今日のような天気の好い日に工藤直子さんの「ちびへび」を読むと、えも言われない寂しさに見舞われる。
そして、その寂寥をうすら心地良く感じることが僕にとって良いことなのか悪いことなのか、もう分かるはずもない。
『ちびへび』
暖ったかいのだもの
散歩は したいよ
ちびへびは
おうちに鍵をかけて
ぷらぷらでかけた
こんちわというと
小鳥は ピャッと飛びあがり
いたちはナンデェとすごんだ
あら おびに短したすきに長しねと
仲間は忍び笑いをした
ちびへびは急いで家にもどり
おうちの中から鍵をかけ
燃え残りの蚊取り線香のように
まるくなって ねむった
でも・・・・・・
暖ったかいのだもの
散歩は したいよ
ちびへびは
もういちど でかけた
誰もいないところまで
―こんちわ いわずに
ぷらぷら しないで