今日届いた地盤工学会に、第4紀の定義が変わることについて述べられた論文がありました。第4紀学会のホームページによると、次のように記されています。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
IUGS(国際地質科学連合) 執行委員会は地質区分として不確定だった第四紀を正式な紀/系として認め, 第四紀の新しい定義を正式に批准しました(2009年6月30日).これにより, 第四紀の始まりは従来の181万年前から258万年前に変更されました. 新たに第四紀の始まりとされた時期には地球全体で気候の寒冷化がおこり, 南北両半球に大規模な氷床が形成されるようになりました. そして,この時期から氷床の拡大・縮小が繰り返され, 氷期・間氷期の交代で特徴づけられる第四紀の気候変動・環境変動が始まりました. 人類は,これらの気候と環境の変動に対応して進化と拡散の歴史を重ねてきました. 今回の改定では,地質区分境界を決めるのにあたり,この気候変動の開始時期が重要な着眼点となりました. 第四紀における気候変動・環境変動に関する知見は, 現在私たちが抱えている温暖化問題などの地球環境の将来を考えるうえで重要な情報となっています
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
実際に地質踏査のベテランの方にきくと、この新定義の方が土木地質的にも感覚にあうということをおっしゃってました。実際パナマ地峡が形成されるなど、ドラスティックな変化が起こっています。
例えば、淡路島の大阪層群の最下部にあって、北陸、関東、新潟など広域に認められるテフラ層などが第4紀の境界として重要な意味を持つとも述べられています。
また、地盤工学会の会員にとっては、という前置きがありましたが、日本列島には第四紀の始まり前後の地層群が丘陵地を構成し、台地や平野の地下に軟岩として広く分布しており、鮮新/更新統として扱われることが多い、とされています。周りの人に聞いたら、このへんは新定義の方がしっくりくる、体で覚えている感覚と近いからね、、ということでした。地形の成り立ちや景色を考える上でも、重要な定義と言えそうです。
最新の画像[もっと見る]
- デジタルブック第四紀地質学 14年前
- 考える原点は色鉛筆 14年前
- 宝石は、女性の最良の友 - B.W.ピプキン・D.D.トレント著「環境と地質」より - 14年前
- Field Geology Illustrated 14年前
- 無名の工匠 14年前
- 三渓園の建築と風景 14年前
- 七面山登山 - 日蓮宗と岩盤クリープのシンボル - 14年前
- 人生ゲーム最新版 14年前
- 日本列島”お豆腐”論 15年前
- アイスランドの火山噴火と歴史 15年前
ゆっくり学ばせていただきます。
こういうのを science と言うのですね。
建築の世界のは、似非科学・・・・・。
第四紀の気候変動や循環系の変動については、例えば南極氷床コアの分析など
http://caos-a.geophys.tohoku.ac.jp/bujunkan/archives/000049.html
実に地道な努力の積み重ねの上にあると思うと、頭が下がります