蜘蛛網飛行日誌

夢中説夢。夢の中で夢を説く。夢が空で空が現実ならばただ現実の中で現実を語っているだけ。

巴塞羅那的天才

2005年03月24日 22時59分42秒 | 彷徉
神保町のタトル商会の店先にTASCHENのGaudi The Complete Buildingsという写真集が平積みされていたので買ってしまった。消費税込みで1995円だったこともある。このTASCHENから刊行される写真集は廉価なのがうれしい。内容的にもしっかりしているし、まあ英語版なのはちょっと不愉快だが値段と勘案すれば何度か辞書を引く手間を我慢するのもしようがないか。Printed in South Koreaとなっているところから推測するに、恐らく人件費を徹底的に低く押さえているのだろうなあ。
ガウディの作品から感じられる一見狂気とも思える意匠、これは明らかにアール・ヌーボーの嫡子なのでありそれは特にCasa Batlloのインテリアに顕著に見て取ることができる。つまり植物的曲線の多用、これはちょっと見には判らないのだけれどもグエル公園やサグラダファミリア教会も確実に植物的なのだ。ただし1900年以前の作品にはクリンカー仕上げのまるでオランダ表現主義みたいな作品(Colegio Teresiano1888-1889)もあるので、それなりにいろいろな様式を試みた後にできたのがあのガウディ様式なのだろう。サルバドール・ダリはル・コルビジェが大嫌いでアントニオ・ガウディが大好きだった。「美は可食的でなければならない。そうでなければ存在しないだろう」これはわたしの大好きな言葉。理屈ではなく実感としてわかるでしょう。美しいものは美味しそう、美味しそうなものは美しい。