偽装魚の実態シリーズ ヒカリ物の偽装 柳葉魚(ししゃも)
偽装魚名 カペリン・キュウリウオ・カラフトシシャモ
居酒屋の柳葉魚はニセモノばかり!カペリン・キュウリウオ・カラフトシシャモ
鱈子・数の子・飛びっ子・子持ち昆布など魚卵にも偽装活躍中
■柳葉魚は今や貴重な魚となり市場に出回る9割以上がニセモノ
柳葉魚は回転寿司店ではあまり出ませんが、居酒屋特有の偽装魚でしょうか。偽装される魚はカペリンと呼び、柳葉魚とは別の種で北太平洋北部・北大西洋北部で獲れ、カナダ・ノルウェー・アイスランドから輸入されます。カペリンの雄は黒っぽく柳葉魚には使えず、日本に送られてくるのは専ら雌だけです。雌の中から卵を抱えたカペリンは、現地で選り分けられ“子持ち柳葉魚”として日本に送られます。
偽装魚の2つ目・キュウリウオは、アラスカなどの北太平洋北部で獲れます。生だと、名前のように胡瓜(きゅうり)臭いので一旦冷凍にします。3つ目がカラフトシシャモで、北海道にしかいない柳葉魚と近い仲間です。
若い方は、カラフトシシャモそのものが本物の柳葉魚と思っている方が多いようです。市場に出回る9割以上が、これらのニセモノ柳葉魚です。本物の柳葉魚を食べた中年以上は、苦みが魅力の本物の味を覚えていますが、若い方はカラフトシシャモやカペリンのほうが脂が乗って美味しいと言います。
カぺリンはそれだけでは終わらず、まだまだ働き口が多く“引手数多(あまた)”です。カぺリンの魚卵をバラバラにし着色して、おにぎりの鱈子(たらこ)・飛びっ子、はたまた結着させて数の子・子持ち昆布にさえ化けるのです。
■本物・柳葉魚のミニ情報/貴重な種だけに流通量は極端に少ない
本物の柳葉魚は、北海道南部の太平洋沿岸しか分布していない日本固有の種です。体長は、15cm程度。貴重な種だけに、流通量は極端に少ないのです。漁のピークは10月頃で、地元漁師は刺身や寿司にして食べるなど季節限定の“贅沢”です。
名の由来はアイヌ神話が基で、カムイ(神)が柳の葉に命を吹き込み柳葉魚を創造したとされます。アイヌ語のスス=柳、ハム=葉、が柳葉魚(シシャモ)の語源と言われます(諸説あり)。
※魚の区分は、真相シリーズ独自のものです。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。