幸福実現党党首 釈量子
今回は、コロナ対策に投じられた国費の使い道を確認しながら、果たしてそれが有効なお金の使い方だったのかを検証していきたいと思います。
◆医療供給体制強化に16兆円――その使い道とは?
2020年1月以降、新型コロナ対応の医療体制確保、ワクチン確保などに、少なくとも16兆円の国費が投入されました。
財務省の諮問機関が、4月13日に発表したところによると、16兆円の内訳は次のようになっています。
・病床確保などの緊急包括支援金、約6.0兆円。
・ワクチン関連で4.7兆円。(ワクチンの購入、冷凍状態で運搬、ワクチン接種会場の確保や医師等への手当などの費用)
・ワクチンの打ち手を確保するための医療従事者を派遣した医療機関への補助金。
・治療費の確保やPCR検査体制を整える費用。
なお、コロナ禍が始まってからの経済対策費用は、財政投融資を含む事業規模293兆円に上ります。
他にもコロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言の協力金、苦境に陥った中小企業などの支援にも多額の費用が投じられました。
◆国費を投じた感染対策の効果?
コロナの医療体制確保の予算が仮に16兆円だけだったとして、単純計算で国民一人当たり12万円の国費を投じたことになります。これだけの多額の国費を投じた感染対策には効果があったのでしょうか。
ワクチンを打っても感染者は増えたのは事実で、特にオミクロン株などの新しい株には効果が疑問視されていました。
5月には厚生労働省のワクチンデータの集計方法の変更が明らかになり、ワクチン接種を1回目、2回目接種した日付が不明な人を「未接種」に分類して集計していたことが判明しました。
この結果、多くの年代層で、2回接種した人の感染率が、未接種の人の感染率よりも上回りました。つまり、ワクチンを接種した人の方が、接種していない人よりも感染者が多かったことが判明したのです。
心筋炎のリスクも、ワクチン接種者の方が、未接種者よりも高かったことも判明しております。実際、ワクチン後遺症の事例も出てきており、愛知県は独自に相談窓口を設置し、サポートを始めています。
つまり、感染予防効果には疑問があるうえ、接種者の健康に悪影響を与えているというデータが出つつあるわけです。
◆ワクチン接種の運用に関するムダ
次に、ワクチン接種の運用に関するムダです。
大規模会場で接種したことで、会場費、運営スタッフ、PR費用等が必要になりました。
また、各地で使用期限が過ぎたワクチンが大量廃棄されています。確保されたワクチン8.82億回分に対して、実際に接種された本数は、2.83億回(6/17時点)で、わずか32%です。
接種されていない68%のワクチンのうち、どれくらいが在庫なのか廃棄されたのかは分かっていません。
廃棄量を明らかにする自治体もありますが、厚生労働省は自治体の事務負担を考慮して廃棄量を調査していないからです。
しかし、ワクチンの接種数を報告させるのなら、廃棄量を報告させても、負担はそれほど増えないのではないでしょうか。
要は、廃棄数が明らかになり、批判がでることを恐れているのかもしれません。
◆病床確保は有効だったのか
次に、病床確保は有効だったのかを検証します。
コロナ対策16兆円のうち、一番お金が投じられた緊急包括支援金です。
その約6.0兆円は主に「病床確保」に使われましたが、補助金だけもらって、実際は患者を受け入れない幽霊病床の問題が起きました。
確かに、ベッドが空いていても医者の手が空いていなければ患者を受け入れることは難しいわけです。しかし、病床使用率が100%でないのに、重症患者がたらいまわしにされる問題も相次ぎました。
ベッドを空けておきさえすれば、患者を受け入れなくても公金が入る仕組みになっているからです。
新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)傘下の東京都内の5つの公的病院では、コロナ病床を183床確保していたのですが、このうち30~50%も使われていないということが批判されたこともあります。
このようにコロナ対策16兆円は、有効に使われたとは言えないのではないでしょうか。
(後編につづく)