものですから。

とか言ってるうちに、とっても優れた日本の行政とかはなんかいろいろ手を打ってくれているようです。なんか歩行者天国中止だとか、ダガーナイフ(っていう言い方は初めて聞いたんですが正しい呼び名なんですかね?)の取締りだとか、まあ頭のいいエライ人が決めたんだからきっとなんかこう深謀遠慮?って感じの決定だったんでしょう。
なんて嫌味はいくら言っても無駄ですんで単刀直入に言ってしまいますが、結局今までやりたくてしょうがなかったけど反対派とかの説得ができなくてペンディングになっていた規制をこの機に乗じて一気にやっちまえというゴリ押しというのが誰の目にも丸見えという感じですな。
確かに歩行者天国を廃止することはまあ対策になるっていえばなりますが、これを有効な対策にするのであれば、国内すべての歩行者天国をぜんぶ廃止にしないとあんまり意味ないでしょうね。歩行者天国が全部なくなりゃ満員電車の中でモロトフカクテル使うとかいろいろ代替手段ありますしね。社内のネットワーク上のパソコンの一台だけにウイルス対策ソフト入れるようなもんです。
ナイフの規制にしたって、戦闘用ナイフを禁止にしたら包丁使うに決まってるじゃないですか。そんなの大馬鹿にだって即座にわかりますよな。ていうか、論理的に言って、今回使用された凶器はまずトラック、次にナイフな訳ですから、まずトラックの使用禁止を考えるべきでしょうね。どっちが危険かと問われれば、一人一人刺さなくてはならないナイフより、ヘタをすれば建物ごと何人もの人間を死に至らしめることのできるトラックのほうが危険であろうと思われますし、統計結果は手元にありませんが、おそらく過去何年かのデータを比べれば、日本国内で戦闘用ナイフで死んだ人間よりトラックによって死んだ人間のほうがいくぶん多いであろうことが推測できます。まあ、トラックは社会運営に不可欠なものだからなかなか禁止にする訳にはいかないんでそれには触れないんですけどね。
という感じで、素人にすら簡単に突っ込まれてしまうような頭の悪い理屈がどうしてこうまかり通るかな、という点が腹立たしいです。まあどちらの問題も困りゃしないですが。
ただ問題は、町中でああいう通り魔がでて、どうにも逃げ場がなくなったときどうするかという点です。相手がナイフ持ってたら、素手で対抗するのはとても難しいと思います。一番いいのはこっちが「より大きい武器」を出して、近寄るとこっちも刺すぞとか威嚇してやることですが、護身用武器持ってるとなんか「オイコラ」とか言って捕まるらしいじゃないですか。そんなんだったら必ず納税者の生命を保証してくれるのかと言えばそんなことぜんぜんなくて、誰か死ねば事件として扱えますとかイケシャアシャアと言いかねません。
ということで私は、自衛のために普段から「捕まらない武器」持って歩いてます。一眼レフのデジタルカメラなんですけどね。これけっこう重いんで、ストラップ持ってぐるぐる振り回して顔面とか脳天とかに直撃喰らわせれば脳震盪、うまく行けば頭蓋骨陥没骨折とかぐらいの破壊力があるかもしれません。いやあ危険ですねえ。規制されるかな?

クラスター爆弾

2008-06-09 00:21:13 | Weblog
ちょっと前の話ですが、クラスター弾禁止条約参加ってのがありましたな。日本はこれに最後までなかなか賛同しなかったんですが最終的にはまあ条件付に参加したというやつです。
私はこの手の軍事的事情にはとんと疎かったんで、なんで日本がそこまでクラスター爆弾にこだわるのかもうひとつよくわかんなかったですな。ニュース番組でも「あ~悪の象徴みたいなクラスター爆弾禁止になかなか賛成しない日本の防衛関係者ってばなんて凶悪なんざましょ」的な報道ばっかりで、なぜ日本がそんなにこだわったのかをわかるように解説してくれた報道は見られませんでした。私が知らなかっただけかもしれませんが。そのため、宗主国であるアメリカ様の代弁者というか気を遣って形としてゴネたんだ、なんて言う人もいるみたいですね。

2008/06/06の産経新聞に載った森本敏氏のコラムでちょっとだけ理解できました。「クラスター弾を保有している中国、韓国、北朝鮮、ロシア、米国は禁止条約に参加もせず、条約を議論する会合にさえ出ていない」とのことだし、確かに他国に行ってよその国の国土にばらまく悪名高いアメリカのクラスター爆弾と、自国の国内にばらまく日本のそれとは「使い方」の点で大きく異なります。
私のかなり生半可な理解では、もし他国の侵略を受けて上陸を許した場合、日本の自衛隊のやりたかった戦略というのは、たぶん戦力や弾薬の消耗を最小限にした遅滞防御に徹していじましくいじましく時間をかせぎ、アメリカ軍が支援に来るのをひたすら待つ、という感じなんでしょう。そのために地雷やクラスター爆弾は有効な兵器であり、それを使わないで時間をかせぐには軍備を増強するしかないというのでゴネていたのではないかな、と。そういうことなら日本の言い分もちょっと理解できます。

私は、同じ兵器でも「イイ兵器」と「イクナイ兵器」というのは厳然としてあると思っています。その判断基準はいくつかありますが、ひとつは「コントロールが可能か否か」という点があると思っています。コントロールが思うようにできない兵器はイクナイ兵器です。キレイゴトを言えば、兵器というのは戦争の道具であり、戦争とは軍人が行うものなので、兵器が民間人に害をなすようなことはないようにコントロールするべきです。そのコントロールが一定の確度でできない兵器は使うべきではありません。だから毒ガスとか、細菌とか、核とかは使うべきではないと思います。
ただ、私は理念でどうこう言うのは嫌ですんで、ABC兵器だろうと地雷やクラスター爆弾だろうと波動砲であろうと、完全にコントロールできるならイクナイ呼ばわりする理由はないと思います。今回のクラスター爆弾についても、日本がゴネたおかげで、少なくともちゃんとコントロールできるものについてはOKということになったらしいので、結局日本はそういう機能付きの新型に全部切り替えることになるのでしょう。それでも怪我したりする民間人がいたら、もちろんちゃんと補償すべきだと思います。ついでに言えばアメリカは他国でばらまいたクラスター爆弾等で怪我した民間人にちゃんと補償すべきでしょう。絶対しないだろうけど。

とにかく、日本の言い分があるならあるで、意見広告なりなんなりでちゃんと主張するべきだったんではないかなと思いますな。