蜘蛛網飛行日誌

夢中説夢。夢の中で夢を説く。夢が空で空が現実ならばただ現実の中で現実を語っているだけ。

古書巡礼

2005年03月18日 18時22分13秒 | 古書
藤沢の有隣堂で「第7回湘南フジサワ古書まつり」を開催していると聞いて、性懲りもなく出かけてしまった。散々期待を裏切られつづけているのに、またしてもいってしまうのだからこれはもう病気としか言いようがない。そしてまたしても不漁。とにかく品揃えが貧弱なくせに値段は結構高め。デパートなどの大型店舗内で催されるこの種の即売展が概して値が高いのは、いわゆるショバ代が加算されるからだと聞いている。駿河台下の東京古書会館、高円寺の西武古書会館、五反田の南部古書会館の古書展が安いのはショバ代が無いからか。でも最近はやや高めになってはきているようだ。「第7回湘南フジサワ古書まつり」に話を戻すと、古書というより古本を探すような客層とみうけた。それよりなにより近頃はこうした地方都市での古書展そのものに魅力がなくなっている。並んでいる商品は神保町でも見掛けるものばかりで、しかも神保町より高めとくれば、ほかにどんな魅力があるのだろう。残っているのは地方史資料かあるいはその土地のいわゆる文化人にまつわる資料くらいだが、それさえも在ればよいほうなのだ。地方色を打ち出すということは、なにも餃子や焼きソバで有名になることではないのであって、各地の古書店が商いできる経済的文化的環境を整えることが、いわゆる地方の本当の意味での活性化につながるのじゃあないだろうか。などと、ひさかたぶりにまじめに考えてしまった。