[WWF]へーげる奥田の空談言説

サークル「WWF」主宰・へーげる奥田が適当に告知したり興味の対象について論じたりするウェブログである。

派遣村とか

2009-01-14 00:48:04 | Weblog
同人誌制作とかで忙殺されていたら1ヶ月以上さぼってしまいました。いかんですな。

で、このところ気になっているのは派遣切りとかそういうアレです。

確かに産業構造がここ数年で激変した部分があり、やむを得ず派遣社員の職に甘んじざるを得ない人も多々おられるのはわかります。実際、派遣社員や契約社員でも正社員以上の努力をされている人を私もたくさん見てきましたし。

ただ、このところのマスコミとかの報道はかなりバイアスといいますか、政治的ストーリーづけが露骨すぎてなんか気分が悪いですな。
だいたいにおいて派遣社員というのは、言い方悪いですが不況の際は切るために雇うわけですね。派遣社員は「労働単位」であって「人」ではないというのが基本精神です。だから、たとえばとても仕事のできるスーパー派遣社員がいたとしても、「あの人派遣してください」というのは違法です。派遣は「○○のスキルの労働力を○人」というもので、特定人物に対する指名は派遣法違反です。だからあまり長期にわたって雇い続けてはいけないわけです(業種にもよりますが)。

まあ私も派遣法とかはあんまりよく知らないので認識が間違ってるかもしれませんけど、派遣を切る企業がそんな人面獣心のオニのよーなものかといえば別にそういうことはないでしょうし、政府がそんなに猛烈に悪いという気もしません。だいたい派遣社員で寮を追い出されて住む家がないとかいいますけど、現代日本の生活において最もコストがかかるのは一般的には住居です。なので、寮とかに入れば生活費は浮きますが、そのぶん寮がなくなった場合の経済的反動が考えられますから、もし私だったら寮に住めなくなった場合のことを考えて必死に貯蓄するでしょう。なぜそういうことをしませんか? だいたい、派遣や契約社員というのは、法的に正社員より先に切らなくてはならないことになっている存在なので、常に切られる可能性を勘案しつつ、油断なく生きていく必要があるはずです。

いまや正社員だってかなり大変で、おまえ夜勤やれって言われればしなければならないでしょうし、おまえ青森行けって言われれば行かざるを得ないわけです。今までやって慣れていた仕事だって、いまの世の中そう長く続けられません。人材ローテーションだとかなんとか言ってぜんぜん得意じゃない業種に回されることも非常に多いですし、コンピテンシーとか資格とか、自分をアピールし得るスキルを必死で伸ばさないと生き残れないようなシステムをどこの会社も導入しています。そういうところから考えても、少しspoil気味ではないかと思うんですがね。
後期高齢者のときも思ったんですが、どうも報道の描くストーリーが、ああ切られた派遣かわいそう企業ひどい政府ワルモノ、という感じで何だか力道山対シャープ兄弟からあんまり進歩してねえなあと思いました。

それに、これもあまり詳しくないのでアレですが、そもそも切られた派遣社員に対して適切な仕事をあてがうのは、その派遣社員が所属している派遣会社の仕事じゃないんですか? 派遣法にも派遣元の義務としていろいろ決められていると記憶してますが記憶が曖昧だしググるのすら面倒なので断言しませんが。だいたい派遣会社って、ふだんから派遣会社の給与を何だかんだ言いながらピンハネしているわけですが、それは的確な研修を行ったり、派遣先の仕事を切られたときに迅速に次の仕事を探したりする業務に対する対価なんじゃないのか、などと思うところであります。昔出向先で派遣社員を打診したときに、そんな給与ではワタシドモの取り分が出ませんねえなどと嫌味を言われたことがあるのでどうも派遣会社ってキライなんですが、報道とかを見ても派遣会社の怠慢とか派遣会社というビジネスモデルについて批判する意見が全然でてないように見えるのが気に入りません。私が知らないだけかもしれませんけど。

まあそんなところでした。