防災ブログ Let's Design with Nature

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応用地質学会誌49巻6号(その1)

2009年02月12日 | 技術動向
トンネル坑口上方のまさ土斜面の崩壊による土砂流動災害の事例

地味といえば地味ですが、現地調査結果を実直に反映した論文だと思いました。空中写真の時系列的判読にボーリング、土石流衝突痕の分布、地表・地質踏査、簡易間入試験、このような現地情報がふんだんに盛り込まれた論文は、最近減ってきたように思います。

この災害の教訓は以下のとおり

・1963年ごろに建設されたトンネルは、延長を短くすることを目的として造成されていることから、谷型斜面に多い。このため、土石流災害を受けやすい。

・地域特性や過去の災害を推定するには、過去に撮影された多時期の空中写真を時系列で判読し、崩壊発生状況や植生変化を追跡することが有効である。