日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

さあ、どうする小池都知事の震災慰霊?

2024年08月08日 07時59分31秒 | 政治
 「関東大震災直後の朝鮮人虐殺を巡り、東京大の教職員が5日、東京都の小池百合子知事宛てに、虐殺の認定などを求める要請書を初めて提出した。虐殺問題を研究する外村大(とのむらまさる)教授(近代日本史)ら83人の連名。記者会見などで虐殺について明確に答えない小池知事に『定まった評価を受けている学説への信頼を毀損している』と批判した。虐殺を巡っては、歴代知事が毎年9月1日に開かれる犠牲者の追悼式典に追悼文を寄せてきたが、小池知事は就任2年目の2017年以降『都慰霊協会が営む大法要で、関東大震災のすべての犠牲者に哀悼の意を表している』として見送っている」(2024/08/06東京新聞)
1923年9月1日に相模湾トラフを震源とする巨大地震、名付けて「関東大震災」は東日本全域の大地を揺るがした巨大地震であったが、とりわけ東京都心と湘南地方を中心として約10万5000人という恐るべき多数の死者を出した。折しも11時58分という各家庭で昼食のためにかまどに火をつけている時刻であったから、木造建物倒壊と出火は同時で一円火の海となって逃げ遅れた人々を火炎が捕らえたのである。燃え上がった火柱は、自ら風を作り火種を振りまいたから関東平野一円に火災を広げ、逃げ遅れた女性や老人・子供・身体障碍者らを中心に死者数を大きくしたのでもあった。
こういう恐怖の中を同胞相集って逃げ惑う異国出身の人々に対して、根拠もなく彼らが火をつけたというデマが語られ拡散して、ついに朝鮮人の大量虐殺という巨大な悲劇が生まれてしまったのである。デマは国家をあげて組織化され軍隊が出動する騒ぎにまで拡大し、多数の悲劇を生んでしまった。数多いこの国の近代史に残る惨劇の中でも主要な一つをここで惹起ししてしまった。
この事実について、今生きる我ら子孫たちは真摯に頭を垂れて慰霊のための努力をしなければならない。そういう思いが追悼行事となって、戦後70余年にわたって都主催で開催されてきた。これに対して代々の東京都知事は「追悼の誠」を寄せてきたものである。しかしこの恒例の役割を無視したのが現知事小池百合子氏で、なぜか就任一年目は寄せていた追悼文を二年目から廃止してもはや去年までに7年が過ぎた。
上の東京新聞記事は近代史の研究者らによる「学術的」立場からの抗議であって、小池氏の「政治的」判断とは発想が根源的に違う。その評価を小池氏が政治家の立場からどう評価し、判断するか?、そこには国際政治も要素として濃く内包されている。それゆえ政治家としての「優劣」もまた問われているのである。過去にいくつもの国務大臣を歴任してきた政治家として、考えるところが有るのか無いのか?、学者たちが問うているのも其処に有るのではないだろうか?
「女帝」小池百合子氏の理性と知性の有無が問われている。
 


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1 コメント

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Unknown (integrale)
2024-08-08 17:19:03
小池氏が「政治家」であるならば、追悼文を廃止したことについて、その根拠を示してその判断を説明する責任があると思います。そして、その根拠が果たして根拠たりうるのか批判にさらされる必要があるでしょう。どんな根拠を示すのか、そこに小池氏の理性と知性が明らかになるはずです。
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