宮崎正弘の国際ニュース・早読み
プーチンはウラジオストック訪問で何を強調したか
中国から王洋副首相が同行し、現地ではステーブ・シーガルが待っていた
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アクション俳優ステーブ・シーガルは日本でだけ有名かと思っていたら、そうではなかった。
プーチンもこのアクションスターがたいそう、お気に入りのようだ。武術家同士だから気があうのかもしれないが、シーガルはアムール川に生息するレオポルト(アムール豹)の生息状況に関心があるようだ。
ウラジオストックで、プーチンは演説など公式行事の合間をぬって、シーガルならびに中国から同行した王洋副首相をともなって水族館を見学した。
さてプーチンは、ウラジオストックの国際会議場で「東方重視政策」を発表したのだが、その「極東経済セミナー」においてロシア経済を離れて、「移民、ISIS、イスラム過激派、テロリスト排撃の共同作戦」などについて、西側とカナリノ距離をおいた内容を語っていた。
シリア難民がドイツへどっと避難し、さすがのドイツが悲鳴を挙げている。トルコからギリシアを経由し、マケドニアへはいり、ハンガリー・ルートを北上し、ドイツへ向かうのだが、なぜドイツなのか?
難民の誰もがロシア行きを希望しない理由はなに?
難民密航ルート
http://mideast-watch.blog.jp/archives/40881373.html
プーチンはこう言った。
「移民問題は驚くべき問題ではない。歴史的に何度も繰り返された。このシリア難民は、西側のアラブ世界への無知と、外交の失敗に起因するものであり、とう に予測されたことではないか」とプーチンは荒々しい語彙を撰んで、この際、西側の対ロシア制裁の仇をとったかのように高揚した感じである。
西側が期待するのは、ロシアがISISなどテロリスト退治に、いったい協力するのか、どうか、だろう。
プーチンはこうも言った。
「ISISなどテロリストや過激派の退治にロシアが西側と連立を組むことが確実というには時期尚早である。すでに米国大統領のほか、サウジ国王、トルコ大統領とも、この問題では話し合っている。」
だから、どうするという次の言葉がなかった。
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>「移民問題は驚くべき問題ではない。歴史的に何度も繰り返された。このシリア難民は、西側のアラブ世界への無知と、外交の失敗に起因するものであり、とうに予測されたことではないか」
その通りだと思います。
こうした見方は欧米自身わからないのではないでしょうか。
そもそも、ISISが生まれた原因は、アメリカの失策と言われています。
ポル・ポトのようなアサド政権にお灸をすえず、野放しにした結果、反政府ゲリラが立ち上がり、その中の極めて自己中心的な者達が集まってできたのがISISだ。
その前の「アラブの春」でも民主主義をよく知らない中東の人々が指導者のいないままカオスと化したが、幸福の科学からは先進国が指導しないとだめだと何度も警鐘を鳴らしていた。
ゲリラからテロリストが生まれ、地域住民を脅かす。大量の難民が生じることも幸福の科学は指摘していたように思う。
話は飛びますが、
やはり日本はプーチンと手を組むべきだと思います。
日本はISISなどのテロ対策に同盟国のアメリカと連携する姿勢はとっているので、ロシアと欧米の架橋になり、ロシアの孤立を塞げば、本当は中国を脅威に思っているプーチンが中国と接近する必要は無くなる。
そうなれば、ロシアと協力して中国を牽制できます。
余談ですが、メドベージェフが北方領土へ来た時も、内心はどう感じていたかはわかりません。立場上、メドベージェフを黙認していますが、この時期「それをやってくれるか」と思っていたのではないでしょうか。
プーチンは日本と連携はしたい、けど、こちらからは歩み寄れずといったところでしょう。
日本がさりげなく意を汲んで手を差し伸べることが日本にとっても得策なんじゃないでしょうか。
ロシアと日本。利害はとうに一致しているのです。
それを邪魔したいのは他ならぬ中共でしょう。とにかく中共にとっては日本が目の上のタンコブで卑しめて貶めて、他国と分断したい。だけど、どうしてそう思うのかといえば、すべては支那人の根性の曲がった性質・性格からくるものであり、日本の責任ではありません。彼らも何らかの反省が必要になってくるらしですよ。
北方領土問題は、日本が誇りを取り戻し、世界における日本の自覚を持てれば、解決の道筋は出てくると思います。それなくして、返せ返せいっても子供が駄々をこねているようにしかならないんですよ。
ちゃんとした“大人の自覚”をもとう日本。